飲食業界の離職率とは?採用前からはじめる効果的な離職防止策

この記事を読む方の中には
「飲食店を営んでいて離職率が高い」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、飲食業界の離職防止策についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

飲食業界の離職率

飲食業界(※)の離職率は、最低水準です。離職率・有効求人倍率の現状と定期的にチェックできる離職率の計算方法からご紹介します。

(※)厚生労働省の令和4年雇用動向調査結果の概要におけるカテゴリー分類「宿泊業,飲食サービス業」の値を参照。

離職率の現状

厚生労働省の調査によると、飲食業界における令和4年度の離職率は「宿泊業,飲食サービス業」が26.8%で最も高い結果です。令和6年2月現在の有効求人倍率は調理担当者が2.8、接客担当者においては2.97で、広く募集をかけていることが分かります。

参考①:厚生労働省_令和4年 雇用動向調査結果の概要

参考②:厚生労働省_一般職業紹介状況(令和6年2月分)について

 

離職率の計算方法

離職率とは、一定期間に採用した人数に対する離職者の割合です。一般的に、次の計算式を使って求めます。

離職率=一定期間内の離職者数 ÷ 期間の開始時点で雇用されている従業員数 × 100

 例えば、、2023年4月~2024年3月31日までの退職者が10名、2023年4月時点の従業員数が100名だった場合、離職率は「10 ÷ 100 × 100」で10%です。

飲食業界の離職率が高い理由

飲食業界の離職率が高い理由は、労働条件や仕事への不安感など、モチベーションの維持が難しいことが要因の一つになるでしょう。

労働条件が悪い

飲食店の休日は、原則として平日です。当日欠勤したいときは、交代メンバーを探さねばならないことが多く、家族や友人とスケジュールが合わせにくい状況です。さらに、個人経営の飲食店などは、研修を受ける機会が用意されていることは少ないです。休みが取りにくいうえに、研修制度などの環境が整備されていないため、離職を考えるようです。

プレッシャーの多い業務

近年注目されているカスタマーハラスメントや、正確性を求められる作業など、勤務中は常にプレッシャーが多い状況です。緊張状態を長く続けなければならず、心身ともに疲れがたまってしまうと退職を考えはじめるきっかけとなります。

モチベーションの維持が難しい

飲食店は、接客や調理など原則として1人作業する業務や対顧客での業務が多いため、従業員同士のコミュニケーションがとりづらい場面が多いです。プレッシャーが多い中、愚痴や不満をため込んでしまうと、モチベーションが下がります。さらに、給与水準が低く、黒字経営の企業も少ない状況です。がんばっているのに給与が上がらない状況は、退職を引き起こしやすいです。

将来に不安がある

給与水準が低く、昇給しにくい環境では、将来に不安を感じる人も多いでしょう。特に、飲食業界の場合は、日々同じ業務を行うため、キャリア形成が難しい業務です。スキルアップの見通しが立たず、経済面の不安を抱えてしまうと、転職を考えはじめるでしょう。また 近年は、職場に対する意識が変化しています。仕事内容や職場に求めるものの傾向を調査した資料をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

採用前からはじめる飲食業界の離職防止策

低コストですぐにはじめられる離職防止策をご紹介します。

【採用前・面接時】マイナスポイントも素直に伝える

選考時のミスマッチを減らすことが、離職防止への第一歩です。面接では、3点に注意して選考しましょう。

  • マイナスポイントも素直に伝える
  • あいまいな表現を避ける
  • 面接官の人柄をアピールして相互理解につとめる

メリットばかり伝えると、入社後にギャップに苦しむかもしれません。あいまいな表現とは「うち、結構大変だよ」などの表現です。大変さが人によって違うため、具体的な説明を心がけましょう。面接官の人柄を理解してもらうのは、相互理解を深めて入社後のギャップを解消するためです。

【採用後】シフトには柔軟に対応する

プライベートを重視する人が増えています。急に予定が入ったときに備えて、アルバイトのシフトは特に柔軟な対応が大切です。シフトが柔軟な職場は、従業員の満足度が高く、離職率防止につながります。勤務希望とシフト作成を行うシステムが数多く出ています。システムを活用して柔軟に対応しましょう。

【採用後】入社後の細かなフォロー

入社してすぐのときは、誰でも不安になります。従業員の不安を軽減するために、細かなフォローが大切です。具体的には、次のような項目をチェックしましょう。

  • 希望の働き方ができているか
  • 仕事に慣れてきたか
  • 分からないことや不安なことをため込んでいないか
  • 休憩時間に1人で黙って過ごしていないか
  • ほかのスタッフと会話しているか

さらに、3ヵ月以内は座って面談する機会を作り、仕事の振り返りと入社後のギャップをヒアリングします。フォローのときは、名前を呼ぶこととほめることを心掛けると距離が縮まり相談しやすい環境が作りやすくなります。

日々の声かけに迷う方へ向けて、尊敬される上司の口癖を調査しました。ぜひ参考にしてみてください。

 

【採用後】コミュニケーション促進の環境作り

従業員同士のコミュニケーションが取れれば、職場への満足度が向上し、離職防止へつながります。具体的には、次のような施策があります。

  • 社内報
  • サンクスカード
  • 社内チャット

社内報は、シフトが違うメンバーの様子やビジョンを知る機会になります。サンクスカードは、オープンな場で感謝を伝えるツールです。日頃のがんばりが周囲に伝わり、やりがいへつながります。社内チャットは、普段顔を合わせない従業員と気軽にコミュニケーションが取れる機会です。

サンクスカードは、下記の資料で紹介しています。コミュニケーション活性化にご活用ください。

 

【採用後】従業員満足度調査

従業員が離職を検討する要因を分析すれば、必要な改善策が見えてきます。要因の分析には、従業員満足度調査が効果的です。 調査の中には、ストレスチェックができる調査もあります。ストレス度を早期に察知すれば、離職を検討する前のフォローが可能です。ストレスや離職要因は、時期やライフスタイルで変化します。定期的に調査し、従業員の状態を把握しておきましょう。

【退職前】面談で退職理由をヒアリング

離職防止策を実施しても、離職がゼロになることはありません。離職へ至った場合、今後の参考に退職理由をヒアリングしておきましょう。座ってゆっくり話を聞けるような環境で率直な意見をヒアリングできるのが理想です。

従業員のニーズ把握が離職防止への第一歩

従業員のニーズが分かれば、満足度の改善策を実施できます。従業員のニーズを同業と比較して強みと弱みが分析できれば、施策の優先度付けにも効果的です。同業比較やニーズの把握には、分析のプロによる従業員満足度調査を活用しましょう。

離職要因の分析には「ASQ」

アスマークの「ASQ」は、離職要因の分析把握に効果的な従業員満足度調査サービスです。 飲食業界の離職率改善には、同業平均比較の活用をおすすめします。同業平均比較は、当社保有のベンチマークデータと調査結果との比較です。業界の平均値からかけ離れている要因を重点的に施策へ反映することで、従業員満足度の向上に貢献します。

飲食業界の離職率は、全業種の中でもワースト1です。離職の原因は、労働条件の悪さやプレッシャーの多さなどがあります。離職防止率を改善するためには、採用面接時からミスマッチをなくし、入社後に細かなフォローを入れるなどが大切です。 実施すべき施策の検討に、ベンチマークデータとの同業平均比較を取り入れた従業員満足度調査を活用してみてはいかがでしょうか。

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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