人材流出を防ぐ!退職希望者を引き止めるために企業ができること

この記事を読む方の中には「ボーナスを支給後に退職者が多く出てしまうことが多く、退職を上手く引き止められるようになりたいがどうしたらよい」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、退職の引き止めについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

退職の引き止めは違法?

退職を引き止める行為に違法性はありません。ただし、期間を定めない従業員は「民法627条1項」で退職の自由が認められています。また、期間を定めている従業員も「民法628条」でやむを得ない事情がある場合についてのみ退職が可能です。

退職の意思が強い従業員に無理な引き止め方をすると、ハラスメントなどのトラブルへ発展する恐れがあります。優秀な人材は会社に残ってほしく強く説得してしまうこともあるかと思いますが、引き止めるときは、慎重に行動しましょう。

離職率の現状とよくある退職理由

現在の離職率とよくある退職理由をご紹介します。退職理由を知って、自社の施策へ生かしましょう。

離職率の現状

2023年現在の離職率は、15.4%であり、ここ数年は15%前後を行き来しています。弊社が過去に実施した「転職意向」についての調査においても、入社3~5年の従業員に離職の意向が強く感じられ転職へのハードルが低くなっていることが分かりました。

離職に対する考え方の変化や売り手市場などの条件が重なり、高い水準を推移しています。

 

よくある退職理由

よくある退職理由をいくつかご紹介します。

  • 仕事に対する興味がなくなったため
  • 能力を生かせていないと感じるため
  • 人間関係が好ましくないため
  • 労働時間、休日等の労働条件が悪かった

会社の将来性・給与や労働条件などの環境、待遇に不満を感じて退職を決める人も多いようです。退職者の少ない職場づくりには、今後の将来を自社で描けるようなキャリア支援や人間関係を改善できるようなコミュニケーションがポイントと言えるでしょう。 

参考:厚生労働省_令和5年雇用動向調査結果の概況

 

退職を引き止める方法

退職を引き止めるための、2つのステップを紹介します。

  • 1.退職者面談を設けて不満や悩みを聞き出す
  • 2.不満や悩みに対応する改善策を実施する

改善策の提案時は、解決方法と完了までの期間を示すとイメージが付きやすいため、退職を思いとどまってもらえる可能性が上がります。

ここでポイントなのが、退職希望者の本音を聞き出すことです。退職を決めた従業員(とくに円満退職を望んでいる場合)は、退職の原因などを本音で語ってくれるとは限りません。
いくら改善提案をしたとしても、不満に感じていないものに対しての提案となってしまえば退職希望者に響くことはありません。本音を聞き出せるか否かが引き止めへの重要なポイントと言えるでしょう。

退職者面談についての詳しい解説は下記コラムをご参照ください。

参考:社内改善に効果的な退職面談の質問9選|本音を引き出すポイントも解説

 

退職希望者の本音を引き出す方法

退職希望者に寄り添う姿勢を見せつつ、話しやすい環境を作るのが、本音を引き出すポイントです。具体的にご紹介します。

話を聞く

本音を引き出すために重要なポイントは「話を聞く」姿勢をとることです。具体的には、下記を意識して話を聞きます。

  • 言い返さない
  • 批判・建設的な議論をしない
  • 理解している様子を示さない

退職者面談の相手は、上司または人事担当者です。不満や悩みを聞かれたときに「伝えたら怒られるのでは」と思うこともあるでしょう。不安を感じながらも本音を話そうとしてくれている相手に対して言い返すと、それ以上本音を話せなくなります。

反対に、建設的な議論や理解を示す様子を見せても、不信感が募っている状況では聞き入れられないでしょう。本音を聞き出すためには「まず相手に寄り添って話を聞く」ことを意識しましょう。

聞き手はタイミングをみて自分の経験を語る

傾聴を意識すると、つい引き出すことに注力しがちですが、自ら仕事への価値観などは話づらいものです。担当者からこれから得られるキャリアビジョンや過去の経験談など、退職希望者が抱えている悩みに沿った話などから会話を広げる糸口を見つけましょう。担当者との共通点があれば、そこを掘り下げて話していくと、本音を引き出すのに効果的です。

上司や同僚の力を借りる

直属の上司や同僚は、既に悩み相談を受けていたかもしれません。退職希望者が話しやすい相手にも面談へ同席してもらい、話しやすい空気を作りましょう。ただし、情報漏えいには注意が必要です。 一度広まると、取りやめにくいうえに、プライバシー配慮の観点から不信感が募り、退職意向が強まってしまう恐れがあります。 退職面談で気をつけるべきポイントをまとめた資料を無料配布しています。ぜひご活用ください。

 

従業員アンケート

対面で話しにくいことも、書面やWeb型のアンケートを通じて回答すれば、本音を伝えやすくなります。従業員アンケートは、伝えにくい本音や従業員の離職要因を把握するのに効果的です。 またアンケートの実施は、退職を決める前の悩みの段階から意向を拾い上げることができるため、早期に対策できるようになります。
従業員アンケートの実施は内部で準備できるものの、手間と時間がかかます。離職要因や改善点を正しく分析できなかったり、分析に手間取ってしまい従業員へのフォローが遅れてしまう可能性もあります。
スピーディに改善やフォローを行いたい場合は、外部専門家へ委託するのがおすすめです。

従業員の本音を知るには「ASQ」

対面で不満を伝えるのに躊躇する方に対しては、従業員アンケートの活用が効果的です。従業員アンケートは、慣れていないと離職要因や改善点を分析できない可能性もあります。手間なく的確な分析結果を出すためには、外部専門家によるアンケートがおすすめです。
アスマークの「ASQ」は調査歴20年以上を誇るプロによる従業員満足度調査サービスです。離職のリスクや要因を分析し、どのように改善していくべきか施策提言付きの色分かりやすいレポートにしてお渡しします。手間と時間をかけずに改善点や離職要因が把握できます。 退職希望者の本音を引き出して、従業員の離職防止に役立てましょう。

 

 

退職希望者の引き止め行為は違法ではありません。ただし、無理な引き止め方をすると、ハラスメントになる可能性があります。

日本の離職率は、高い水準を推移しており、離職への意識も変わっています。
退職を引き止めるためには、本当の退職理由を引き出すことと、不満に対応する施策の実施が必要です。退職希望者の本音を引き出すためには、話しやすい雰囲気づくりにつとめ、相手を批判したりせず傾聴に徹しましょう。また、直属の上司や同僚など退職希望者が本音が言いやすい相手に力を借りることも一つの手段です。
従業員アンケート等も活用しながら本音を引き出し、離職の要因を改善していきましょう。

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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