東亜建設工業株式会社は、1908年の創業以来、鶴見・川崎臨海工業地帯の造成に始まり、国内外で埋立・浚渫や港湾・橋梁・空港建設など、人々の生活や産業を支える多くの大規模プロジェクトに携わってきた総合建設会社です。
今回は、同社の土木本部 設計部で部内の管理や運営支援のほか、各種協会での業務にも携わる迫様と渡邉様に、「せきなび」を導入された背景、導入後の変化や感想などお話を伺いました。(2025年2月)
導入サービス | 「せきなび」 |
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課題 | ・在宅勤務や外出が多く、ホワイトボードでの行先管理が難しくなっていた ・Outlookと連携でき、固定席の運用に適した在席管理ツールを探していた |
運用 | ・設計部でトライアルを実施後、利用範囲を拡大して5部署・約100名が利用中 ・小型モニターと大型ディスプレイを設置して「せきなび」を表示 ・ステータスの種類を絞り、ルールは強制しないことでスムーズな定着を図る |
効果 | ・在席状況をリアルタイムで確認でき、業務のやり取りがスムーズに ・電話対応時にも所在をすぐに確認でき、取次ぎの負担が軽減された |
迫様 まず、コロナ禍の影響で在宅勤務が増えたことです。当時は在宅と出社の比率が半々くらいでしたが、コロナ収束後の現在も、在宅勤務制度は継続しています。その中で、オフィスにあるホワイトボードに予定を書く欄はあるものの、全員が欠かさず書いているわけではなく、活用しきれていない状況がありました。特に管理職などは、話したいと思ったときに不在で、打ち合わせ中なのかトイレなのかわからないまま待っていたところ、実は在宅勤務だった、外出中だった、というようなことが起こりやすく、状況が把握しづらいのが課題でした。そこで、出社・在宅・外出・打ち合わせといった個々の状況を一元管理できるツールの導入を検討しました。
迫様 インターネットで検索して見つけました。
渡邉様 いくつか類似したツールはありましたが、導入の手間が少なくシンプルに使えることを重視していたのと、当社ではもともとOutlookで予定を管理していたため、Outlookと連携できるシステムであることを条件に探していました。実際には「せきなび」の他にも2社ほど検討をして、打ち合わせをさせてもらったところもありますが、当社の運用には適していませんでした。
迫様 導入に手間がかかるものや、Outlookとの連携ができないものは候補から外しました。他社のツールの多くはフリーアドレス向けに設計されているので、席の移動が多いオフィスには適していますが、当社はすべて固定席なので、シンプルにOutlookと連携して在席情報を自動表示してくれるツールの方が合っていると考えました。それから、ホワイトボードに予定を書く人と書かない人がいるという状況で、個々の社員が手作業で在席情報を入力しなければならないとなると、運用面でのハードルが非常に高いと感じました。
渡邉様 最初は私たちが所属する第1課のみ、4~5人でトライアルを開始しました。「せきなび」の表示や、Outlookと連動してステータスが正しく反映されるかどうか、想定していなかったトラブルが起きないかどうかといった基本的な確認が1週間ほどでできたので、すぐに導入範囲を拡大し設計部全体の約30名で試験運用を行いました。
迫様 「わかりやすい」という反応で概ね好評でした。雰囲気としては、なにか目立つような形で盛り上がるというよりも、「あると便利だな」という感覚を持ってもらえたことに手ごたえを感じました。そもそも、Outlookと連動してステータスが切り替わることを条件に選んだツールですから、全員が「せきなび」で毎日しなければならない作業ということもありません。特に不満や問題点が出ることもなく、自然に馴染んでいったという印象です。
迫様 やはり、手間がかからないことが最大の決め手です。
渡邉様 「せきなび」の画面をパッと見て、直感的に操作ができるところがいいですね。
迫様 ツールの導入を検討していた当初は部署内での在席確認を目的としていましたが、実際にトライアルを始めてみると、他部署の人が来たときにも「今日はこの人、在宅なんだ」「今は不在なんだ」ということが確認できるので、部署内・部署外の両方で活用されるようになっていきました。
迫様 トライアルを終えて本格的に導入した後、他の部署にも利用範囲が広がりました。導入してから最初の2、3ヶ月間は設計部のみでしたが、設計部で利用しているのを見た他部署の人も「せきなび」に興味を持ち、その部署でも導入しようという動きになり、現在では5つの部署で100名近くが「せきなび」を利用しています。
渡邉様 週に1~2回在宅勤務をする人が多いのですが、在宅に限らず、出張や外出で不在の人もいるので、オフィスにいる人数が少なくなる時もあります。
迫様 出社が重なる日はオフィスがにぎわいますが、在宅が重なるとフロアが閑散とすることもありますね。
迫様 小型のモニターと大型のディスプレイを1つずつ設置して、「せきなび」の画面が表示されるようにしています。目につきやすいように、オフィスでの導線を考えて小型モニターは設計部の中央付近に、その少し奥の方に86インチの大型ディスプレイを設置しています。
迫様 ステータスに関しては、手間を減らすためにも簡易的にしたかったので、「在宅」「外出」「休み」といった基本的なものを中心に、かなり絞って最適化しました。(カレンダー予定と連動して自動でステータスが変更される機能を使っているのですが、)会議や打ち合わせの場合、Outlookに自分で入れる予定もあれば、他部署等からの招待で入る予定もあります。その時に、「せきなび」を使っていない他の部署や他支店の方にまで「件名に必ず『会議』と入れて予定を登録してください」といったお願いをするわけにもいきませんから、全員がよく使うキーワードや文字を考えながら、上手く連動してステータスが変わるように設計部の中で調整していきました。
渡邉様 トライアル期間中の他部署での話ですが、「退勤」や「休憩」などステータスの種類を増やしてみたら、使いづらいと不満の声が出てしまったということはありました。最終的には、簡潔な分類になるよう整理し直して、「せきなび」を入れているすべての部署で統一しました。
渡邉様 設計部内では特に大きな反発はなく、スムーズに定着した印象です。特に「件名に「せきなび」と連動させるためのキーワードを入れる」というルールは、社内でかなり浸透してきたと感じます。
迫様 外部での打合せの際も以前は何も入力せずに外出する方も多かったのですが、今では多くの方が「外出」と入力してくれていますね。また、他部署では、派遣で来られた方が、まだ社員の顔や名前が一致していなくてよくわからないという状態でも、「せきなび」を見ればすぐに席と名前が確認できるので、とても助かっているという声を聞いています。
迫様 他部署の人が設計部に来た時も、名前は知っているけど顔はわからない相手を探す際に、「せきなび」があると見つけやすいそうです。色々な場面で業務のやり取りがスムーズになるよう役立ってくれていますね。また、上層部からも特に不満の声はなく、むしろ私たちよりも頻繁に活用している印象です。
渡邉様 「せきなび」を見れば全体の勤務状況が大体把握できるので、モニターやディスプレイを見て確認しているのをよく目にしますね。
迫様 とにかく社員の負担を増やさないこと、手間を減らすことを第一に考えていましたので、ルールを作って徹底させるとか、定着を促すためのアクションというのはほとんど行っていません。
渡邉様 トライアル期間中の反応が良かったので、導入の際に告知をして、その流れで自然と定着していきました。個別に「使い方を教えて欲しい」と尋ねてきた方に説明することはありましたが、設計部全体に向けた特別な働きかけは特に行っていません。「会議の時は件名に“会議”と入力する」などのルールは強制ではありませんし、「最初からすべてを完璧にできなくてもいい」という考えで運用を開始したことがよかったのかも知れません。
迫様 Outlookへの予定の入力方法は、みなさんがそれぞれ工夫してくれていますし、それで問題なく回っています。ルールを厳格にして徹底させることよりも、便利な情報共有のツールとして活用するというスタンスでいたことが、スムーズな定着につながったのだと思います。
迫様 在宅か出社か、今オフィスにいるかどうかなど、誰かの所在を確認する時に、これまで2つ3つかかっていた作業が「せきなび」で完結できるようになり、非常に助かっています。特に電話の取り次ぎ対応をすることのある社員には好評ですね。アイコンに電話番号(内線)を表示しているので、取り次ぎの時間も短縮することができました。私たち自身も、全社員の顔と名前を覚えているわけではないので、「せきなび」の便利さを日々実感しています。ささやかで地味な変化かも知れませんが、以前と比べて確実に楽になりましたね。
それから、座席の配置表の代わりとしても使えています。今までも配置表はあったのですが、すぐに見られる環境には置いていなかったので、「せきなび」でパッと確認できるのは助かります。異動や席替えがあった際も、レイアウトを手軽に変更できるのがありがたいです。
渡邉様 一見、フリーアドレス向けのツールに思えるかも知れませんが、当社のような固定席のオフィスでも使えます。もちろん座席表としても便利ですし、他ツールではあまり見られない「在宅」「外出」などのステータス機能が加わっている点や、Outlookと連携できる点もとても便利ですね。
迫様 本当に簡単に使えます。シンプルな作りで操作も難しくないので、興味のある方は、ぜひ試してみてください。
お話しいただき、ありがとうございました!