退職検討サインを見抜く方法~すぐに使える質問も紹介

この記事を読む方の中には
「離職防止策をしているのに離職率が改善しない」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、退職検討サインについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

社員が退職を考える理由

社員が退職を考えるのは、大きく分けて5つの理由からです。

  • キャリアアップのため
  • 成長の機会が少ないため
  • 人間関係が悪いため
  • 労働環境が悪いため
  • 育児や介護が必要なため

 

しっかりしたキャリアプランがある計画転職などは、引き留められない前向きな理由です。一方、成長の機会・人間関係・労働環境など後ろ向きな理由であれば、状況の改善によって退職を考え直すケースがあります。 退職理由の調査を実施したところ、退職を考え始める理由は、世代によって大きな違いがあることが判明しました。調査結果を資料として配布しています。

 

退職検討サインの見落としによる組織への影響

後ろ向きな退職には、一定の退職検討サインがあります。サインを見逃し、退職希望者を放置することで、組織に与える影響は次のとおりです。

  • 退職へ至る
  • パフォーマンス低下
  • 周囲のモチベーション低下
  • 連鎖的に退職者が増える

 

退職検討サインを見逃すと、当然ながら退職へ至ります。抜けた社員が優秀な人材であるほど、大きくパフォーマンスが低下します。退職検討サインを見たほかの社員が不満を感じ始めると、周囲のモチベーションが低下し、連鎖的に退職者が増加するでしょう。

退職検討サインの事例

退職検討サインを一つ出したからと言って、早急な退職とはなりません。退職を検討している社員が発するサインをレベル別にご紹介します。

【低】引き留められるレベル

レベル低は、退職を考え始めた段階で、少し引き留めると踏みとどまるレベルです。次のようなサインを発します。

  • 周囲から退職の噂が出始める
  • 親しい友人と頻繁に食事に行く
  • 期末や年度末に大きく雰囲気が変わる
  • 不満が増えた
  • 不満を全く言わなくなった

 

職場に不満があると、表情やしぐさに変化が出始めます。食事の回数が増えたり、大きく雰囲気が変わったりなどです。不満の増加は、ストレスが限界に達し、漏れるようになっています。反対に、不満を全く言わなくなったのは、退職を検討しているため言いにくくなったあらわれです。

 

 

【中】引き留めが難しいレベル

レベル中は、悩んでいた進退の結論が出て、退職を意識します。レベル中のサインは次のとおりです。

  • 退社時間が早くなった
  • 飲み会に参加しなくなった
  • 数週間の間に年休または遅刻・早退があった
  • いつも以上に身だしなみを気にしている
  • 距離を感じるコミュニケーション

 

このレベルは、転職活動を始める時期のため、身だしなみを整え、定時退社や遅刻早退が増えます。飲み会の不参加や距離を感じるコミュニケーションは、今の会社と距離を置き始めた証拠です。

 

 

【高】退職間近!引き留め不可能なレベル

レベル高は、転職活動がかなり進み、引き留め不可能なレベルです。レベル高では、次のようなサインを発します。

  • 目を合わさないまたは目がよく合う
  • 以前より表情が明るくなった
  • 2週間以内に2回以上、不自然に会社を休む
  • お話があります・退職したいと言われる

 

すでに退職間近なレベルのため、退職を切り出されるタイミングです。会社に対する不満を気にする必要がなくなるため、表情も明るくなります。

 

 

退職検討サインを見抜く方法

退職検討サインを見抜くには、3つの方法があります。

  • 日常的な声かけ
  • 社員の不満が改善されているかのチェック
  • 従業員満足度調査

 

日常的な声かけとは「最近、仕事はどう?」といった雑談レベルの声かけです。こまめに声をかけることで、悩みを打ち明けやすくなります。社員の不満を解消すべく施策を実施している場合は、改善具合をチェックしましょう。

従業員満足度調査は、退職検討サインに気づいた周囲の声をヒアリングするのにも効果的です。当社の従業員満足度調査は、不安要素のあぶり出しと現状把握に貢献します。 当社の従業員満足度調査は、不安要素のあぶり出しや現状把握に効果的です。

 

退職検討サインを見つける8つの質問

社員が不満に感じる要素を見つけるために効果的な質問が8つあります。8つの質問から仕事や組織への不満が把握できれば、引き留められるかもしれません。

組織への満足度が分かる質問

組織の満足度が分かる質問を3つ挙げます。

  • この先何年位この会社で働こうと思っているか?
  • 組織をよくするために必要なことは?
  • 最近元気がないようだけど何かあったか?

 

しっかりとしたキャリアビジョンがある社員ほど、勤続年数を明確に決めています。勤続年数が不明瞭な場合は、退職を検討しているかもしれません。組織改善のために必要なことは、回答を避ける場合は退職検討のサインです。社員の変化を具体的に伝えることで、本音を聞き出せるかもしれません。

 

仕事内容に関する質問

仕事内容に関する質問を3つ挙げます。

  • 苦手に感じる業務は?
  • 一番成長を実感した業務は?
  • 得意な業務は?

苦手に感じる業務が、現在担当している業務の場合、仕事内容が直接的な退職の原因かもしれません。成長につながる業務に対する質問から、将来像を話し合うと、現在の業務に対する不満度と社員が求める業務が把握可能です。 得意な業務に対する質問に即答できない場合やズレがある場合は、仕事に対する不満が溜まっています。仕事内容に対しての不満が分かれば、部署異動などを通じて引き留められるかもしれません。

 

その他の質問

組織や仕事に属さない質問が2つあります。

  • 休日の過ごし方
  • 最近どう?

休日の過ごし方に関する質問は、プライベートの疲労が蓄積しているため、仕事へ意識が回らず、退職を検討している可能性を探ります。しかし、聞き方によってはセクハラに該当する可能性があるため、注意が必要です。近況を聞く「最近どう?」は、漠然と聞くことで、社員との距離感がはかれます。漠然とした質問に対して気軽に回答してもらえる場合は、引き留められるかもしれません。

退職検討サインを発した従業員への対応

退職検討サインを発見したら、できるだけ早く次の対応を取ります。

  • 話を聞く
  • 解決策を提示

最も大切なのは、退職希望者の話をしっかり聞くことです。ただし、直接的な質問をすると、軽快させるかもしれません。傾聴に徹して退職理由を探りましょう。 退職理由に応じて解決可能な対策は、実行します。すぐに解決策を提示できない場合は「どのように働けば希望が叶う」と将来を見越した話が大切です。

退職検討サインを早期に発見して離職を防止しよう

社員が退職を考えるのは、キャリアアップなどの前向きな理由と人間関係などの後ろ向きな理由からです。退職検討サインを見落とすと、社員の離職やモチベーション低下などを招きます。 退職検討サインには、社員の状況に応じて3段階に分かれます。

サインの見落としを防ぐためには、8つの効果的な質問をするのがポイントです。 退職検討サインの詳細についてまとめた資料を配布しています。

 

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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