派遣会社のマージン率とは?仕組みと現状を徹底解説

この記事を読む方の中には
「派遣社員のマージン率とは?」「派遣会社に多く払い過ぎているの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。派遣料金に占めるマージン率は、派遣会社の利益やスタッフへの支払額に関わるため、派遣先の企業側も理解しておきたい重要なポイントです。
この記事では、派遣会社のマージン率の計算方法や業界別のマージン率、派遣導入を成功させるコツについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

派遣会社のマージン率とは?

派遣先企業が派遣元へ支払う派遣料金のうち、派遣スタッフへの賃金を除いた部分を「マージン」と呼びます。マージン率は、派遣料金の中でマージンが占める割合を示すもので、派遣会社の収益に直結します。2021年の改正労働者派遣法により、マージン率を含む情報の開示が義務付けられ、企業と派遣スタッフ双方が適切な料金設定とサービスを受けるための重要な指標となっています。

派遣料金の内訳

派遣料金は、派遣先企業が派遣会社に支払う料金と派遣スタッフに支払われる賃金、そして派遣会社の運営にかかる経費(教育訓練費、社会保険料など)で構成されており、労使協定や同じような業務に従事するスタッフの派遣料金を平均した額などを考慮して決められます。

一般社団法人日本人材派遣協会の調査データによると、大まかな内訳は図のとおりです。

派遣料金の内訳

派遣を利用する側の企業としては、料金だけでなく、質の高いサービスやスタッフのフォロー体制なども考慮して派遣会社を選ぶことが、派遣を効果的に活用するためのポイントとなります。

参考:一般社団法人日本人材派遣協会_派遣料金の構造

 

マージン率の計算方法

マージン率は、次の計算式に基づいて算出します。

マージン率=(派遣料金の平均-派遣スタッフの平均賃金) ÷ 派遣料金の平均×100

派遣料金の平均とは、派遣先企業が派遣会社に支払う料金の平均額、平均賃金は派遣会社から派遣スタッフに支払われる賃金の平均額です。派遣料金・賃金ともに、スタッフ1人1日(8時間)あたりの金額で計算します。

 

例えば、派遣料金の平均が17,500円、平均賃金が12,000円の場合、次のような計算式になります。

マージン率=(17,500円-12,000円)÷17,500円×100= 31.4285 ≒ 31.4%

計算結果で小数点第二位以上の端数が出た場合は、小数点第二位で四捨五入します。

マージン率の現状

マージン率の目安を把握しておくことは、適切な料金設定のもとで質の高いサービスや十分なサポートを受けることに役立ちます。

主な派遣会社のマージン率

以下の表は、主な派遣会社のマージン率です。

主な派遣会社のマージン率(参考)

※マージン率は各派遣会社の公式サイトで公開されている「労働者派遣事業の状況」を参照(2023年12月時点での情報)

派遣会社は、全国各地のオフィスごとのマージン率を算出し、公表しています。マージン率は各社概ね30%前後ですが、オフィスの所在地や職種によっても異なります。派遣スタッフの利用を検討している事業所に近いオフィスのマージン率を確認してみるとよいでしょう。

業種・職種別のマージン率

業種や職種によってもマージン率が異なります。主な業種・職種別の平均的なマージン率は、以下の表のとおりです。地域や詳細な業務内容によっても違いがありますが、おおよそ30%台となっています。

業種・職種別のマージン率(一例)

※厚生労働省「令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」より算出

参考:厚生労働省_令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)

 

派遣導入を成功させるポイント

派遣の導入を成功させるためには、マージン率のみに注目するのではなく、派遣スタッフが業務に適応できるようなサポート体制も大切です。より効果的に派遣を活用するためのポイントをご紹介します。

密なコミュニケーション

派遣先企業の担当者は、派遣スタッフとの密なコミュニケーションを取ることが重要です。業務開始前に、業務内容や人員構成の全体像、それぞれの役割やミッションを再確認して共有します。はじめに双方の意識をすり合わせて、チームへスムーズに入れるよう準備します。

業務開始後は、定期的な進捗報告を行うことによって、スケジュールの修正や課題の早期解決につなげます。業務の中でミスコミュニケーションが生じたときは迅速に対応し、関係者間で協議して適切な解決法を探しましょう。

派遣スタッフを効果的に活用するためには、業務内容や目標を適切に伝えることが不可欠です。言語や文化、考え方が多様化する現代の職場では、コミュニケーションの重要性が一層高まっています。この点については、下記の調査結果からも見て取れます。

 

チームメンバーへの周知と教育

雇用形態に限らず、メンバーの役割分担を明確にし、個々の意見を尊重して傾聴の姿勢を持つことが、導入成功のポイントです。派遣スタッフを受け入れるチームのメンバーは、「派遣だから」という考え方をせず、「重要な業務内容を担っているチームの一員である」という意識を持つようにするとよいでしょう。派遣導入に際して、事前研修を実施するのも効果的です。

派遣スタッフに業務指示を出す社員が「自分が優位的な立場にある」と感じることで、ハラスメントのリスクが高まります。適切な接し方とハラスメントに関する知識を再確認しておくと安心です。下記の資料では、「若年老害」という言葉を通じて、指導者としての心構えや社内教育における健全なコミュニケーションのポイントを解説していますので、参考にしてください。

 

自社に合った派遣会社を選ぶ

派遣スタッフを依頼する際は、業務内容や自社の現状を派遣会社にしっかりと説明することが重要です。依頼の背景や求めるスキル、希望する人物像を明確にして伝え、ミスマッチを防ぎましょう。

派遣会社の選び方については、こちらの記事で解説しています。

 

マージン率の低さ=良い派遣会社ではない

マージン率が低い派遣会社が必ずしも良いわけではありません。派遣料金が安い場合、スタッフの質やフォロー体制に影響が出る可能性があります。金額にこだわらず、派遣スタッフに求めるスキルやフォロー体制も重視し、本当に自社に合った派遣会社を選ぶことが、派遣を効果的に活用するうための近道です。

人材課題を解消する「Humap派遣」

企業が抱える人材課題を解決するためには、適切な派遣スタッフの選定と、その後のサポートが重要です。

アスマークの「Humap派遣」では、調査業界での20年以上の実績と100万人のモニターネットワークを活かし、ビジネスニーズに合わせた最適な人材を提供します。ミスマッチ防止のため事前面談で条件やスキルの確認を徹底し、導入後も派遣先企業と派遣スタッフに丁寧なヒアリングを実施して、円滑に業務が行える環境づくりを重視していますので、ぜひご検討ください。

自社にマッチする人材とサポート体制を提供できる派遣会社を選び、派遣スタッフを有効に活用することで、企業の成長を加速させましょう。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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