リテンションのための組織の改善策とは?

この記事を読む方の中には 「従業員の定着率が低い。リテンションの施策を検討したいがどうしたらよいか分からない」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。 そこで今回は、リテンションのための施策についてご紹介します。 ぜひ参考にしてみてください。

リテンションとは?

リテンションは、直訳すると「維持・保留」という意味です。 人事の領域では、人材定着を意味します。 リテンションの施策は「金銭面」「非金銭面」の2種類に分けられます。 具体的な施策についてはこの後解説していきます。
日本では終身雇用制度の崩壊や少子高齢化などにより、人材獲得競争が激化し人材の流動化が進んでいます。 リテンションのために、金銭面(報酬増額)の施策のみを行っても人材流出を防げなかった企業は少なくなく、そのような背景から「非金銭面」を重視する企業が増えています。

 

リテンションと定着率の関係性

組織への定着率が高い企業は、リテンションマネジメントを実行している企業が多いようです。 「リテンションマネジメント」とは、離職率低減・長期雇用を目指す管理手法です。 組織への定着率向上のためには、リテンションマネジメントが重要な手法の一つと考えられます。

リテンションマネジメントのメリット・デメリット

リテンションマネジメントには、組織・従業員にとってのメリットがあります。 しかし、組織にとってはメリットだけではありません。 そこで、リテンションマネジメントのメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

リテンションマネジメントのメリットについて、組織・従業員 それぞれの面からご紹介します。

組織にとってのメリット

組織にとって、リテンションマネジメントを実践するメリットは下記5点が考えられます。

  • 採用・育成コストダウン
  • ノウハウ・スキル・情報流出の防止
  • 長期事業戦略の安定的な遂行
  • コミュニケーションのとれたチームの構築
  • 生産性向上

従業員が退職するとなると、人材だけでなく、その従業員方が今まで働く中で培ってきたノウハウやスキルまでも失うこととなります。 長期雇用により、スキルを持った従業員が活躍すれば、安定した長期事業戦略につながります。 また、退職が少なくなると追加採用の必要がなく、採用・新人育成コストが削減でき、生産性向上が見込めるようになります。 このようにリテンションには組織にとっての好循環が生まれることも期待できます。

従業員にとってのメリット

リテンションマネジメントの従業員にとってのメリットは下記3点が考えられます。

  • スキルアップ
  • キャリア形成へのステップ形成
  • 働きやすい仕組みによる負担軽減

個人にとって最大のメリットは、スキルアップと考えられるでしょう。 長く勤務すれば、一度習得したスキルをより深く理解することができ、より高度な技能が身につく事となります。 一朝一夕では身に着かないようなスキルを身に着けることで、キャリア形成へつなげることも可能です。 また働きやすい仕組みが整えられることは、従業員の方の精神的負担も少なくなりメリットと考えられるでしょう。

デメリット

リテンションマネジメントは、組織・個人にとって多くのメリットがある一方、デメリットもあります。

  • 長期間にわたる施策となる
  • 組織改善にコスト・労力がかかる
  • リテンションマネジメントは、施策を1回実行しただけでは終わりません。 定期的な実施により、高い効果を発揮します。 そのため、コスト・労力がかかり、長期間に渡るのです。

リテンションにつながる組織の改善策

リテンションマネジメントにつながる環境整備について、具体例をご紹介します。

コミュニケーションを改善する

コミュニケーション改善策の具体例は以下です。

  • 定期面談
  • 社内の部活動
  • 部内・社内イベント

コミュニケーションは、風通しのよい組織を作り、従業員のエンゲージメント向上に効果的です。 上司・部署内・部署をまたいだコミュニケーション施策を実行するとよいでしょう。

適切な報酬・待遇を提供する

報酬・待遇は、ただ報酬が高ければよいものではありません。 従業員に合わせた報酬・待遇を提供することが大切です。 リテンションに効果のある報酬制度は、以下のような制度が考えられるでしょう。

  • 成果型給与……目標達成度・組織貢献度などに対する給与
  • 業績連動型賞与……組織・個人の業績に連動した賞与
  • 自己評価……貢献度・勤務態度などを自己評価し、人事考察の参考にする制度
  • バリュー評価……行動規範を実践できているか、行動や成果に至るまでの過程を評価する制度
  • ストックオプション……自社株を決められた価格で購入できる権利を付与する制度
  • プロフィットシェアリング……一定以上の利益をあげた場合、従業員へ利益を還元する制度
  • 人材アセスメント……第三者の評価を人事考察に反映にする制度

間接部門などは、業績に直結する制度では判断しにくいでしょう。 その場合は、サンクスカードを活用した評価システムなどがおすすめです。 サンクスカードは、普段見落としがちな業務への貢献度が分かります。

 

キャリアアップ支援をする

キャリアアップにより、仕事への展望が見えると、仕事が楽しくなります。 仕事が楽しければ、離職を考えることが少なくなるため、仕事を楽しくできるような仕組みを作ることはリテンションに効果的です。
キャリア支援制度は主に4つあります。

  • キャリアカウンセリング・キャリアアセスメント
  • スキルアップ研修(社内・社外)
  • 希望による異動制度
  • 社内公募制度

キャリア支援は、カウンセリング・アセスメントなどにより、現在の状況を把握することから始まります。 全員にキャリア展望があるとは限りません。 従業員それぞれと向き合い、将来の意向を見極めることが、全従業員に合ったキャリアの検討につながります。

従業員満足度調査を実施する

従業員のニーズを知ることは、取り入れるべき施策の検討に効果的です。 調査結果を活かした例をご紹介します。

  • 時短勤務・フレックス制度など、働き方改革の満足度調査結果を元に、制度改善
  • 現在の残業時間を調査し、残業時間低減策を社内公募する
  • 調査結果から、離職の原因が管理職のマネジメントにあると出たため、管理職研修を実施

上記のように、何に取り組むべきかの課題を発見することができます。 リテンションを検討する場合、最初に従業員満足度調査を実施すると良いでしょう。

リテンションには課題の把握が重要

リテンションのために施策を開始したら、どれも長期的に実行することになります。 施策を実行しても、本当にリテンションに効果がある施策は何かを判断することは難しいでしょう。 そこで、施策の優先度を決めるため、従業員満足度調査の活用をおすすめします。 調査結果から、組織が抱える課題を把握し、現在ある施策の改善・取り入れるべき施策の検討にも効果的です。

施策提言付きES調査「ASQ」

アスマークの「ASQ」は、施策提言付きの従業員満足度調査です。主な特徴は2点です。

組織・人材診断により見えない本質を分析

「ASQ」の調査結果は、独自の分析ロジックにより、組織・リーダー・社員をそれぞれ4つのタイプに分類します。 タイプ分けすることで、部署ごとの特徴や改善点などが分かりやすくなります。

ベンチマークデータで改善ポイントを可視化

「ASQ」では、毎年全国約10,000人の有職者モニターに実際のASQと同じ設問に回答してもらって得た「ベンチマークデータ」を有しています。 ベンチマークデータと自社の状況を比較することで、全国平均に比べた自社の改善ポイントがひと目で分かります。
また、ベンチマークデータを業界別に分析し、自社と同業界のデータとの比較を行うことも可能です。

 

企業にとって、リテンションは重要な課題です。従業員満足度調査から現在の課題を把握し、リテンションに取り組んでみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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