川崎重工業株式会社

せきなび
  • #製造・メーカー
  • #~500名

新設部署への「せきなび」導入で、部内交流を活性化。

川崎重工業株式会社は、オートバイ・航空機・鉄道車両・船舶などの輸送機器やその他機械装置を製造する、総合重工業メーカーです。同社の水素戦略本部に所属し、組織戦略の立案や組織課題の解決に取り組んでおられる管理部の尾原様に、「せきなび」の導入背景や運用状況、導入後のご感想を伺いました。(2023年7月)

導入サービス 「せきなび」
課題 ・部署新設と急速な増員、組織改編により、お互いの顔や名前がわからない
・フリーアドレス化やテレワーク、多拠点勤務により、社員の所在がわかりにくい
運用 ・15名ほどでトライアルを実施、導入後は200名弱で運用中
・多数の拠点やテレワークを含めた11個の枠を作り、一画面で表示
効果 ・他の社員の顔や名前、電話番号がすぐわかるようになった
・プロフィールを見て声を掛け合うなど、交流する機会が増加した
・災害など緊急時における「所在把握」の困難さを解消

「せきなび」 導入の背景

組織の拡大と働き方改革が急速に進む中、コミュニケーションの課題が顕在化。

「せきなび」を検討された経緯について教えてください。

尾原様 我々が所属している管理部・業務課は、水素戦略本部における組織の戦略立案や組織課題解決に積極的に関与していくことをミッションに、今年の4月に発足しました。特に組織文化の醸成やエンゲージメント向上といった組織開発をメインに取り組んでいる中で、「せきなび」というツールが役に立つのではと検討を始めました。

組織開発の一環として「せきなび」を検討いただいたのですね。

尾原様 水素戦略本部は拡大・成長が急速に進んでいるところで、毎月5人、10人といったペースでコンスタントに人が増えています。拠点が一箇所ではなく複数拠点に分かれている上に、フリーアドレスやテレワークといった働き方改革も積極的に進めているので、新入社員はもちろん、以前から所属している人にとっても、「お互いの顔と名前がわからない」という状況になっていました。相互認識が取りづらく、コミュニケ―ションも取りにくいという問題を解決する手段として「せきなび」の導入検討に至りました。

「せきなび」はどこで知りましたか。

尾原様 今年の2月に名古屋で開催されていた展示会です。4月に業務課の立ち上げが決まっていたので、いかに新しい施策やDXツールを用いて業務改善を進めていくか、そのための情報収集を目的に行きました。そこで「せきなび」があるHumapのブースを見つけて説明を聞いたのがきっかけです。

お話いただいた尾原様(左)
お話いただいた尾原様(左)

「せきなび」 トライアル実施と導入の決め手

新設部署で多忙な中、少人数でトライアルを開始。翌月末には本格導入。

トライアルから導入までの流れについてお聞かせください。

尾原様 トライアルは4月からゴールデンウイーク前までの期間に、当時私が所属していた部門と、ITリテラシーの高い若手や女性メンバーを中心に、15名ほどで実施しました。女性が多い職場なので、特に女性の意見は取り入れたいと考えていました。トライアル後の、ゴールデンウイーク明けにすぐ導入に向けた説明会を開催して、5月の最終週には本運用を開始しました。

新たな部署に異動されて、慌ただしい状況だったのではないでしょうか。

尾原様 確かに、足元の業務整理を進めながら「せきなび」について上部に説明して、忙しい状況ではありましたが、(導入まで)スムーズに進みました。トライアルに関わるメンバーも協力してくれましたし、(トライアル中から)上司も導入に前向きな様子でした。そうなったのは、皆が抱えている課題に対するソリューションとして「せきなび」の価値が高かったからではないかと思います。

使いやすいUIと運用コスト、グループ企業が導入していたことも後押しに。

導入の決め手は、どのようなところでしたか。

尾原様 色々ありますが、まず見やすいUIで直感的な操作ができること。それから、単なる在席管理だけでなくコミュニケーションツールとしても使えること。また、組織内のレイアウト変更も頻繁にあるので、管理者側としてはメンテナンスがしやすい点もポイントでした。
それから、「せきなび」を先行導入していたグループ会社があったことも大きかったです。通常(新しいツールを導入する際)はセキュリティ面のチェックを厳しく行う必要があるのですが、すでにグループ会社で導入されていたので、それらを細かく確認せずに済みました。そのグループ会社から「せきなび」の良い評判も聞いていましたし、自分たちで実際に使ってみた感触も良く、料金面も含めてマイナスの要素が一つもありませんでした。

「せきなび」 運用状況

各地の拠点や働き方に合わせて画面を11のエリアに分け、187名が利用中。

現在はどのような形でお使いですか。

尾原様 7月時点で、187名がアカウントを作成して利用しています。拠点は主に東京・明石・神戸ですが、東京拠点の中でもフロアが分かれており、お台場にもオフィスがあります。それから出向者の出向先、シェアオフィス、テレワークなども含めて、11個の枠(エリア)を設けて運用中です。たとえば、明石工場は座席が固定なので常に同じ席にアイコンを置いていますが、東京は固定席がないので、毎日位置がリセットされるように設定しています。個人ごとに(固定席・フリーアドレスなど体制に合わせ)自由に設定が変えられるところも「せきなび」のメリットですね。

ひとつの画面に11個のレイアウトを表示しているのでしょうか。

尾原様 はい、現在は一つの画面に入れています。だいぶ増えてはきましたが、画面の拡大・縮小は簡単にできますし、「一覧で見たい」という要望もありますので、見やすさ、把握のしやすさといった観点から一画面で運用しています。ほぼ毎月のように座席替えがあるのですが、拠点ごとに色分けをしていて、部門ごとの人の移動も計算しやすいので問題ありません。それから、組織変更に伴うレイアウト修正などのメンテナンスも、担当の方がすぐに対応してくれて、お願いをした5分後に完了していたこともあります。そういったスピード感やサポートの手厚さは非常にありがたいですね。

「せきなび」 導入後の感想

「この人、誰だろう?」がなくなり、社内コミュニケーションのきっかけにも。

実際に使ってみて、社内の反応はいかがですか。

尾原様 総じて評判は良いです。「顔と名前が一致しない」「その人がどういう人かわからない」という共通の問題を抱えていた中で、「せきなび」から必要な情報をいつでも簡単に確認できるようになったことは大きいですね。元々あった潜在的なニーズに「せきなび」がマッチしたのだと思います。

コミュニケーションの部分でも変化はありましたか。

尾原様 プロフィールを見て声を掛けたり、交流したりしやすくなりましたね。たとえば、完全にフリーアドレス化されている拠点では、出張の社員が来てもお互いに誰かわからない状態でした。とはいえ「あなたは誰ですか?」「どこから来た人ですか?」などとは聞きづらく、困ってましたが、今は「せきなび」を見ればすぐに誰かわかります。「あ、この人が何々さんなんだ」とわかって挨拶しに行くなど、コミュニケーションのきっかけを生んでいます。

関わりはあったけれど実際に対面するのは初めて、といった様々な場面で活用されているんですね。

尾原様 オンライン会議があっても、(カメラをオフにして)顔を出さずに参加している場合、お互いの顔を知らないまま一緒に仕事をしている場合もあります。「ようやくお会いできました」というような会話がされているのは何度か耳にしています。
それから、以前は電話番号を調べるためにデータベースの電話帳を開いていたのですが、それも「せきなび」の画面上で確認できるようになったので、調べる時間が節約されました。電話をよく使う人にとっては毎日使う部分なので、かなり定着してきましたね。

「せきなび」 利用定着のための工夫や取り組み

利用を習慣化するために、上層部の協力も得てさまざまな工夫を重ねた。

「せきなび」の運用にあたって、どのような工夫をされましたか。

尾原様 トライアルをした時に、利用を習慣化して定着させることが何よりも大事だと実感しました。そのためには仕組み化が不可欠だと考えて、外出の行き先はホワイトボードへの記入を廃止して「せきなび」での管理をルール化しました。それから、ブラウザを立ち上げた時に自動で「せきなび」が開く設定方法も説明会で伝えました。自動で(せきなびが)立ち上がれば、入力忘れは起こりにくくなるので、ここは定着に大きく影響したと思います。

上層部からの働きかけも積極的に行われたそうですね。

尾原様 「こういうシステムを入れます」ということをボトムアップで発信するだけではなかなか浸透しづらいので、トップダウンでのアプローチも行いました。「せきなび」に価値を感じて賛同してくれていた本部長に協力してもらい、「私も使いますので、みなさん使ってください」というビデオメッセージを作成して発信しました。それから、幹部のみのオンライン会議で副本部長や管理部長からも直接「せきなび」の利用を促してもらっています。本部内の課題として共通認識化されていた問題を解決するためのツールだと説明していたので、こうした働きかけからよりスムーズに利用を促進できたのかなと思います。

「管理」ではなく「コミュニケーション」のためのツールであることを訴求。

導入前の説明会で、伝え方など工夫されたことはありましたか。

尾原様  「在席管理ツール」という言葉から、パソコンにGPSを付けて監視するような、「マイクロマネジメントされるのではないか」という誤解を持つ人もいるのではという懸念がありました。「せきなび」はパッと見て簡単に使えて、利用価値も実感できる、でもその前段階で警戒心を抱かせないためには、どういう風に訴求しようかと考えました。先ほど申し上げたような、「お互いの顔と名前がわからない」「コミュニケーションが取りづらい」という顕在化していた課題を解決するツールであることを伝えた上で、その他にも、たとえば震災など災害が起きた時に、「今、出社している人が何人いるか」「(リモートも含めて)誰がどこにいるか」といった、安全管理上の必要な情報を瞬時に把握できるという利点もあります。そういった防災の観点からの利用価値も伝えました。

ツール導入の目的や利用価値を丁寧に説明されたのですね。

尾原様 この説明会の動画や「せきなび」の設定マニュアルなどは、掲示板でデータベースに載せているので、いつでも閲覧できる状態になっています。毎月入ってくる新しいメンバーにも案内してすぐに見てもらうことができるので、入社日かその翌日ぐらいには「せきなび」の設定が完了していますね。こういった仕組み化はやはり大事だなと感じます。

顔写真の掲載には抵抗のある人も。「社員証以外の写真も可」としたことで登録が増加。

プロフィールの顔写真は、みなさん登録されているのでしょうか。

尾原様 掲載の目的は「名前と顔を一致させること」でしたが、顔写真の掲載には抵抗がある人もいますので、ここは少し苦労しました。(顔写真に抵抗がある人には、)顔がわかるものであれば社員証以外の写真でも、AIを使った似顔絵のようなものでもOKということにしました。「顔写真の登録がない人は社員証の写真を使うので、別のものを使いたい人は各自入れてください」という風にアナウンスしてから、一気に登録が進んだ印象です。今はもう、社員証よりプライベートの写真を入れている人の方が多いですね。プライベートの写真の方が、その人の雰囲気や人となりみたいなものが伝わりやすいですし、コミュニケーションの取りやすさという意味でも良いのかも知れません。

「せきなび」 今後の活用について

全社への波及も視野に入れながら、仕組みづくり、カルチャーの醸成に活用していく。

今後の「せきなび」の活用についてお伺いできますか。

尾原様 今、全社でMicrosoft 365の導入を段階的に進めているところなので、Outlookカレンダーと「せきなび」を連携させる予定です。会議中や休憩中のステータスが手動変更からリアルタイムの自動変更の変わると、もう少し細かい個人の状況の把握が可能になり、更に便利になるのではと期待しています。
現在の課題としては、導入から2ヶ月ほど経っていますが、利用率がまだ100%には達していない点です。トップダウンのメッセージなど、色々手を尽くしてもまだ使っていない、そういう人も含めて全員で利用して組織・カルチャーの醸成を図っていきたいと考えています。

フリーアドレス化の準備が進んでいる最中だと伺いました。

尾原様 現在(※2023年7月時点)東京本社と神戸本社のリノベーションが進行中で、全フロアがフリーアドレスになります。色々な部署の人たちがフリーアドレスで座るようになれば、それこそ「この人、誰だろう?」という状況になりかねないので、我々、水素戦略本部がベストプラクティスを作って、全社に波及していけるような仕組みづくりや取り組みをしていきたいですね。総務部門でも部門をまたいだコミュニケーションを期待しているので、まさに「せきなび」のようなツールが必要になってくるのではと考えています。

「せきなび」を検討中の企業様へひと言

 

尾原様 繰り返しになりますが、「せきなび」は管理ツールではなく、「コミュニケーション」のツールとして捉えています。出社とテレワークのハイブリッドなど、オフィスの形が多様化している中で、こうしたDXツールの活用は多くの組織が考えるところではないでしょうか。「せきなび」は非常に使いやすく、色々な企業の課題解決に繫がるツールだと思います。我々も社内ではすでに成功事例として認識されていますし、サポートも手厚いので、非常におすすめできるツールだと思います。

お話しいただき、ありがとうございました!

川崎重工業株式会社

従業員規模
38,254人 ※グループ全体(2023年3月31日現在)
事業内容
総合重工業メーカー
会社HP
https://www.khi.co.jp/