エンゲージメント調査とは?エンゲージメントの重要性と測定指標を解説

この記事を読む方の中には

「エンゲージメント調査が注目されているようだけど、どのようなものなの?」と気になっている方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、エンゲージメント調査の重要性と活用法についてご紹介します。エンゲージメントは、近年、人事および企業経営の領域で注目を浴びています。

これからエンゲージメント調査を始めたい方や今までのエンゲージメント調査を見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ンゲージメント調査とは

人事領域におけるエンゲージメントとは「従業員が会社に対し、愛着や貢献意欲を持てている状態」のことを言い、会社が従業員へ期待する処遇・キャリアを提供し続ける一方、従業員が会社に愛着を持って仕事を続けることで業績を高める双方向の関係を指します。この「従業員が自社に対してどの程度愛着を持っているか?」という指標を調査するのが「エンゲージメント調査」です。

エンゲージメントと混同しやすい言葉として「従業員満足度」があります。従業員満足度は「従業員が会社に満足しているか?」という従業員を中心とした考えのため、会社の利益や会社に対する貢献意欲とは関係ない点が大きな違いです。

また、エンゲージメントには、顧客との関係を示す「顧客エンゲージメント」というものもあります。顧客エンゲージメントは、自社およびサービスを利用し続けてもらう一方、よりよいサービスを提供する双方向の関係を指します。

ぜ従業員エンゲージメントが重要なのか

従業員エンゲージメントが重視されるようになった理由は、主に3つです。

  • 少子化などにより、人材が確保しづらくなった
  • 会社の施策に対する効果測定のため
  • 業績・成長への影響度をはかるため

エンゲージメントの調査結果から見つけた課題に対し改善策をとることで、組織と従業員の関係はよりよくなります。よい関係の職場は、離職者がいない上に意欲が高く、成長し続けると考えられています。常に成長する組織を目指すためには、従業員エンゲージメントが重要です。

ンゲージメントを測定する具体的な指標

エンゲージメント調査・分析をする前に、具体的な指標について理解しておきましょう。指標を理解したうえで、回答する社員の負担が減るよう「はい・いいえ」「5段階評価」などの設問を作ると、エンゲージメント調査がスムーズに行えます。

総合指標

総合指標とは、従業員の会社に対する評価です。具体的には3つの項目があります。

  • eNPS(employee Net Promoter Score)…自社を人にすすめたいか否か
  • 総合満足度…総合的な自社への満足度
  • 継続勤務意向…自社で働き続けたいか否か

レベル指標

レベル指標は、仕事に対する意欲を表す指標です。具体的には3つの項目があります。

  • 熱意…仕事のやりがい
  • 没頭…仕事へのモチベーション
  • 活力…仕事を楽しんでいるか

ドライバー指標

ドライバー指標は、従業員のエンゲージメントを高める理由と従業員自身が「会社に貢献できている」という感覚があるか否かを示す指標です。具体的には3項目あります。

  • 組織ドライバー…職場環境・人間関係など、従業員と会社に関する事項
  • 職務ドライバー…仕事に対する難易度・満足度、当事者意識があるか否か
  • 個人ドライバー…個人の資質が業務に及ぼす影響、業務上必要な資質があるか否か

 

ンゲージメント調査の調査方法

エンゲージメントは、日常的に従業員を見る「モニタリング」とアンケートによる「サーベイ」により調査します。サーベイには2つの方法があります。

  • パルスサーベイ…週1回~月1回など短い期間で少ない質問に回答する方法
  • エンゲージメントサーベイ…年に1度、多くの設問を回答する方法

パルスサーベイは、回答中のタイピング速度から集中力を見たり、顔認証・心拍数測定などから没頭度を見たりモニタリングと併用するとより効果的です。また、パルスサーベイとエンゲージメントサーベイを併用する場合もあります。両者を併用すると、より詳細なエンゲージメント調査ができるので、自社の戦略に合わせて使い分けましょう。

調査結果の活用方法

エンゲージメントを調査しても、データを活用できなければ意味がありません。そこで、調査結果の活用方法をご紹介します。

従業員の現状把握

エンゲージメント調査は、従業員の現状を把握するのに効果的です。従業員それぞれが自分の意識を再認識することと、会社が従業員の意識を把握することの2つの側面があります。

会社と従業員の意識にギャップがある場合は、そのギャップを埋めるために話し合いをすることで、会社への参加意識が生まれ、よりエンゲージメントが上がります。

会社の現状把握

調査結果は、会社の現状を可視化し、課題を洗い出すのに効果的です。洗い出した課題をもとに組織運営の見直しや経営方針を修正します。

課題の洗い出しのためには、従業員から正直な意見を聞く必要があります。そのため、エンゲージメント調査段階で、無記名での回答や設問設計を工夫するなど、答えやすい調査設計を行うことが大切です。

チームの現状把握

エンゲージメント調査結果により「コミュニケーション不足」や「マネジメントに問題がある」など、チームの現状が把握できます。仕事で一番近い同僚と話し合い、課題解決へ導くことで、チームへの参加意識がさらに高まるでしょう。

人事施策の改善

自分への処遇が悪いと感じる声や、主体性のない業務ばかりしているなど、従業員のモチベーション低下に関わる調査結果が出たときは、人事施策を改善するタイミングです。具体的には評価・休暇など人事制度の見直しや、部署改正などがあります。

ンゲージメント調査を実施する際の注意点

エンゲージメント調査を実施する際に大切な注意があります。主な注意点は5点です。

  • 従業員周知…目的・従業員に不利益にならない旨・結果の閲覧範囲を事前に周知する
  • 負担を考慮…設問数・頻度など、従業員の負担にならない範囲で設定する
  • 定期実施…調査は一度で終えず定期実施してこそエンゲージメントの効果がある
  • 迅速な集計作業…変化の大きい事項は迅速に対応するために迅速な集計が必要
  • 他データと合わせた分析…他社・過去のデータなどと比較することで見える課題がある

中でも「迅速な集計作業」は、手間がかかる上に一度に多くの集計が必要となるため、最も大変な作業でしょう。そのため、多くの場合はASQなど調査パッケージや、従業員調査向けの集計・分析サービスを使用して対応します。

とめ

エンゲージメント調査について解説してきました。会社と従業員がお互いに高めあう関係を作るために実施するエンゲージメント調査は、パルスサーベイ・エンゲージメントサーベイの両方を使用して行うと効果的です。

作成する設問は、総合満足度・熱意・職務ドライバーなど9つの指標を用いて設定すると、詳細なデータ取得に効果的です。調査結果は、従業員・会社・チームの現状把握と人事施策の改善に活用します。

有意義なエンゲージメント調査を行い、従業員と一緒に成長していける会社を目指しましょう。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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