善仁会グループ

ASQ
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ES調査を「結果を見るだけ」で終わらせず、「具体的な施策の実行」へ。ASQを活用した善仁会グループの取り組み

善仁会グループは、神奈川県・東京都・埼玉県を中心に、病院や透析クリニック、健診センター、介護施設、訪問看護ステーションなどを展開する医療法人です。地域医療を支える存在として、多様な拠点と職種を抱える同グループでは、職員の満足度や組織状態を把握するため、長年にわたりES調査を実施してきました。

今回は、社内の満足度調査や患者さまアンケート、事業計画発表会、理事会運営などを担当されている田中様に、「ASQ」導入の背景やその後の取り組みについてお話を伺いました。(2026年1月)

導入サービス 「ASQ」
課題 ・調査は長年続けているが、「何から取り組むべきか」が判断しづらい
・グループ全体に展開できる調査設計や、同業他社との比較も行いたい
運用 ・全社員を対象に実施し、役員会議で結果を報告
・集まったコメントを分類し、各施設へフィードバック
・上位のコメントには本部や責任部署から回答
継続理由 ・取り組みが改善につながっているかを数値で追うため
・プロによる分析結果と施策提言が、「次に何をすべきか」の具体的な判断材料になる
効果 ・本部主導で課題に向き合い、組織としての当事者意識が高まった
・2回目の実施ではコメント数が増加し、多くの意見が寄せられた
・本部では業務削減のアイデア募集に発展し、具体的な施策につながった

「ASQ」 導入の背景

ES調査には長年取り組んでいたが、“満足度”を直接測る設計ではなかった

「ASQ」を導入される以前から、ES調査は行っていましたか。

田中様 実施していました。ただ、いわゆる「満足度調査」と呼べるものかというと、少し異なります。「ASQ」のように“満足度”が数値で示されるものではなく、さまざまな設問を盛り込んでアンケートを実施し、点数化する形式でした。
少なくとも私が入職した10年前から実施されています。それ以前から継続していたと聞いていますので、かなり長期間にわたって取り組んできた調査です。
実施に関しては、アンケートツールを使用してオンラインで回答を集めていましたが、設問の設計から集計まで、すべて社内で行っていました。

当初の目的は満足度の把握だったのでしょうか。

田中様 以前は、当グループが運営する各施設の状況を把握することが主な目的だったようです。最初から明確に「満足度を測る」という設計ではなく、アンケートの結果をもとに課題を抽出し、改善につなげるという位置づけだったようです。

各施設へのフィードバック、集計、他社との比較など、複数の課題を感じていた

社内で実施するES調査に課題は感じていましたか。

田中様 複数の課題がありました。一つはフィードバック体制です。結果は全職員に共有していましたが、その後の対応は各施設に任されていました。
例えば、「休日を増やしてほしい」といった要望があった場合、それは施設単体で判断することが難しい要素です。それでも、回答は各施設に委ね、「本部に伝えておきます」といった形で処理せざるを得ないことがありました。

また、独自調査のため、同業他社との比較もできません。業界内での善仁会グループの立ち位置が把握できない点も課題の一つでした。
調査設計の部分では、患者様への対応についての項目など、医療スタッフに向けた設問も含まれていたため、医療以外の関連会社まで展開しようとしたときに、「そのまま適用できるかどうか」という点でも整理が必要でした。

集計面での負担はありましたか。

田中様 設問自体は継続性を重視し、大きく変更しないようにしていました。ただ、毎年新たなクリニックが追加されたり、アンケートツールの変更によって読み込ませるCSVの形式を変更する必要が生じたりと、調査設計以外のところで対応しなければならない作業が発生していました。

スコアを見るだけでは、「何から始めるべきか」が判断しづらい

調査結果の活用面では、どのような難しさがありましたか。

田中様 回答を集計すれば、点数の「高い・低い」は把握できます。しかし、「では何から着手すべきか」という優先順位までは見えません。
「ここは良い」「ここは課題である」という傾向は分かりますが、組織としてどのテーマを優先すべきか、どこから改善に取り組むべきかという判断材料にはなりにくかったと感じています。
結果を確認しても、「具体的なアクションにつながりにくい」というもどかしさがありました。

「ASQ」 導入の決め手

社内調査の限界を感じる中で、「外部企業への委託」を検討

外部企業へ委託しようと考えられた理由を教えてください。

田中様 社内で調査を続ける中で、「どの課題から着手すべきかを明確にしたい」という思いがありました。スコアの傾向は把握できていましたが、組織としてどの課題を優先すべきか、どこから着手すべきかの明確化までは至っていなかったと感じています。

また、満足度や離職意向の要因を体系的に分析できる設問設計が必要ではないかとも考えていました。これまでの独自の設問には、継続性はあるものの、要因分析という観点では十分とは言い切れない部分もあったためです。

加えて、医療スタッフ向けの設問が中心だった従来の形式では、そのまま横展開するには調整が必要でした。そのため、医療部門だけでなく、関連会社へも展開できる「汎用性のある調査設計」も重視しました。

業界比較と、施策提言で「次の一手」を検討しやすいことが決め手に

「ASQ」はどのように知りましたか。

田中様 Web検索がきっかけです。「ES調査」などで検索をして見つかった複数のサービスを比較検討しました。それぞれに特徴がありましたが、「ASQ」は業界比較ができる点と、施策提言が付いていることが大きな魅力でした。自社が業界内でどういった位置にいるのかを把握することは、当法人にとって重要な要素です。

最終的に「ASQ」を選ばれた決め手は何でしたか。

田中様 まず、「満足度」や「離職意向」の要因を特定できる設問が網羅されている点です。幅広い業種の企業に提供されている調査パッケージなので、当グループの関連会社にも展開しやすそうだと感じました。レポートについても、社員のタイプ別診断や重点改善項目など、分析視点が明確なので、これを見れば「何から取り組むべきか」が一目で分かりそうだと思いました。

それから、先ほども申し上げた「業界比較」が可能なこと、レポートに「施策提言」が含まれている点も、「ASQ」を選んだ理由の一つです。結果を見てから具体的な施策の検討に移ろうとする際に、多くの企業を見てきたプロの視点からヒントやアドバイスがもらえることは、大きな助けになります。

ASQのタイプ別診断と満足度相関ランキング(イメージ)
ASQのタイプ別診断と満足度相関ランキング(イメージ)

「ASQ」 実施後の反応と継続の理由

コメントで多くの要望が寄せられたが、満足度のスコアは予想より高い結果に

初回のレポートをご覧になった率直な感想はいかがでしたか。

田中様 コメント(自由記述項目)では、「こうしてほしい」という要望が多く、厳しい数字が出ているのではないかと想像しましたが、満足度のスコアは意外と高く、興味深い結果でした。
また、分類別に見たときに、コンプライアンス関連のスコアが高かったことも印象的でした。
コンプライアンスも担当している部署なので、これまで研修などに取り組んできたことで、一定の成果が表れていることも確認できました。

報告会などは実施されているのでしょうか。

田中様 数値やコメントも含めて、役員会議で結果を報告しています。グループ全体での報告会は現時点では行っておらず、現場へのフィードバックの仕方は各施設に委ねているという状況です。
役員会議ではコメントにも目が向けられつつ、今後の人材戦略を踏まえて、職種別の離職意向も見られると離職対策に活かせるのではないかという話が出ました。
ただ、施設によっては、職種別に分析すると個人が特定されやすくなる懸念もあります。しっかりと匿名性を担保しながら、調査結果を改善につなげていく方法を検討する必要があると感じています。

2回目の結果についてはいかがでしたか。

田中様 1回目と2回目を比較すると、課題は大きくは変わっていませんでした。1回目の結果が出てから2回目の実施までの間に、取り組みが十分でなかった可能性は考えられます。すぐに数値に表れるほどの改善は容易ではないことを実感しました。
一方で、コメントの数は1回目よりも増えました。これは、ある意味「期待の表れ」だとも思っています。
実は1回目を実施した際、すぐにフィードバックの仕方を変更しました。以前は「施設に丸投げ」の状態になっていたのを、本部や部門の責任者から回答する形にして、「アンケートで自分が書いたことに対して、本部が対応してくれた」と思ってもらえる状態を目指しています。

すべてのコメントに目を通し、「どこが検討や回答を行うべきか」を分類していった

アンケートで寄せられた意見に、一つ一つ向き合っておられるのですね。

田中様 まずは私がすべてのコメントに目を通し、「これは休暇に関するもの」「これは待遇に関するもの」というように分類します。その後、「これは人事部で検討すること」「これは施設で考えること」と割り振りをしていきました。本部で回答すべきものに関しては、全施設共通ですから、「これについては、こういう回答です」とわかる形で載せるようにしています。

ただ、すべてのコメントに対して一つ一つ回答することができないという面もあります。件数が非常に多いため、上位のコメントに絞って回答する形を取っています。
どうしても「自分が書いたコメントに回答がない」という人は出てきてしまうため、一人一人の声に向き合うことの難しさと、「本部でどこまで対応できるのか」という課題も感じています。

取り組みの効果を検証するために、経年比較で見ていくことが重要

「ASQ」を2年継続して実施された理由を教えてください。

田中様 1回目の結果を受けて行った取り組みが、どのような変化につながっているのかを確認する必要があります。そのためには、やはり経年で見ていくことが重要だと感じました。

また、一度お願いしているので、前回よりも担当の方とのやり取りが少なく、スムーズに実施できた点もよかったです。途中経過として回答数を報告してくださることや、こちらからの質問や相談に丁寧に対応してもらえたことも、「また次回も依頼したい」と考えた理由の一つです。

「ASQ」 導入後の取り組み

従業員の声から本部の対応を見直し、仕組みの変更につなげた

調査結果を受けて、実際に行われた取り組みはありますか。

田中様 現場からは「本部の対応が遅い」という意見があり、改善の必要性を感じました。
もちろん対応はしているのですが、現場からすると「なかなか返答が来ない」「進んでいるのか分からない」という状況もあったのだと思います。
そこで、本部のトップに直接届くメールアドレスを作りました。対応が滞っていそうな場合に、トップから該当部署へ指示が出る仕組みにしています。

また、本部の中でいうと、「コミュニケーション不足」という意見や、「部署間で何をやっているかが分からない」という意見も出ていたため、月に1回の月例会を開始しました。各部署がどのような取り組みを行っているのかを報告する場を設け、部署間の情報共有を進めています。

本部内で業務改善のアイデアを多数出し合い、実行に移していった

本部の中だけでも新たな動きが生まれたのですね。

田中様 「業務量が多い」「忙しい」といった回答が多かったことから、本部限定で業務削減のアイデアを募るアンケートを実施しました。どのようなことが削減できそうか、細かいことでもいいので、とにかくたくさん案を出してもらいます。そして、「最も多くの案を出した部署が優勝」というイベント形式で行いました。

ユニークな取り組みですね。たくさんのアイデアが集まったのでしょうか。

田中様 はい。集まったアイデアを分類して、「これは本部全体で取り組んでいこう」「この件は総務に進めてもらう」というように、分担もしていきました。
具体的な取り組みを一つ挙げると、「名前を“さん付け”で呼ぶ(“〇〇さん”)」というものがあります。
会社の風土として、名前に“役職”を付けて呼んでいるのですが、「役職が分からない」という意見がありました。全員が全員の役職を把握しているわけではありません。であれば、「役職を調べる手間を考えると、“さん付け”でもいいのではないか」と見直すきっかけになり、少しずつ広がってきています。
やや間接的ではありますが、満足度調査を実施したことで「業務削減」という課題が浮かび上がり、そこから具体的な取り組みにまでつなげるという流れが生まれました。

「ASQ」 導入後の変化と今後の展望

「ここで働きたい」と思ってもらえるように、どう動くかを考え続けていく

調査を通じて、組織の変化は感じられましたか。

田中様 劇的に変わったというわけではありませんが、本部側の意識は変わったと感じています。
調査を実施することで、寄せられた声にきちんと向き合わなければならないという認識が強まりました。結果を共有するだけではなく、その後どう動くのかを考える機会になっています。

今後、どのような組織を目指していきたいとお考えですか。

田中様 「働き続けたい」と思ってもらえる会社にしていきたいと考えています。今後どの業界でもAIの活用や労働環境の変化は進んでいくと考えていますが、医療の現場はマンパワーが不可欠です。医療に携わる人たちに就職先として選ばれ、定着してもらうことが重要です。
満足度調査で100%という結果を出すことは難しいと思いますが、「自分の意見が反映されている」と少しでも感じてもらえるような組織でありたいと思っています。

「ASQ」 導入を検討している企業様へのメッセージ

 

田中様 導入前から調査後まで、細かくサポートしていただける点は心強いと感じています。

また、施策提言があることで、「次に何を考えるべきか」「何から着手すべきか」といった視点を持つことができます。何か変えなければならないと感じていても、課題が整理できていなければ動きにくいものです。まずは現状を把握すること。その手段として有効だと感じています。

お話しいただき、ありがとうございました!

善仁会グループ

従業員規模
4,113名(グループ全体/2026年4月1日現在)
事業内容
医療・福祉施設の運営(病院・透析クリニック・健診センター・介護施設等)
会社HP
https://www.zenjinkai-group.jp/zenjinkai/