株式会社セガフェイブ(インタビュー当時の社名:株式会社セガトイズ)は、人気のキャラクター商品や「日本おもちゃ大賞」受賞商品など、数々のヒット商品を生み出し続ける日本の玩具メーカーです。同社の総務人事部において、総務全般から人事まで幅広い業務に携わっておられる野田様に、「せきなび」導入の背景や運用状況についてお話を伺いました。(取材:2023年3月)
導入サービス | 在席管理ツール「せきなび」 |
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課題 | ・在宅勤務とフリーアドレスの導入により、社員の所在がわかりづらくなった ・社内コミュニケーションが希薄になりつつある ・社員数が急増に伴い、他の社員のことを知る場が減った |
運用 | ・全社員でトライアルを実施、課題を抽出してカスタマイズ ・本社と他のオフィスも含めた約150名で運用中 |
効果 | ・社員の所在や予定がわかり、業務が円滑に進むようになった ・プロフィールが社内コミュニケーションのきっかけになった |
野田様 コロナ禍に入ってすぐに在宅勤務制度を導入したので、3年ほど在宅勤務と出社を併用しているような状況です。その中で新入社員から「他の社員の顔がわからない」「あの人はどういう人ですか?」という声や、既存社員から「最近入社したあの人ってどんな人なの?」といった話が度々出てくるようになりました。また在宅勤務をしていると、オンライン会議では話すのですが、ざっくばらんな雑談や、ライトなコミュニケーションがかなり希薄になってしまっているという課題がありました。
もう一つのきっかけはフリーアドレスの導入です。社員の増加で座席の数が足りなくなってきたので、フリーアドレスを一部で導入したのですが、運用し始めてすぐに「誰がどこに座っているのかわからない」といった声が聞かれました。なんとか解決しなければと課題感を感じていた中で出会ったのが「せきなび」でした。
野田様 日頃から情報収集のために定期的に展示会に足を運んでいまして、「せきなび」もEXPO(HR分野の展示会)で知りました。画面がシンプルでカラフルですし、システムもわかりやすいので、ひと目見て「これは使いやすそうだな」という印象を持ちました。それでお話を聞いてみたのがきっかけです。
野田様 パソコンのデモ画面で、実際に操作するところも見せてもらいました。当社は若い社員もいれば、そこまでデジタルに強くない社員もいますので、デザインも操作性もシンプルなツールであれば、あらゆる層が継続して使えそうだと感じました。
野田様 使ってみないとわからない部分もあるので、まず少人数での試用も検討しましたが、結果的には全員でトライアルを開始しました。全社で一気に展開して、アンケートを集め、意見を吸い上げながら導入を進めていったという状況です。最初は既存の内線番号表を基に画面のレイアウトを組んでみたのですが、アンケートを取ってすぐに課題が出てきたので、それらをどう解決しようかと議論をしながら改善していきました。
野田様 レイアウトの基になった内線番号表に記載のあった各部の電話番号は、そのまま一覧としてレイアウトにも載せました。それから、アンケートで「在宅をしている人と社外にいる人のステータスもわかるようにして欲しい」という意見が出たので、当初は用意していなかった、在宅勤務と社外にいる人を表示するエリアを追加しました。
トライアルとアンケートを実施することで、社内の意見を吸い上げて解決策を考え、より実用的なツールへと改善できた点はとても良かったなと思っています。
野田様 日々の勤怠の打刻や、チャットでの上司への出勤・退勤報告といった作業が既にある中で、さらに(「せきなび」の操作が)出退勤時の作業に加わるのが手間だというのがネガティブな意見として出ました。特に、自分一人で進められる仕事が多い、他の社員の予定を確認することが少ない人は必要性を感じにくかったようです。ただ、「ひと目で他の社員の状況やスケジュールがわかるのは非常に便利だ」という意見も出ていたので、どちらに寄せるかと考えたときに、便利だと思ってくれた人のために動こうと決めました。
野田様 展示会では他社のツールも拝見しましたが、「せきなび」は、カラフルでありながらシンプルで使いやすそうだったので印象に残りました。
それから、これは導入を決めてから実感したことですが、利用者としてではなく管理者側としても、レイアウトや運用方法をカスタマイズできるというのは非常に使いやすいです。会社の状況によって、システム上の設定や細かい運用の仕方はフレキシブルに変えていく必要が出てきますので、そこが容易にできることは大きなメリットだと思います。
野田様 現在は約150名で運用しています。本社と人形町のオフィス、それから香港にも出向している者がいますので、3ヶ所の合計で150名ほどです。働き方としては出社と在宅の両方があるハイブリッド方式ですが、出社比率は出社と在宅が6対4ぐらいです。固定席を持っている社員は大体7割で、フリーアドレスの社員が3割ほどです。
野田様 トライアルの開始から換算すると2ヶ月ほど経ちまして、使用状況に個人差は見られますが、問題なく運用できています。ステータスの更新頻度で言うと、頻繁に更新してくれる人、Outlookとの連携を上手く使って更新している人、時々忘れることはあっても大体は更新してくれる人、まったく更新しない人と様々なのが現状です。更新していなくても他の人が代わりにステータスを更新することができるので大きな支障はありませんが、全員に更新を習慣づけてもらえるよう、今後も働きかけを続けるつもりです。
野田様 役職や年齢による傾向はなく、「業務で他の社員と多く関わるか否か」という違いがあると思っています。他の社員の所在やその日の予定を確認することがどれぐらいあるのか。幅広く部署を超えて仕事をしていたり、総務もそうですが関わる人が変わったりするような場合には「せきなび」の活用率が高いと感じています。全員に協力してもらってこそ成り立つツールではあるので、自分に直接のメリットがなくても「全社的に業務を円滑に進めるため」と心がけて使ってもらうように伝え続けていこうと思います。
野田様 今はフリーアドレスの対象者に対して余裕を持った座席数を用意できているので、「出社したけれど使える席がない」といった事態も起こりませんし、問題なく運用できています。アイコンの位置が自動でリセットされる機能も使っていますね。フリーアドレスの人が出社して席を選び、その後外出してそのまま直帰するような場合も座席にアイコンを残したまま退勤ボタンを押してもらっています。そうすると、出社してその席で仕事をしてから退勤したということがわかりますので。今後さらに社員が増えていくことを考えると、座席の予約機能(*1)もあれば更に便利になると思います。
*1 「せきなび」の座席予約機能は2023年5月頃実装予定
野田様 先ほど申し上げたレイアウトの話以外ですと、社内コミュニケーションをどう活性化していくかという部分の工夫ですね。2022年度は30人ほどが入社したのですが、1年間に入社する人数としては過去最大の規模だったこともあり、お互いに誰が誰だかわからないという状況になっていました。顔写真などが載っている別のツールもあるのですが、そちらは日常的に開くものではないので、習慣的に開く「せきなび」でプロフィールや顔写真を確認できるようにしたことは良かったと思います。
野田様 必須の項目としては、「自分がどういう業務をしているのか」は全員に入れてもらっています。中途で入社した人にもわかりやすいですし、既存社員にとっても、相手の仕事内容を知っていた方が円滑に業務が進むのではと考えています。業務内容以外ですと、強制ではありませんが「出身地」「趣味」「スキル」「(社員への)ひと言」といった項目があり、できるだけ入力してもらうようお願いしています。私自身も前職の情報など入れてみたのですが、他の社員から「あの業界で働いてたんですね」と声を掛けられたり、共通の趣味があって会話のきっかけになったりしているので、プロフィール欄も工夫してよかったなと実感しています。
野田様 デフォルトでは社員証の写真を登録しています。顔がわかるものであれば変えてもいいということにしているので、お子さんやペットと写っている写真に変えたりしています。顔写真を頻繁に変えている人はいませんが、ステータスの「ひと言」のところは週1ぐらいで変えてくれている社員は見かけますね。
野田様 話が少しそれるかも知れませんが、「在席管理ツール」という呼び方だと『管理されている』という印象が強くなってしまうという話が出たんです。管理されるために次々とツールを入れられるという感覚が強まるとユーザー側は抵抗感を持つようになってしまいます。そこで、「管理」ではなく「在席状況を共有するためのツール」といったニュアンスで伝えるように表現は工夫しました。
野田様 まず、業務がスムーズになったことです。特に色々な社員と関わりのあるバックオフィス部門ではその点を強く実感していますね。それからコミュニケーションの部分では、お互いのパーソナルな部分がわかったり、それをきっかけにコミュニケーションが生まれたりしています。そうした交流も業務が円滑に進むことの一助になっていると思うので、とても良い変化だなと感じています。
野田様 具体的にこうしたいということではないのですが、環境の変化であるとか、社員数や会社の規模の変化、そういった移り変わりに対応しながらフレキシブルに使いこなしていきたいですね。せっかく良いシステムなので、在席状況の把握やコミュニケーションというコアな機能を十分に活かしつつ、さらに良い方向に使っていけるよう運用していきたいと思います。
野田様 手を動かすことが思っていたよりも少なく、価格も手軽なので導入しやすいのではないでしょうか。サポートも丁寧にしていただけるので、安心して利用できると思います。ただ、実際に使うのは自社の社員なので、ツールの目的やメリットをどう理解してもらって、どう習慣化していくかという点がキーポイントになると思います。そこはHumapのみなさんとも相談しながら取り組んでいただくと、良い運用ができるのではないでしょうか。
お話しいただき、ありがとうございました!