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この記事をご覧の方の中には、「派遣トラブルに関する相談を受けた」「派遣トラブルの防止策を知りたい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
今回は、派遣トラブルの事例や予防策について解説します。ぜひ参考にしてください。
派遣先において、派遣社員との間で発生しやすいトラブル事例をご紹介します。派遣社員がトラブルに直面した場合は、まず派遣会社へ相談することが一般的です。ここでは、派遣先企業が注意すべきポイントを詳しく解説します。
年齢や性別に関する表現は、雇用対策法および男女雇用機会均等法に抵触するおそれがあります。たとえば、「〇〇歳代の男性歓迎」「〇〇歳まで応募可能」などの記載が典型例です。派遣社員から指摘を受けた場合は、すみやかな訂正が必要です。派遣を依頼するときは、現場担当者・人事担当者・派遣会社の三者で、業務遂行能力と無関係な表現がないか事前に確認しておきましょう。
派遣先企業との契約で定めた業務内容は、「就業条件明示書」に明文化されています。派遣先企業は、この文書に記載のない業務を派遣社員に依頼することはできません。派遣社員側も、契約の範囲外の依頼については断って問題ありません。もし、範囲外の業務を依頼したい場合は、派遣料金の見直しが必要な可能性もあるため、派遣会社と相談しましょう。
制服の着替え、業務時間外でのミーティング、シフトの引き継ぎ、掃除など、短時間であっても労働とみなされる行為に対して報酬が発生しない場合、無給労働に該当することになります。派遣先企業は、こうした業務を業務時間内に実施できるよう配慮する必要があります。
近年はハラスメント対策や研修の整備が進み、社会全体で意識が高まってきている一方で、無意識の偏見や知識不足などにより、不用意な発言や行動が問題となることもあります。派遣先企業は最新の情報を盛り込んで定期的な研修を実施し、正しい知識の浸透を図ることが、ハラスメント防止につながります。
また、社員から「ハラスメントをしてしまったかも知れない」と相談を受けた場合は、可能性の段階であっても迅速に対応する姿勢が求められます。
派遣社員にも、一定の要件を満たせば有給休暇の取得権が認められます。派遣先企業では、派遣社員から有給休暇の取得希望が出た際には、業務の調整を快く行うべきです。なお、有給休暇の申請方法に明確な統一基準はないため、派遣会社・派遣先・派遣社員の三者で事前に認識をすり合わせておくと安心です。
派遣社員による横領や重大なミスが派遣先企業に損害を与えた場合、派遣先企業は派遣元企業に対して賠償請求を行うことが可能です。
ただし、派遣先企業の顧客に影響が及び、損害が発生した場合には、まず派遣先企業がその責任を負うことになります。対応にあたっては法務部門や弁護士との連携も視野に入れる必要がありますが、損害の原因が派遣社員の重大な過失等によるものであれば、派遣元に対して損害の一部または全部を請求できるケースもあります。
営業職の社員に付いて資料などを作成する「営業アシスタント」のように、担当する社員によって業務量に偏りが生じるケースは少なくありません。同じ業務なのに偏りがあると相談を受けた際は、増員やチーム内での調整によって業務量の均等化を図る必要があります。
派遣元と派遣社員の間では、次のようなトラブルが発生することがあります。
これらのトラブルは、すべて派遣元会社が管理すべき事項です。もし、派遣社員から相談を受けた場合は、本人が直接、派遣会社へ相談するように促しましょう。派遣先の社員が間に入って伝えると、かえってトラブルが拡大する可能性があるため、必ず本人と派遣元で話し合ってもらいましょう。
派遣先と派遣会社の間で生じる主なトラブルには、次のようなものがあります。
これらのトラブルは、派遣会社との話し合いにより、解決の糸口を探ることが基本となります。特に、派遣社員の引き抜きに関しては、契約で「引き抜き禁止期間」を設けているケースも多く、事前の確認と慎重な対応が必要となります。
派遣元・派遣先それぞれの責任範囲は、表のとおりです。
※上記の責任区分は、法的な主たる責任に基づいて整理したものですが、実務においては派遣元・派遣先の双方に対応義務が及ぶケースもあります。
・男女差別の禁止(男女雇用機会均等法)
雇用主である派遣元が法的義務を負いますが、派遣先で発生する差別的言動や扱いについても実態に応じた対応が求められるため、派遣先にも一定の責任が伴います。
・セクハラへの雇用管理上の措置義務
派遣元は、相談窓口の設置や社内規定整備など雇用管理上の義務を負います。一方、セクハラが派遣先の現場で発生することが多いため、派遣先にも事実上の対応責任が生じます。
・ハラスメント防止策の責任(パワハラ防止法)
法的義務は派遣元に課されますが、派遣先の職場環境が原因で発生することも多いため、派遣先も防止や是正のための配慮が不可欠です。実務上は、派遣元と派遣先の連携が重要です。
派遣に関するトラブルでは、内容によっては法律に抵触する場合もあるため、派遣先企業の担当者は該当する法令の理解を深めておく必要があります。派遣法トラブルの基礎知識はこちらの資料でもまとめていますので、ご参考にしてください。
派遣先企業としてトラブルを未然に防ぐための具体的な取り組みをご紹介します。
業務内容や残業の有無、休日の扱いなど、トラブルにつながりやすい項目は、派遣元・派遣先の双方が合意したうえで契約書に明記することが重要です。単に法的な義務として作成するのではなく、契約内容について互いの認識をすり合わせるツールとして有効活用しましょう。
派遣を受け入れる現場の社員が契約内容を把握していない場合、無意識のうちに契約範囲外の業務を依頼してしまうといったトラブルが起こりかねません。派遣社員や契約に関する情報は全社員に共有し、特に受け入れ部署の社員には業務範囲や就業条件をきちんと周知しておくことが大切です。
派遣トラブルの防止には、現場の理解と社内全体の意識づけが重要です。特にハラスメント防止については、社員一人ひとりが正しい知識を持つことが求められています。
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派遣元と派遣先の担当者との連携がしっかり取れていると、トラブル防止に効果的です。派遣会社の担当者は、派遣社員の現場での様子や仕事ぶりを間近で見ているわけではありません。現場でのささいな変化や違和感に気付いた場合は、迅速に情報共有しましょう。日頃から密にコミュニケーションを取ることで、トラブルの予兆を察知し、早期に解決することができます。
派遣に関するトラブルは、大きく分けると「派遣先で解決すべきもの」と「派遣元が対応すべきもの」に分類されます。たとえば、業務範囲・サービス残業など無給の業務・業務量の偏りといった課題は派遣先での対応が求められる内容です。一方、派遣社員の待遇(時給や社会保険の有無、産休・育休などの取得)に関するトラブルは、派遣元企業が主体となって対処すべき問題です。
また、派遣社員のスキル不足や引き抜きに関するトラブルは、派遣先と派遣元の双方で協議のうえ解決策を模索する必要があります。
派遣元と派遣先には、それぞれ法的に定められた責任範囲があることを理解し、特に人事および現場担当者は、法令に抵触するリスクについて日頃から把握しておくことが大切です。
派遣トラブルを防ぐためには、以下の3点がカギとなります。
これらを意識することで、不要なトラブルを避け、円滑な派遣業務が実現できます。
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