「言いがかりだ」と言われたら?逆パワハラへの対処法

この記事を読む方の中には

「逆パワハラの相談を受けているがどう対応すべきかわからない」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、逆パワハラの定義・原因と対処法についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

 

逆パワハラとは?定義と特徴

役職にかかわらず発生するハラスメントに「逆パワハラ」があります。逆パワハラの定義と判断基準などの概要は、次の通りです。

逆パワハラの定義・法律上の位置づけ

逆パワハラとは、部下から上司へのパワハラ行為です。具体的には、次のような行為があります。

 

  • 業務上の指示に従わない
  • 部下が結託して、特定の上司を無視する
  • 上司に対する暴言や言いがかり
  • 上司への暴力
  • (パワハラをしていないのに)パワハラで訴えると言われる

 

上司の指導や行動に対し、ハラスメントと勘違いし言いがかりをつけたり、仕事の指示にため息をついたりなどの行為も逆パワハラです。労働施策総合推進法(パワハラ防止法)でも、部下から上司へのパワハラについて言及されています。

 

企業の法的責任

逆パワハラが発生したときに、ハラスメントの内容や組織の対策によって、次のような責任が伴います。

 

  • 労働施策総合推進法第30条2(雇用管理上の措置等)
  • 民法第415条(安全配慮義務違反による不法行為)
  • 民法第715条(使用者責任)

 

企業は、ハラスメントに対する体制を整備しなければなりません。よって、労働施策総合推進法・民法によって体制の整備不足による管理責任が問われます。さらに、ハラスメントの内容や調査状況によっては、労働契約法第16条の不当解雇や刑事第230条の名誉棄損罪、刑法第231条の侮辱罪などで争うことになるでしょう。

逆パワハラの判断基準

パワハラとは、以下の3点があてはまる行為を指します。

 

  • 背景に優位的な関係がある
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超える
  • 労働者の就労環境が害される

 

逆パワハラの場合の優位的な関係とは、経験やスキルの優位性や、集団など人数の優位性です。業務上必要な範囲は、内容や社会通念上の許容範囲などを考慮します。例えば、上司からの指示に疑義があり、質問や代替案の提案をすることは社会通念上、業務上必要な範囲といえると思います。就労環境が害されるか否かは、被害者自身が不快に感じるかに加え、社会一般的に看過できるかの判断が必要です。

逆パワハラの裁判事例

逆パワハラの代表的な事例は、日本電信電話事件です。

 

当事件は、部下から上司への度重なる嫌がらせ行為により解雇した従業員から不当解雇として訴えられました。度重なる嫌がらせとは、中傷ビラの配布・土下座の要求・自宅への嫌がらせ電話などです。

 

被害者の上司から何度も注意されたにもかかわらず改善がなく、周囲や被害者へ反省の態度もないことから解雇は正当とされています。

 

参考:裁判所|平成7年(ワ)5294 日本電信電話(大阪淡路支店)事件

逆パワハラが起きる背景

逆パワハラは、加害者側の認識不足や上司のマネジメント不足により発生します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

逆パワハラへの認識不足

逆パワハラを、パワハラの一種と認識する方は多いでしょう。しかし、具体的な行為を想像できる方は少ないのではないでしょうか。正しく逆パワハラを認識していないため、無意識のうちに逆パワハラを犯しているかもしれません。

上司のマネジメント不足

上司が部下との適切なコミュニケーションを取らず、期待や業務の方向性を明確に伝えられていなかったり、マネジメント不足で業務の分配が不公平になったり、評価基準が不明確になったりすることで、部下が上司に対する不満を持ち、攻撃的な態度や言動を取るようになることがあります。

 

心理的・社会的原因

以前の日本企業は、年功序列が一般的でした。しかし現在は、成果主義で年下上司も多くなってきています。

心理的に年下上司を認めらなかったり、年上部下の発言権が必要以上に強い状態だと、逆パワハラが起きてしまう可能性があります。

「言いがかりだ」と反論されたら?逆パワハラへの対処法

部下の立場を利用し、暴言や嫌がらせを「言いがかり」と反論された場合の対処法と日ごろから実施できる対策についてご紹介します。

逆パワハラ被害時の対処法

はじめに、逆パワハラの被害を受けたときの対処法です。

できるだけすぐに相談

部下から嫌がらせを受けたら、できるだけすぐに上司やハラスメント相談窓口へ相談するのがおすすめです。早く相談すれば、被害が最小限でおさまる可能性があるうえに、自身の指導力不足を責められ、心身疲労に陥ることも避けられるでしょう。

証拠を残す

部下から「言いがかり」と言われたときのために、証拠を残すことも大切です。客観的に判断できる録音・メールやチャットの記録と、自身が指導した内容を記録しておきましょう。

組織としての予防策

組織が日ごろから取るべき対策は、3点です。

逆パワハラの周知啓発

逆パワハラの存在を知らずに無意識のうちに上司を追い詰める部下が出ないように、定期的な周知啓発が大切です。逆パワハラの実例や判断基準を定期的に発信します。部下の立場でもハラスメントの加害者になりえることを、しっかりと周知しましょう。

マネジメント研修

前述のように、上司のマネジメント力不足も、逆パワハラの原因となりえます。
部下に不信感を抱かれない適切なマネジメントができるように、上司にマネジメント研修を行うことも逆パワハラ予防策のひとつです。

組織風土の改善とコミュニケーションの促進

パワハラ・逆パワハラを問わず、ハラスメントは日頃のコミュニケーション不足も原因となります。組織の風通しがよく、日頃から従業員同士で意見を言い合えていれば、指導をされた際も意図を理解できるため、上司への不満はたまらず、逆パワハラは起きにくいでしょう。

予防には逆パワハラへの正しい知識が必要

パワハラを心配するあまり、上司の方が過敏になるケースがあります。そこで、組織をあげて逆パワハラの正しい知識をつけましょう。逆パワハラの正しい知識をつけるには、研修や現状把握アンケートなど、専門的な対策サービスを利用するのがおすすめです。

逆パワハラの知識定着には「CHeck」

アスマークの「CHeck」は、逆パワハラに対応したコンプライアンス・ハラスメント対策サービスです。逆パワハラの知識定着には、リサーチと研修サービスをおすすめします。

 

「CHeck」のリサーチは、実態把握を目的とした調査サービスです。回答の中に、代表的なハラスメントに関する理解度チェックが含まれているので、正しい知識を周知しながら実態が把握できます。

 

研修は、事前テストを元にした「アセスメント研修」や、弁護士や社労士などの専門家が講師をつとめる研修など、多彩なメニューが特徴です。

 

アセスメント研修では、自分のテスト結果を振り返り、未来の行動計画を立てます。テスト結果から、それぞれが抱えるハラスメントリスクが可視化されるため、研修直後から注意して行動に移せます。

 

専門家による研修では、弁護士・産業心理カウンセラーなどさまざまな講師による研修が可能です。法律の知識だけでなく、アンガーマネジメントやコミュニケーションなど、課題に応じた研修カリキュラムを作成できます。

 

逆パワハラは、パワハラに比べて理解度が低いため、被害が生まれるケースが多く見られます。逆パワハラを正しく理解するために、研修や実態把握アンケートの実施がおすすめです。

 

研修や実態把握アンケートを効果的に実施するために、ハラスメント対策サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク マーケティング・CSチーム運営

Humap(ヒューマップ)編集局は、従業員1万人規模の独自調査や、CS活動を通じて寄せられる「現場のリアルな悩み」に基づき、ハラスメント・エンゲージメント・働き方改革といった組織課題解決のための知見を発信する専門組織です。
単なる用語の解説に留まらず「改善につなげる具体的な手法」や「取り組みのコツ」など明日から自社で活用できる、実践的なコンテンツを企画・制作しています。

【活動の実績】
ハラスメント・エンゲージメント・働き方改革に関する知見発信において、自社登壇セミナー開催数は累計320回、申込者数は23,000人を突破。関連資料の利用者は17,000人以上。(※2026年現在)

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プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000593.000018991.html

監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)
株式会社アスマーク マーケティング管轄 マネージャー

リサーチ業界およびマーケティング領域で10年以上のキャリアを持つスペシャリスト。従業員満足度調査「ASQ」のサービス立ち上げに参画し、業界比較分析も起案。人材コンサル会社と協力し「やりっぱなしで終わらせず、改善できるES調査」の開発を主導。

本記事の監修にあたって: 自身の豊富な実務経験に基づき、公開情報の正確性と、読者の皆様のビジネスに即した実用性を厳格に審査しています。

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