売り手市場の新卒採用で優秀な人材を獲得するには?最新動向と効果的なサービスを紹介

この記事を読む方の中には
「売り手市場で新入社員を採用できない」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。
今回は、新卒採用の動向と人材獲得方法についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

新卒採用の売り手市場・買い手市場とは?

新卒採用の市場でよく耳にする言葉として、いわゆる「売り手市場(うりてしじょう)」「買い手市場(かいてしじょう)」という言葉があります。それぞれについて解説します。

市場を判断する、有効求人倍率とは

有効求人倍率とは、就職市場における雇用の動向を知るための指標です。求職者1人に対する求人数を指しており、以下の計算式で算出されます。

有効求人倍率 = 有効求人数 ÷ 有効求職者数

(例)
・求人数200万人÷求職者数160万人=1.25 →求職者が足りない「売り手市場」
・求人数200万人÷求職者数250万人=0.8 →求人が足りない「買い手市場」

算出に使う有効求人数と有効求職者数は、全国のハローワークに登録された求人数と求職者数に基づきます。これらのデータは、厚生労働省が算出し、毎月「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」として公表されています。

参考:厚生労働省_一般職業紹介状況(職業安定業務統計)

 

売り手市場・買い手市場の特徴

売り手市場とは、人材を採用したい「買い手」である企業の求人に対して、「売り手」である求職者が少ない状態です。企業にとっては人材獲得が厳しくなり、求職者にとっては選択肢が多い状況といえます。一方、買い手市場は、企業が出す求人に対して求職者が多い状態を指します。こちらは企業が優位に立ちやすく、応募者の中からより自社に適した優秀な人材を選びやすい状況ともいえるでしょう。どちらの市場になるかの判断基準は、有効求人倍率「1」です。この倍率が1以上であれば売り手市場、1未満であれば買い手市場とされます。

採用市場の現状

2025年卒の大学・大学院生を対象とした有効求人倍率は1.75倍となり、2024年卒の1.71倍から0.04ポイント上昇しました。企業の規模別に見ると、従業員数5,000人以上の大企業が0.34倍であるのに対し、従業員数300人未満の中小企業では6.50倍と、大きな差が見られます。
この結果、大企業は買い手市場である一方、中小企業は売り手市場が深刻化していることがわかります。大企業は買い手市場な反面、中小企業の売り手市場が深刻化している結果でした。

参考:リクルートワークス研究所「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」

 

市場が変化する理由

採用市場が変化する主な理由は、景気の影響と技術革新です。

景気が好調であれば企業の業績が伸び、事業拡大に必要な人材を募集するため、求人数が増えて売り手市場となります。反対に、景気が悪化すると事業の縮小や倒産が増え、求人が減少するため、買い手市場化が進むことになります。

また、AI技術の革新により、多くの事務作業が自動化されてきています。これにより、従来の業務を人手に依存することなく処理できるようになり、企業はより効率的に業務を遂行できるようになっています。しかし一方で、採用においては、依然として優秀な人材の確保に向けた工夫が必要です。業務内容や人材を必要とするポジションが変化していく中で、企業は新たな採用戦略を模索し続けなければなりません。

売り手市場の影響

売り手市場が企業と求職者に与える影響を、それぞれの立場から見ていきましょう。

企業に与える影響

売り手市場になると、求人数が多いため、自社の求人が埋もれやすくなります。自社の求人が埋もれて目立たなくなれば、応募数が減少し、優秀な人材を獲得することが難しくなります。さらに、多くの企業が求人を出しているため、面接日程の重複によるキャンセルや内定辞退が発生することもあります。

売り手市場において優秀な人材を獲得できない場合、それは求職者にとって自社があまり魅力的でないということを示しているかも知れません。職場環境など自社の課題を見直す契機と捉え、改善に取り組みましょう。

 

当社でも、大学生3・4年生を対象に、理想の就職先環境についての調査を行いました。学生の声を参考に、職場環境の改善を検討されてはいかがでしょうか。

 

求職者に与える影響

売り手市場が求職者に与える最大の影響は、好条件の求人が増えるという点です。求人が多く出るため選択肢が多く、企業は急いで人材を獲得しようとするため、採用のハードルが下がる傾向にあります。今まで経験者のみの採用としていた求人も、人材獲得のために条件を緩和して未経験者を歓迎する求人なども増え、求職者にとってはチャンスが広がります。

しかし、企業選びの選択肢が増えることは、マイナスの影響ももたらします。例えば、就職活動の軸がはっきりしていない状態で「魅力的な求人だから」という理由で就職し、早期に離職してしまうといったことが起こります。売り手市場では、企業は限られた求職者の中から自社に合った人材を選び抜き、定着してもらうための戦略を見直すことが重要です。

売り手市場の新卒採用で企業がすべきこと

売り手市場でも、求職者が集まる企業は存在します。それは、自社の魅力を日常的にアピールするなど、求職者の目に留まる施策を実施している企業です。そこで、売り手市場で企業が取り組むべき施策をご紹介します。

自社の魅力をアピール

求人が多い状況では、自社の求人が埋もれてしまう可能性が高くなります。そこで、自社の魅力を積極的にアピールし、応募者を引き寄せる企業を目指しましょう。コーポレートサイトやSNS、イベントやセミナーを通じて自社の魅力を発信します。

また、求人サイトで埋もれないためには、求人サイトの掲載プランを見直して、上位表示を維持することも効果的です。

募集方法の見直し

新卒採用における一般的な募集方法は、コーポレートサイトの活用や求人サイトへの掲載ですが、他の募集方法も検討してみましょう。例えば、スカウトメールによる早期からのアプローチや、カジュアル面談を通じて学生との接触機会を増やす方法などがあります。

選考方法の見直し

新卒採用の選考では、複数の応募者をふるいにかけて、優秀な人材を獲得することが一般的です。しかし、売り手市場では学生も企業を選ぶ立場にあります。学生にとって、面接官の対応は企業イメージに直結します。「面接官も選考されている」という意識を持ち、丁寧に対応することが大切です。

また、早期に内定を獲得すると、その時点で就職活動を終了する学生もいます。選考の回数や工程を減らして早く内定を出すようにするなど、選考プロセス全体を見直すことも重要です。

職場環境の改善

学生が企業に求める条件のひとつに「職場環境」があります。職場環境を改善して自社の魅力を高めることは重要ですが、求職者(あるいは従業員)のニーズに合わせた改善でなければ十分な効果は見込めません。

一例として、従業員アンケートを活用して、ニーズに合った職場環境の改善を行うのもよいでしょう。調査を行う際は、設問設計から分析までを専門家に依頼することをおすすめします。

 

また、新入社員が入社した後、安心して働くことができ、早期に職場に馴染めるようにするためには、「コミュニケーション」が重要です。コミュニケーション促進ツールを導入することで、新入社員の心理的安全性が高まり、スムーズな職場適応が期待できるでしょう。

入社後のコミュニケーション促進に効果的なサービス

新入社員とのコミュニケーションを促進するためのツールを2つご紹介します。

「Smileボーナス」

「Smileボーナス」は、従業員同士が日々の貢献や感謝を伝えることができる、オンラインサンクスカードです。例えば「デスク周りを綺麗にしてくれてありがとう」「この前の会議の発表でフォローしてくれてありがとう」「急ぎの資料の準備を手伝ってくれて助かりました」など、日々の業務の中で生まれる小さな感謝をオンラインで手軽に伝え合うことができるため、モチベーションアップにも効果的です。

また、送られた感謝はポイントとして貯まり、可視化することができます。ポイントを貯めると特典と交換できるシステムになっており、特典は企業によって自由に設定が可能です。例えば特別休暇等や商品券などを特典として用意すれば、福利厚生にもなります。組織の風土に合わせた活用の仕方が可能です。

「せきなび」

「せきなび」は、入社直後によく起こりがちな「(他の従業員の)顔と名前が一致しない」という問題を即時に解決できる在席管理ツールです。オフィスのレイアウトが表示された画面上に一人一人のアイコンがあり、アイコンにカーソルを合わせると顔写真とプロフィールが表示されます。プロフィール欄の項目は「趣味」「特技」「ひと言メッセージ」など自由にカスタマイズが可能で、従業員同士のコミュニケーションのきっかけを生み出し、互いに声を掛けやすくなる効果があります。

特に新入社員は、周りの従業員の顔と名前、所属や役職などがわからない状態で業務がスタートするため、「せきなび」のようなツールがあることで、不安感を減らし、安心して馴染みやすい空気を作り出すことが期待できます。

 

売り手市場では、企業にとっては職場環境を見直す契機となり、求職者にとっては多くの選択肢が増える点がメリットといえます。企業が行うべきことは、募集方法や選考方法を見直し、自社の情報発信や職場環境の改善に取り組むことです。

優秀な人材を獲得しても、早期に退職されては意味がありません。新入社員が溶け込みやすい職場づくりの一環として、コミュニケーション促進ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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