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この記事を読む方の中には
「どのようなことがコンプライアンス違反に当たるのだろう」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。
そこで今回は、過去に実際に発生したコンプライアンス違反事例と、その対処法についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
コンプライアンスとは、法令に則り企業運営をすることです。ここでいう「法令」とは、一般的な法律をはじめ、就業規則・倫理観・社会的責任を含めたものを指します。
近年、急速なSNSの発達により、企業イメージはよい方向にも悪い方向にも瞬く間に拡散するようになりました。コンプライアンスは、企業にとってますます重要な課題となっています。
コンプライアンス違反が発覚したら、企業は多大なリスクを負います。具体的には以下のようなリスクが考えられます。
1度のコンプライアンス違反により、すべてのリスクを負う可能性もあり、最悪の場合、倒産する企業もあります。
コンプライアンス違反には、さまざまな種類があります。以下は一例です。
2020年に行われた調査では、コンプライアンス違反による倒産件数は182件でした。そのうち最も多い事例が粉飾決算で57件です。
参照:帝国データバンク コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2020年度)
企業のコンプライアンス違反事例を、過去にニュース・メディアなどで報道された実際の事件を例にご紹介します。
三菱自動車工業が2016年に同社の自動車4車種について、燃料試験時にデータを改ざんしていたことが発覚し、景品表示法違反による行政処分を受けた事件です。同社は、2000年以降、度重なるリコール隠しをした実績もあり、一時期は経営危機に陥りました。
株式会社フーズ・フォーラス運営の「焼き肉 えびす」において食中毒が発生した事件です。2011年、富山・福井・石川・神奈川各県内の店舗で181人の食中毒が発生し、うち5人が亡くなられました。フーズ・フォーラス社は、この事件を機に倒産に至りました。
アクセンチュア株式会社が、社員に長時間労働をさせ、2022年3月に労働基準法違反により書類送検された事件です。1人あたり計143時間48分の残業をさせていました。長時間労働している社員と36協定を結んでいたものの、長時間労働を制する労働組合はなく、36協定の締結にも不備があったことが合わせて発覚しています。
従業員が個人で犯したコンプライアンス違反事例で有名なのは2014年の株式会社ベネッセコーポレーションの「個人情報流出事件」です。
事件は、当時ベネッセコーポレーションの業務委託先で勤務していた従業員が、個人情報約2800万件以上を名簿業者へ売却して流出させたものです。情報を流出させた従業員は、不正競争防止法違反に問われ実刑判決を受けています。
ベネッセコーポレーションとしても、顧客約3504万世帯へお詫び通知と1件あたり500円の図書カード・電子マネーを送付するなどし、これらの費用として約136億円の赤字を被ることとなりました。
従業員個人が起こした事件だとしても、企業が受ける被害は甚大だということが分かります。
コンプライアンス違反が発覚した際、企業がとるべき対処法を、順にご紹介します。
対処は、おおむねこの流れに沿って行いますが、監督官庁へ報告のみ、定められたタイミングで行います。各項目は極力迅速に対応しなければなりません。そのため、事前にコンプライアンス対策チームを作り、危機管理マニュアルを揃えておくとよいでしょう。
企業の中で重要案件とも言えるコンプライアンス対策。発生前に未然に防げるのが最善です。そこで、コンプライアンス違反の予防策についてご紹介します。
経営者のメッセージは、企業の考えと言っても過言ではありません。そこで、コンプライアンス違反を許さない姿勢を経営者自ら見せましょう。
「コンプライアンス違反をしないことは、企業のために、従業員のために、顧客・株主のためになる」という、違反をしない・させないイメージを持たせることが大切です。
日々コンプライアンス対策に努めていたとしても、数名の担当者のみでは対策しきれない箇所がある可能性もあります。そんな時は、外部のサービスをうまく使いましょう。
具体的にはスマートフォンから10分程度で回答できる「CHeck」のハラスメント予防対策アンケートなどが効果的です。ハラスメントは、それ自体がコンプライアンス違反になる可能性があるだけでなく、ハラスメントが横行するような職場では、その他のコンプライアンス違反も起こりやすくなります。
コンプライアンス違反に関する社内ルールがない企業は、早急に社内ルールを制定しましょう。また、既にルールがある企業では、現状に即した内容であるか確認が必要です。
守るべき法令や、世間が企業に求める倫理観は時代によって変わります。何年も前に制定したきりで、機能していない社内ルールでは意味がありません。そのため、メンテナンスは非常に重要です。
コンプライアンス違反が発生したときや、違反となるか否かの判断が難しい場面では、従業員が対応に迷うことがあるかもしれません。そこで、社内ルールと合わせて、危機管理対策マニュアルなど具体的な行動規範を準備しておきましょう。
最後に、ルールは弁護士のチェックを受けることをおすすめします。法的に過不足がないか確認がとれれば、より確実な社内ルールとなるでしょう。
コンプライアンス違反事件でよく聞くのが「この行動がコンプライアンス違反になると思わなかった」という声です。
前述の通り、守るべきコンプライアンスは日々変わっていきます。そこで、定期的にコンプライアンス研修を実施しましょう。研修は、具体的な事例を基に対策を検討するグループワークや、社内ルールを穴埋め問題にするなど、実際に自分で手を動かす研修が効果的です。
研修内容は、都度そのときの企業リスクを考慮したものに更新すると、従業員の意識づけにもなります。
コンプライアンス違反の事例と対処法についてご紹介しました。コンプライアンス違反があると、賠償責任・イメージ失墜などさまざまなリスクを負います。
コンプライアンス違反への予防対策は、4項目です。
日々、コンプライアンス対策をとり、健全な企業運営を目指しましょう。
株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G
パワハラによるコンプライアンス違反~具体例と防止対策を解説~
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