シダックス株式会社は、病院や学校、企業の社員食堂などで食事提供を行うフードサービス事業、役員車、地域のコミュニティバス、スクールバスや旅客バス等の車両運行サービス事業、自治体から業務を受託する学童保育、図書館や観光施設の施設管理を行う社会サービス事業を中心に展開する総合サービス企業です。同社の法務部において、社内のコンプライアンス対応や社内研修などを幅広く担う古里様と岡部様に、「CHeck リサーチ」導入の背景や利用後のご感想を伺いました。(2025年1月)
導入サービス | 「CHeck リサーチ」 |
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課題 | ・4万人規模の従業員の実態把握や分析方法に悩んでいた ・自社での分析は難しく、専門家に依頼する必要があると考えた |
運用 | ・全従業員のWebアンケートを実施 ・事業会社単位でも結果が比較できるようにレポートをカスタマイズ ・他部署が行う別のアンケートも同時に実施し、従業員の負担を軽減 |
効果 | ・「通報が少ない部署=問題ない」という思い込みが覆り、意外なリスクが可視化された ・外部の視点や他社との比較で結果を読み解き、改善策を検討しやすくなった ・周知について課題が明確になり、今後の改善や連携への見通しが得られた |
古里様 アンケートは今回がはじめてです。コンプライアンス相談の件数が年々伸びている一方で、4万人弱いる現場の従業員の声をどのように汲み取ればいいのかという課題がありました。顧問弁護士からの意見としても、アンケートは有用だという話があったため、今年はじめての実施に踏み切った形です。
古里様 電話で相談を受け付けてくれる外部サービスを利用しており、その流れでアンケート実施について情報収集を進めていたところ、「CHeck」のようなサービスがあるということを紹介してもらいました。やはり現場の従業員数がかなり多いので、社内でアンケートの実施から分析、啓蒙といったことをどこまで行えるか不安がありましたし、外部の専門家のノウハウを活用したいと考えました。
岡部様 設問は書籍などのテンプレートを参考にすれば作れる部分もありますが、アンケートの結果を自分たちで分析するのは難しいと思っていました。レポートのまとめ方や各部署へのフィードバックの仕方にも専門家の知見が必要だと感じましたし、過去に「CHeck」アセスメント研修のトライアルを体験したことがあり、そのときの満足度が高かったことも決め手でした。
古里様 設問を拝見して、当社にマッチしていると感じました。
岡部様 事業会社ごとのレポートを出してもらえる点も大きかったです。基本的なことをしっかり聞いた上で、ベンチマークとの比較をしたい、グループ全体と事業会社ごとのレポートも欲しい、所属部署など細かい部分も聞いておきたいなど、こちらの要望がいくつかある中で、予算に合わせて臨機応変にカスタマイズしていただきました。
古里様 全社の従業員を対象に、誰でも回答できるように実施をしたのですが、周知が十分に行き届かなかったこともあり、想定より回答率が低い結果となりました。回答率が低かった要因としては、事業会社ごとに周知の仕組みが異なることや、現場に周知していただく負担を軽減するために回答を強制ではなく任意にしたことが挙げられます。今後は社内の関連するバックオフィス部門と連携を取りながら周知体制を整えていく予定なので、より多くの社員に回答してもらえるように取り組んでいきたいと考えています。
古里様 Web形式で行いました。ただ、従業員全員が社用PCを持っているわけではないため、私用のスマートフォンでも回答できることを合わせて伝えていましたが、従業員全員に周知することはなかなか難しい状況でした。
岡部様 個人の携帯に通知することはできないので、各店舗に通知を回覧してもらったり、給与明細の備考欄にアンケートのURLを入れて通知したりといった工夫をしましたが、どうしても「見逃し」や「気づきにくさ」を完全に防ぐことは難しく、アンケートを実施していることを知らなかった従業員もいたようです。
岡部様 コンプライアンスに関する設問ではないのですが、追加で他部署のアンケートも入れて実施してもらいました。ちょうど同じタイミングでほかの部署もアンケートを実施したいという事案が発生したのですが、別々に実施すると2つのアンケートがブッキングして従業員にも負担がかかってしまうので、「CHeck」のアンケートに組み込んでもらったような形です。柔軟に対応してもらえて非常に助かりました。
古里様 従業員に日々さまざまな通知が届く中で、アンケートへの回答依頼が何度も来ると、業務にも支障が出てしまいかねません。1度のアンケートでまとめて実施できたことは本当によかったと思います。
古里様 本社や事業会社ごとに回答率の差はあるので、分母が少ないところの方が、その事業会社の傾向というか色が出やすかったかなという印象はあります。
岡部様 予想外だったのは、通報や相談がほとんど出ていない部署で「ハラスメントリスクが高い」という結果が出たことです。私たち法務としては、どうしても現場から声が上がってくるところしか知ることができません。寄せられた相談の件数や内容を基に現場をイメージしてしまっていて、「通報がないところは、問題もない」と想像で判断していたことに気づきました。
古里様 部署ごとの研修や周知を強化すべきポイントがはっきりしたので、重点的に取り組みたいと思っています。また、思っていたよりも現場のみなさんがコンプライアンス意識を持っていることが分析から見えたのに対して、会社の体制がまだ追いついていないというギャップも感じられたので、体制をしっかり整えていくことや、「現場の声を聴き、サポートしていきます」というメッセージも発信していきたいと考えています。
一方で、現場は人手不足などで常に多忙なため、堅苦しい言葉で情報を発信し続けても目を通してもらいにくいという課題もあります。今年は「コンプライアンスのエンターテインメント化」を掲げて、さらに関心を高めてもらえるようにコンプライアンス強化に取り組んでいきたいと思っています。
古里様 今回このようなアンケートがはじめてで、内容や実施方法を含めてどのようにするべきかという軸がない状態でのスタートでしたが、疑問点は速やかに解決してもらえました。丁寧にサポートしていただいたおかげで、始めから終わりまでスムーズに進めることができたと思います。当初の目的通り、社内の状況もだいぶ汲み取れたところもありましたので、今後、1年後、2年後と経年で分析していきながら、今回見つかった課題が改善していくイメージを持って取り組んでいけたらと思っています。
岡部様 こちらが提示した費用の範囲内でできることを最大限に提案していただきました。臨機応変かつスピーディーに対応してもらえて、アンケート完結まで並走してくれるのが心強かったです。レポートを受け取ったあとも、担当の方からフィードバックをもらう時間がありました。正直、あの1時間がなければレポートを十分に活かしきれていなかったのではないかと思います。具体的には、「数値がこのように出ているが、ベンチマークと比較するとこうなので問題ない」「他社と比較すると、この部分は要注意です」といった第三者ならではの意見や評価をもらうことで、自社だけでは見えてこない視点を得られました。この点が「依頼してよかった」と思う一番のポイントですね。
古里様 社内へのフィードバックの仕方で、悪い結果をネガティブに伝えないように工夫したかったので、どの部分をどういう風に伝えていくのかも相談させていただきました。相談窓口の周知方法や参考になる事例なども教えていただき、結果として、課題点をソフトに伝えるアプローチが取れたと思います。また、データの量が非常に多いので、最初はどこから手をつけたらよいかわかりませんでしたが、そうした点についても丁寧にアドバイスをいただけるので、安心して取り組むことができました。
お話しいただき、ありがとうございました!