組織開発の重要性とフレームワークを分かりやすく解説

この記事を読む方の中には

「人材開発をしているものの、組織のパフォーマンス向上につながらない」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、組織開発の重要性と施策についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

組織開発とは?

組織開発とは、メンバー同士の関係を深めて組織を活性化し、生産性の向上やイノベーションの創出など、企業力を高める施策のことです。組織開発の概念は、1950年代にアメリカで生まれました。日本では、1960年代ごろ自主的に小さな集団で品質改善に取り組む「QCサークル」が企業に取り入れられるようになり広まりました。

組織開発の目的と重要性

組織開発の目的は、組織のパフォーマンスを最大化することです。以前の組織開発は、人材開発を中心としたものでした。しかし、人を中心とした施策だけでは限界が来ています。そこで、チームの枠を超えた業務によるシナジー効果を高めたり、意思決定のスピードをあげたりなど、組織的な改革によるパフォーマンス向上が重要視されるようになりました。

 

組織開発のフレームワーク5選

組織開発に利用できる考え方を5種類ご紹介します。

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション・ビジョン・バリューとは、企業の経営方針を示すもので、組織や個人が活動方針や判断に迷った際の判断基準として役立ちます。

 

  • ミッション:存在意義・果たすべき使命
  • ビジョン:目指す姿
  • バリュー:価値観・行動指針

 

世の中の流動性が増す中で、組織に属する一人ひとりが同じ方向を向き、一体となって使命を全うする上で重要な考え方となります。

存在意義を明確に示すことで、社員の一体感を生み出すだけでなく、顧客や採用対象者へのアピールにもつながります。

アクションリサーチ

アクションリサーチとは、組織開発の基本となるフレームワークです。組織開発を体系的にまとめた本「組織開発の探求※」でも、アクションリサーチについて分かりやすく3つのステップに分けて解説しています。

  • 見える化
  • ガチ対話
  • 未来づくり

はじめに、ヒアリングを実施し、組織・従業員の課題を見える化します。次に、課題に対する当事者同士のガチ対話です。対話では、ネガティブも目を向け、思える問題に真摯に向き合うことが大切です。今まで気づかなかった視点を知ることで、内面の変化が期待できます。

ガチ対話により、今までの思い込みから離れ、新たなあり方や視点を探るようになります。今後の方向性や在り方を従業員が自ら決めていく、これが未来づくりです。

※中原淳 著/中村和彦 著「組織開発の探究」,2018年10月,ダイヤモンド社

アプリシアティブ・インクワイアリー (AI)

アプリシアティブ・インクワイアリー(AI)とは、組織の価値・強みに着目したフレームワークです。理想の未来を想定し、そこへ近づくための方法を話し合い、実行へ移します。

 

AIの特徴は、弱みや失敗などネガティブな要素を補うことで課題を解決するアプローチするのではなく、強みなどポジティブな要素に目を向けることです。

今ある問題をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブな表現に変換し、ポジティブな切り口で解決策を模索します。物事をプラスに捉えることで、組織・従業員の強みを再発見し、自信を与えたり、理想・目標を再認識したりなどが期待できます。

 

ワールド・カフェ

ワールド・カフェとは、活発な議論や参加意識を高め、新しいアイデアの創造を促すフレームワークです。カフェのようなくつろげる雰囲気の中で自由に話し合います。実施に際しては、基本ルールを設けたうえで、3段階に分けて実施します。

 

  • 5名ほどのチームでまずは5分程度アイスブレイクを行ったあと、自由にテーマについて対話する
  • ホスト役の1名を決めそれ以外のメンバーを入れ替え、最初のチームで話した内容を共有し、アイデアを持ちよる
  • 最初のチームに戻り、持ち寄ったアイデアを共有し、まとめる

 

基本ルールは、アイデアを紙にどんどん書き出すことや、話を簡潔にすることなどです。原則として、テーマから脱線しなければ自由に話し合うということを意識するとよいでしょう。

コーチング

コーチングは、対話を通じて自ら行動し、成長できる人材を育成するためのフレームワークです。具体的には、質問・対話と共感を繰り返し本人に考えることを促すことで、自分の中にある答えを引き出します。コーチングは、厳密に言うと人材開発です。しかし、個人の成長がひいては組織の成長につながるとして、組織開発に必要な施策として注目されるようになりました。

組織開発の推進に役立つ手法

フレームワーク以外で組織開発の推進に役立つ手法が3つあります。

各種社内研修

組織の課題を解消するために、研修も有効な手法です。コミュニケーション不足が課題の場合は、グループワークを取り入れた研修をしたり、より良い指導者を生み出すためコーチングスキル向上を目的としたコーチング研修など様々な問題にアプローチできます。研修は、役職ごと、必要なスキル別などさまざまな形で実施します。

 

1on1ミーティング

1on1ミーティングは、上司と部下が1対1でミーティングすることです。上司と部下のコミュニケーションが取れるうえに、業務上の質問などにその場で回答できるため、業務がスムーズに進みます。1on1ミーティングで重要なのは、上司の聞く姿勢です。上司の指示・意見ばかりでは、部下の主体性は養われません。話を聞くことを第一にミーティングをしましょう。

従業員満足度調査

従業員満足度調査は、組織目標の再確認や現状把握に効果的な手法です。ミーティングや人事部からのヒアリングなどでは、相談内容が漏れてしまうのではと心配になり、従業員から本音をすべて聞けない可能性があります。最初に調査を実施することで、組織の課題や現状が可視化できます。

 

また、完全に内製化された従業員満足度調査は、ミーティングと同じ結果を招く恐れがあります。秘匿性の高い第三者へ依頼すると、より本音や現状把握に効果的です。

組織開発は現状把握が最重要

施策は、長い時間をかけて複数を実施する必要があります。一度に多くの施策を実施してしまうと、人事担当者だけでなく、従業員にも混乱を招くでしょう。そこで、施策を実施する際は、優先度を決めて少しずつ長期的に取り組むのが理想です。何から取り組んで行くべきか、優先順位をつける際、従業員満足度調査が活用できます。調査結果から、従業員の意向が定量的に可視化されるため、根拠をもって施策の優先度を付け、実行判断することができます。

タイプ診断やベンチマーク比較で組織課題を見える化する「ASQ」

アスマークの「ASQ」は、セミオーダー対応の従業員満足度調査サービスです。組織開発に取り組む前の現状把握や従業員の特性・意向を生かした施策の検討時にも活用できます。

組織・リーダー・従業員を4つに分類するタイプ診断

「ASQ」は調査結果から、組織・リーダー・従業員それぞれを独自の分析ロジックにより4タイプに分類します。現状、どういう状態でどこに課題があるのかを、分析・把握することで、今まで見えなかった課題の本質を可視化することに効果的です。タイプ診断から本質を知っておけば、AI・コーチング・1on1ミーティングなど対話を大切にする場面で、より有意義な対話をすることができるでしょう。

ベンチマーク比較で改善ポイントを可視化

アスマークでは、全国の幅広い業種から約1万のモニターデータを有しています。モニターデータをベンチマークとして、調査結果との比較が可能です。全国や同業種のベンチマークと比較すれば、自社の強み・弱みがひと目で分かります。

ポートフォリオ分析により、自社の取り組むべきポイントもランキング形式で可視化できます。

分析やベンチマーク比較の結果は、組織・人材コンサルティングのプロによる施策提言を付けてレポート化します。提言を元に施策を実施していったり、ベンチマーク比較結果から優先的に施策を実行したりなど、レポートを見ればすぐに施策の実行が可能です。

 

 

 

従業員の本音を聞き、分析結果を施策提言までレポート化する調査を実施すれば、調査結果を元にすぐ施策の実行が可能です。組織開発に従業員満足度調査を活用してみてはいかがでしょうか。

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

「あなたの組織の従業員総活躍をサポートしたい」の理念のもと、在席管理、パワハラ防止法対策、ES調査、RPAなど組織の働き方改革を応援する6つのサービスをご提供しています。

humapの編集ポリシー

チームマネジメントを高めるポイントとは?組織と従業員に分けて解説

チームマネジメントとは、目標達成のためにタスクやプロセスの管理に焦点を当てたマネジメント手法です。
チームマネジメントを高めるポイントについてご紹介。

コーチングでキャリアアップ?いまから組織ができること3選

コーチングとは、個人や組織が本来持っている考えを引き出し、能力を最大限に発揮するためのプロセスです。
コーチングでキャリアアップするために組織ができることについてご紹介。

おすすめ記事