ワークエンゲージメント調査とは?「働きがい」の測定方法

この記事を読む方の中には

「従業員が働きがいを感じているか知りたい」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、ワークエンゲージメント調査の方法と結果の活用法についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ワークエンゲージメントとは?

ワークエンゲージメントとは、活力・熱意・没頭の意識が高く、仕事を積極的に楽しむ様子を指します。オランダにあるユトレヒト大学のシャウフェリ教授らによって確立された概念です。

 

ワークエンゲージメントと反対に位置する言葉としてワーカーホリックという言葉があります。ワーカーホリックとは、直訳すると「仕事中毒」で、常に働いていないと気が済まない状態の人を指します。趣味や自らの健康もないがしろにしてプライベートの時間にも仕事のことを考えている人です。

 

ワーカーホリックの人は、バーンアウトしやすいと言われています。バーンアウトとは、心身が疲れきって仕事に対する意欲を失った状態です。ワーカホリズムの状態が続くと、気づかないうちにストレスを溜めこみ、ストレスをうまく発散できません。

 

ワークエンゲージメントの高い人は、意欲的に仕事をこなしながらも、心身の健康を維持しています。組織は、従業員のワークエンゲージメント向上に努めるのが大切です。

 

ワークエンゲージメントを高めるメリット

ワークエンゲージメントを高めると、次のようなメリットがあります。

 

  • 生産性の向上
  • 従業員満足度の向上
  • 従業員のストレスが軽減
  • 離職率の低下

 

ワークエンゲージメントが高い従業員は、集中して仕事に取り組むため、生産性があがります。意欲と熱意の高い従業員が多くいる組織は、明るく活気にあふれているでしょう。活気あふれる職場は、風通しがよく従業員のストレスも少ないため、満足度が向上します。満足度の高い職場を退職したいと考える人はいません。ワークエンゲージメントがあがると、離職率が低下する点もメリットです。

ワークエンゲージメント調査の実施方法

ワークエンゲージメントの高さを測定するために、3種類の調査方法があります。ここでは、調査方法と調査を実施するうえでのポイントをご紹介します。

ワークエンゲージメントの測定方法・尺度

ワークエンゲージメントの測定方法は、3種類あります。

 

  • UWES(Utrecht Work Engagement Scales)
  • MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)
  • OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)

     

    MBI-GSとOLBIは、バーンアウトを測定する方法です。バーンアウトが低いほど、ワークエンゲージメントが高い状態と判定します。

     

    現在、広く活用されている測定方法はUWESです。UWESは、ワークエンゲージメントを構成する活力・熱意・没頭の3要素に対する質問に7段階で回答します。

     

    要素ごとに回答の点数を合計し、3要素の平均値をワークエンゲージメント尺度として算出します。値が高いほどワークエンゲージメントが高い状態です。

     

    参考:厚生労働省_令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-

    調査実施のポイント

    調査を実施するときに大切なのは、本音で回答してもらうことです。本音で回答してもらうために、次のポイントに気をつけましょう。

     

    • 事前に調査目的を明確に提示し、理解を得る
    • 回答から従業員が不利益にならない旨を事前に伝える
    • 回答者の匿名性を担保する
    • 回答期間は繁忙期を避ける
    • 結果や改善点はフィードバックする
    • 紙・Web調査など、回答しやすさに配慮する
    • 定期的に実施して改善効果を検証する

     

    従業員アンケートは、全員に本音で回答してもらうのが理想です。調査への不信感があっては有効な回答が得られません。目的を説明し、匿名性を担保した調査を実施しましょう。また、回答方法や期間など、従業員が回答しやすい環境作りも大切です。

     

    調査結果は、回答者へフィードバックと定期的な調査を繰り返し、改善効果を確認すれば、さらに有効な調査ができます。

     

    調査結果の活かし方

    ワークエンゲージメント調査の結果は、最終的に組織を改善するために活用します。従業員アンケートによって得た回答は、次の用途に活用します。

     

    • 現状の理解
    • 課題の把握
    • 要因の分析
    • 施策の検討

     

    現状の理解と課題の把握は、調査結果を適切に集計分析できれば、判断が可能です。

    ここでは、要因分析と施策の検討についてご紹介します。

    要因分析

    要因分析とは、問題に至った原因を探ることです。要因を分析する手法は、5つあります。

     

    • ブレインストーミング:調査結果から、組織で話し合って思いつく要因をあげる
    • 5W1H:誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのようになどを想定し、仮説を立てる
    • フィッシュボーン図:要因を人・方法・環境などで分類・細分化し、課題を明確化する
    • 要因の関係性を分析:複数の要因に関連がないかをダイヤグラムなどを使って検討
    • データと比べて検証:思いついた仮説が本当に要因なのか、データを使って検証する

     

    上記のような手法を使用し、課題の根本原因を探ります。

     

    調査結果に基づく施策検討

    調査結果と分析により、根本的な要因が見つかったら、要因に合わせた改善策を検討します。施策の検討には、次のステップが必要です。

     

    • 要因にあった施策をブレインストーミングで検討
    • 施策の候補から、費用・効果・かかる時間を比較して優先順位を決める
    • 優先順位が高い施策の具体的なプランを作成する

     

    すでにワークエンゲージメントに関する施策を実施している場合は、施策の浸透状況や、改善度合いを知るために定期的な調査が必要です。

    調査するだけでは意味がない

    ワークエンゲージメント調査の最終的な目標は、施策の実施です。調査を行っても、データを活用できなければ意味がありません。そこで、従業員にアンケート調査を実施するときは、分析力があり、施策の相談に乗ってくれるプロへ相談するのがおすすめです。

     

    施策の相談は、調査に関する知識だけでは成り立ちません。人事・調査の両方に精通するプロへ依頼するとよいでしょう。

    ワークエンゲージメントの調査は「ASQ」「従業員アンケート」がおすすめ

    アスマークの「ASQ」「従業員アンケート」は、従業員へのアンケート調査サービスです。

     

    「ASQ」は、人事コンサルと共同開発した従業員満足度調査パッケージです。従業員満足度や離職意向、満足度や離職意向に影響の大きい要因等が把握できます。既定の設問のほかに追加設問も可能で、調査結果は組織と人材のプロが分析し、施策提言をつけたレポートにして納品します。

     

    ワークエンゲージメントに焦点を絞って詳しい調査を実施したいときは「従業員アンケート」がおすすめです。従業員アンケートは、オーダーメイド型の調査サービスです。組織の悩みへ焦点をあてた調査を実施できます。

     

    「ASQ」では、全国の有職者の回答結果をベンチマークとして比較が可能です。詳細な調査は「従業員アンケート」を、従業員満足度や離職意向を尺度に検討する場合は「ASQ」を活用するとよいでしょう。

     

    ワークエンゲージメントは、意欲が高く仕事に没頭している状態です。ワークエンゲージメントを高めるためには、現状を知り、施策を実施するとよいでしょう。

     

    現状を知り、課題の要因分析や施策検討のために、従業員アンケートがおすすめです。

     

    組織に必要な施策を導き出すために、施策の提言や分析力に長けた第三者機関のアンケートサービスを活用してみてはいかがでしょうか。

    執筆者

    Humap編集局

    株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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