ジェンダーフリーな職場を目指そう!【場面別】労務管理のポイント

この記事を読む方の中には「多様性のある職場を作るには何をしたらよい?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、ジェンダーフリーな職場の作り方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ジェンダーフリーとは?

ジェンダーフリーとは、性別による差別を受けず、自由に能力を発揮することを目指す考え方のことです。「男の子は強くないと」「女の子はおしとやか」など、無意識に植え付けられた固定観念から解放され、個人の能力を尊重することを重視しています。 ジェンダーに関する言葉は、会話の中で混同すると、相手に不快な思いを与えかねません。そこで、まずは基礎知識となるジェンダーに関する用語からご紹介します。

ジェンダーに関する用語

ジェンダーに関する基本的な用語を9つご紹介します。
聞いたことがあるものの、明確な区別が不明確なまま使用すると、意図せずとも相手に不快な思いをさせてしまったり、差別的なものであるとハラスメントとみなされる可能性があります。特に、性的指向に関する言葉は、注意が必要です。

ジェンダーによるハラスメントの現状

過去に実施した調査によると、ジェンダーによるハラスメントは減少傾向にあるものの、被害にあっている方は一定数存在している状況です。
具体的な被害内容は、容姿や外見に対する発言や結婚・出産の予定など、無意識な発言によるものも含まれていました。
ハラスメント対策の実施状況においては、相談窓口の設置や研修の実施などは実施しているものの、何も対策をしていない企業が7割近くとまだまだ対策が求められていることが分かります。ジェンダーフリーな職場を作り配慮が広まれば、ハラスメントの減少が見込まれるでしょう。

 

ジェンダーフリーへ向けた国の取り組み

2023年6月23日から「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(LGBT理解増進法)」が施行されました。厚生労働省では、事業者向けの啓発パンフレット配布や事例紹介、相談窓口の設置などに取り組んでいます。 ほかにも、健康保険証の性別・氏名欄の記載方法変更、性別適合手術の保険適用などを実施しました。

参考:厚生労働省 性的マイノリティに関する理解増進に向けて~厚生労働省の取組~

 

【場面別】ジェンダーフリーな職場の作り方

ジェンダーフリーな職場を作るために、企業担当者ができる労務管理を場面ごとにご紹介します。

募集と選考

求人の募集から採用に至るまでは、次の対応を検討する必要があります。

  • 応募フォームの性別欄をなくす、または「男・女・他」など選択肢を増やす
  • 面接官へ選考中にしてはいけない発言・行為を教育

当然ながら、面接中は見た目で性を判断してはいけません。しかし、無意識にハラスメントにあたる発言をしてしまう可能性があるため、具体的に注意すべき発言内容などを学ぶ研修等を実施するとよいでしょう。
また、選考中にカミングアウトを受けた場合は、自社の体制面で考慮できること・できないこと等、面接者が就職するにあたり事前に知りたいと思われる情報を伝えたり、従業員の理解状況を明確にし、理解を深めることが大切です。

勤務の条件

性を理由として雇用形態や勤務条件、手当を限定してはいけません。扶養手当や家族手当は、給与支給額や税法上の扶養などを基準にするとよいでしょう。慶弔の休暇を同性パートナーがいる従業員へ付与する場合は、パートナーシップ証明書など、公的な証明書を活用するなどルールを決めると良いでしょう。

人事・給与制度

男女によって初任給が異なっていた企業や、性別によって手当の支給制度に差がある場合は、早急に是正しましょう。また、昇進についても同様です。女性活躍を唱えているため、女性を昇進させるのもジェンダーフリーとは言えません。あくまでも個人の能力を見る必要があります。 個人の能力による評価を取り入れるなど制度の見直しが必要な場合は、時間やコストが多くかかります。そこで、評価制度で見直すべきポイントをまとめた資料を無料配布しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

職場環境と福利厚生

職場環境や福利厚生は、まず次のようなポイントを見直すとよいでしょう。

  • 社内行事
  • トイレや更衣室などの設備
  • 健康診断

社内行事では、スポーツイベントや社内表彰で性別を意識せず実施できるものを取り入れると良いでしょう。設備は、性別を問わず使えるトイレや更衣室を設けることで全員が働きやすい職場作りへとつながります。健康診断は、ジェンダーフリーな健診を実施している医療機関を利用するのがおすすめです。

行動規範

行動規範でもジェンダーフリーを取り入れることが可能です。例えば、定年制度や呼び方、ドレスコードが挙げられます。定年制度は、性別を意識せず統一、呼び方は、女性を「さん」男性を「くん」と呼ぶこともあるかと思いますが、ジェンダーを想起させやすくなるため、全員「さん」と呼ぶように統一するなども良いでしょう。 また、ビジネスネームの導入もおすすめです。ビジネスネームとは、戸籍上の名前に違和感を覚える方のために使用する名前です。給与明細や社内の書類は、ビジネスネームが使用できます。ただし、源泉徴収票や年金手帳など、公的機関に提出が必要な書類はビジネスネームが使えないため、注意が必要です。

ドレスコードは、女性の制服を廃止したり、複数のパターンを作成して選択できる制服を作ったりするとよいでしょう。 ジェンダーバイアスにつながる言葉は、職場に多く存在します。過去に、ジェンダーバイアスにつながると思う言葉について調査しました。結果を活用してジェンダーフリーな行動規範を浸透させましょう。

 

ハラスメント対応

ジェンダーを起因とするハラスメントは、セクハラ・マタハラ(パタハラ)・SOGIハラなどです。ハラスメントが発生したときに、被害者の気持ちを最優先にできる体制を作っておきましょう。 そのためには、関連団体との連携やジェンダーハラスメントの窓口経験のある外部へ委託するのがおすすめです。 ハラスメント防止に使える資料を無料配布しています。ぜひご活用くださいませ。

 

従業員の意識改革

環境や制度を変えても、毎日接する従業員の意識改革を進めなければ変わった実感は得にくくなります。ジェンダーフリーに対する研修と浸透活動を進めましょう。ただし、既に持っている価値観は、過去の教育や慣例に基づくため、相手を完全に否定してはいけません。 「多様な考え方がある」ことと「相手の考え方を否定しない」ことから従業員に浸透させるとよいでしょう。

ジェンダーフリーな職場を作るなら「CHeck」

アスマークの「CHeck」は、研修や相談窓口など、企業が行うべきハラスメント対策を提供するサービスです。研修では、実施前に行うアセスメントテストの結果を解説し、行動計画を立てます。自分のテスト結果を元にした研修のため、すぐに職場へ生かせます。 また、当事者講師による「LGBTQ+研修」は、実体験を踏まえたカリキュラムのため、当事者への対応法なども学べる研修です。 

 

ジェンダーフリーとは、性別によって差別せず、個人の能力を自由に発揮することを目指す考え方です。ジェンダーに関する言葉は種類が多いうえに略語も多いため、人事担当者が自らハラスメント発言をしないよう、事前に把握しておきましょう。 性に起因するハラスメントは、減少傾向にあるものの、対策が不十分な企業が多くを占めています。企業ができるジェンダーフリーの推進策としては、性別欄の削除やトイレや更衣室の性別を限定しないなどがあります。さらに、研修を実施して従業員の意識改革を進めましょう。

アスマークの「CHeck」は当事者講師による「LGBTQ+研修」など実態件を踏まえたカリキュラムで、ジェンダーフリーへの意識向上に寄与できるサービスです。
ジェンダーフリーな職場を目指して、できることから初めてみてはいかがでしょうか。

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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