キャリア安全性とは?心理的安全性との違いや高める方法を解説

この記事を読む方の中には 「離職防止のために、キャリア安全性を高めたい」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。 そこで今回は、キャリア安全性についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

キャリア安全性とは?

キャリア安全性とは、今の職場において自分のキャリアが長く安全な状態でいられると感じているかを測定する尺度のことです。アメリカのハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授により提唱されました。従業員のワークエンゲージメントを満たすために必要な要素の1つです。

キャリア安全性と心理的安全性の違い

ワークエンゲージメントを満たすために必要な要素に「心理的安全性」があります。心理的安全性とは、ミスや意見などの言いにくいことを恐れず伝えられる環境か否かの尺度です。 キャリア安全性と心理的安全性は密接な関係があります。心理的安全性の高い組織は、若手の成長を促し新たなアイデアの創出を奨励します。このような組織では、長く安定してキャリアを築けるでしょう。 一方、心理的安全性の低い組織では、質問や意見を出しにくいため、若手の成長を妨げるでしょう。安定したキャリアが確保できず、キャリア安全性が低いと言えます。

キャリア安全性に必要な3つの視点

キャリア安全性は、3つの視点から構成されています。時間・市場・比較の3点です。それぞれ見ていきましょう。

時間視座

時間視座は、長期的に見てキャリアを形成できるか否かの視点です。次の質問によって自身の方向性を把握できます。

  • 今の仕事をいつまで続けたいか
  • 今の仕事からどのようなスキルや経験を得ているか
  • 今の仕事で挑戦していることや目標はあるか
  • 今の仕事以外に興味のある仕事があるか

長期的にというのは、2~3年を目安に考えるとよいでしょう。将来のキャリアビジョンが実現できるか否かが時間視座を測定するうえでのポイントです。

市場視座

市場視座とは、外部から見た自身のキャリアのことです。次の質問によって市場視座を測定します。

  • 自身の仕事は今後どのように変化するか
  • 自身の仕事に需要はあるか
  • 仕事を進めるために必要なスキルは何か
  • 外部から見た給与水準や評価はどのようなものか

市場視座は、外的要因があるため、経済や社会の変化が起きるたびに測定するとよいでしょう。

比較視座

比較視座とは、友人などの他人と比較してキャリア形成ができているか否かのことです。次の質問によって測定します。

  • 他と比べてメリット・デメリットがあるか
  • 他と比べてどのような影響があるか否か
  • 他と比べてスキルや経験を得ているか
  • 他と比べてどの程度給与や評価を得ているか

比較視座は、市場視座と似ているものの、規模の大きさに違いがあります。比較視座を測定することで、キャリア形成に不安を感じて離職を決断するケースもあるようです。

キャリア安全性が組織に与える影響

キャリア安全性が高い従業員は、のびのびと働けます。活気のある環境で若手メンバーがいきいきと仕事をすれば、チームの生産性は向上するでしょう。 また、のびのびと働ける環境で仕事をすれば、メンタルは安定し長く働きたいと考えるはずです。ワークエンゲージメント・従業員満足度の向上や離職率の低下にも影響を及ぼします。

 

キャリア安全性を高める方法

キャリア研修

一定水準のスキルや給与を得ている人から「先が見えない」と言われた場合は、キャリア研修が有効です。若手社員や、定年を見据えたシニア層など、先のキャリアが見えにくい層へ向けて研修をする場合があります。シニア向けの研修は、受講者のキャリア自律を促すだけでなく、長い目でチーム育成を考えている組織の姿勢もアピールできるでしょう。

上司とキャリアについてミーティング

キャリア研修の実施後、現場で目を配る人がいないと、実際の業務に活かせているか分かりません。そこで、上司とミーティングを実施し、目標設定とフィードバックを受けましょう。目標は、少し頑張れば実現可能なものを設定し、定期的に細かくフィードバックするのがポイントです。

 

キャリア相談窓口の設置

キャリア相談窓口とは、職場内外問わずキャリアの相談ができる窓口のことです。場合によっては、転職や副業の相談も受け付けます。しかし、社内の相談窓口では転職の相談がしにくいうえに、漏えいの不安もあるでしょう。そこで、本音が言いやすいようキャリアコンサルタントなどの専門家による外部窓口を設けるのがおすすめです。

ジョブローテーション

ジョブローテーションとは、一定期間ごとに配置転換することです。さまざまな業務スキルを身に付けることで、キャリア安全性を確保します。ジョブローテーションを行うときは、従業員が不安に陥らないよう目的を従業員へ伝えるとよいでしょう。

社内公募制度

社内公募制度とは、人材を必要とする部署が社内に向けて求人を出す制度です。従業員の希望によって異動するため、モチベーションが向上します。結果的に自律的に学習したりキャリア形成を検討したりなど、キャリア安全性の向上が期待できます。

資格取得の支援

資格取得の支援は、手当を支給する方法と資格取得の講習を実施する方法があります。資格は、一定のスキルを持っている証です。支援により資格が取得できれば、仕事への価値を見出すことができるでしょう。

キャリア安全性を高めるには現状把握と効果検証が大切

従業員調査により現在のキャリア安全性を測定すれば、従業員が自身のキャリアに不安を抱えている点が明確となり、今後のキャリア形成支援を検討するうえで有効な結果が得られるでしょう。

また、従業員調査は、キャリア安全性を高めるために実施した施策の効果検証にも活用できます。キャリア安全性を高めるに、従業員調査は不可欠です。

チームメンバーの現状を知るには「ASQ」

アスマークの「ASQ」は、チームメンバーの現状把握に効果的です。離職リスクや従業員満足度からキャリアについてまで、組織が抱える課題を洗い出し、施策へ反映できます。 「ASQ」の大きな特徴は3点です。

  • 1万人の有職者によるベンチマークデータがあり同業他社との比較が可能
  • 調査歴20年以上のリサーチ会社が課題に沿った設問を提案
  • 組織・リーダー・社員を4つのタイプ別に分類し満足度や離職意向を調査

「ASQ」を活用すれば、時間と手間をかけることなくアンケート調査が実施できるうえに、結果を無駄なく活用できます。

 

キャリア安全性とは、今の職場に長く安全でいられるか否かの尺度です。ワークエンゲージメント向上のため、キャリア安全性と心理的安全性が満たされている必要があります。キャリア安全性を高めるためには、現状を把握し、課題に応じた施策の実施が有効です。

組織のキャリア安全性を把握するために、アンケート調査サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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