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この記事を読む方の中には
「最近SOGIハラと聞くが、何の略?どういう意味?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。
そこで今回は、SOGIハラの事例と対策についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
SOGIハラの「SOGI」とは、Sexual Orientation(性的指向)・Gender Identity(性自認)の頭文字を取った言葉で、どのような相手に性的魅力を感じるかや、自分の性をどのように認識しているかといった、性的指向や性自認全般のことを表します。読み方は「ソジ」または「ソギ」です。
LGBTQ+は性的マイノリティの人のことを指しますが、SOGIは、異性愛などのマジョリティの人も含め、全ての人が持っている性に対する考え方そのものを示します。一部のマイノリティにのみ配慮が必要な問題として捉えるのではなく、すべての人の対等・平等、人権の尊重に根ざした課題として捉えるべきであるという、国際的潮流「自分ごと」と捉えやすい言葉として「SOGI」という言葉が使われるようになってきた背景があります。
SOGIハラとは、そのような性的指向・性自認に関連した差別的な言動・嫌がらせ行為を指します。
職場で起こりうるSOGIハラは以下の様な事例です。
本人の同意なくSOGIを暴露することを「アウティング」と呼びます。
混同しやすい言葉として「カミングアウト」がありますが、カミングアウトは秘密にしていたことを本人の意思で自ら打ち明けることです。
アウティングは、それをきっかけに自殺など事件や訴訟に発展した例もある重大なSOGIハラです。
噂レベルであっても「あの人、ゲイらしいよ」などのアウティングを行ってはなりません。
「同性愛者だから無視する」など、SOGIを理由として集団から排除する行為はSOGIハラにあたります。また、相手の性的指向を尊重せず、「戸籍は男性なんだから化粧をするな」「身体は女性なのにメンズスーツを着ている」など、性に対する考えを押し付ける行為もSOGIハラにあたります。
「ホモは気持ち悪い」「おとこおんな」など、SOGIを理由とした侮辱や差別的発言はSOGIハラです。相手に直接伝えていないとしても、職場などの限られた環境では伝聞等で本人の耳に入ることもあります。また、ハラスメント発言を放置すると職場に人権意識が低い雰囲気が蔓延してしまい、他のハラスメント等に繋がる危険性もあるでしょう。
性的指向や性自認を要因として、部署異動・転勤を命じるのはSOGIハラです。SOGIは千差万別です。相手の価値観を尊重しない行為は、ハラスメントの対象となります。
SOGIハラは、組織全体の将来に関わる影響を及ぼします。具体的には3点です。
SOGIハラは、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法 )違反です。パワハラ防止法の指針の中では、SOGIに触れられている部分が3か所あります。
また、「安全配慮義務違反」や「企業自体が他者の権利や利益を違法に侵害した場合の不法行為責任」などにもSOGIハラは抵触する可能性があります。
現在採択が進められている「LGBT法案」が成立すれば、当然同法違反にもあたることになるでしょう。(2023年6月13日現在)
法律に違反することで、企業は社会的信用を失い、また、被害者の尊厳を傷つける行為により裁判となった場合は、法律違反だけでなく、「訴えられている企業」というイメージが定着し、社会的信用が下がります。
SOGIハラが起きてしまった企業は、人権意識や多様性への理解が乏しい社風であると捉えられるでしょう。周囲からは「多様化に対応できない企業」というイメージが付きます。企業イメージの低下により、人材確保や従業員満足度、売上にも影響を及ぼすでしょう。
自分の性的指向・性自認に理解が得られなければ、職場の居心地が悪くなり退職を余儀なくされる可能性があります。また、SOGIハラが起きる職場では他のハラスメントも潜在的に発生しやすい環境の可能性が高いです。ハラスメントが多い企業となれば、優秀な人材が獲得できず、せっかく入社した社員もすぐ辞めるというように人材流出が続く悪循環となります。
企業にできるSOGIハラ防止策は、基本的には厚生労働省が推奨するパワハラ対策への取り組みと同様の施策で対応できるでしょう。なかでも重要な3点をご紹介します。
SOGIハラは、理解不足による何気ないひと言がハラスメントになる可能性を秘めています。そこで、SOGIハラについて社内研修をしましょう。
SOGIやLGBTQ+に対する基礎知識・考え方や、どういったことがSOGIハラにあたる可能性があるのかを教育するとともに、ロールプレイングなど、接し方についても意識できる研修を設けることで、より効果的なSOGIハラ対策となります。
SOGIハラ相談を受け付ける窓口も必要です。セカンドハラスメントへのケアも重要なため、対応者はSOGIの多様性に知識・理解のある人を任命しましょう。また、デリケートな問題・セカンドハラスメント対策・情報漏えい対策として、外部の相談窓口を設置するのもよいでしょう。
ポリシーとガイドラインの策定は、SOGIハラに対する組織の意識を明確に示す手段です。ポリシー・ガイドラインへ「SOGIハラを許さない」旨や、どんな性的指向・性自認であっても寄り添う姿勢を見せる「アライ(※)」を宣言するとよいでしょう。また、就業規則へハラスメントに対する処分内容を記載しておくと、より強固なハラスメント対策になります。
※「アライ」とは…英語の「同盟、支援」を意味する「ally」を語源とする言葉です。性的マイノリティの人達を理解し支援する人達のこと、またはその考え方を指します。
SOGIについて普段意識していないとしても、誰もが性に関する考えを持っているはずです。自分や身近な人にLGBTQ+の人がいないしても「自分には関係ない」「LGBTQ+に対して特段反対はしてないからハラスメントにあたらない」と考えるのではなく、社員・組織全体で当事者意識を持ってハラスメント対策に取り組むことが大切なのではないでしょうか。
アスマークの「CHeck」は、「自分ごと」の意識を持たせるハラスメント対策パッケージです。主な特徴2点をご紹介します。
ハラスメント対策の前に、SOGIに対する意識調査をしておくと、現状が把握できます。
「CHeck」のデフォルト設問は、12項目26問でコンプライアンスからハラスメントまで幅広い範囲を網羅しています。約10分で回答が終えられるので、社員全員の回答を集めやすく、高い精度のリサーチを実現します。
調査結果レポートは、グラフ・数値データを駆使した表示に加え、全体傾向コメント付きです。SOGIに対する考え方の傾向・組織の課題が見えるため、すぐに施策へ着手できます。
SOGIという言葉は知っていても、実際に対応するとなると、どのように接すればよいのか判断に迷うのではないでしょうか。そこで、「CHeck」では、専任講師によるLGBTQ+研修プログラムを用意しています。
LGBTQ+に関する知識の講義に加え、「ハラスメントの相談を受けたとき」や「カミングアウトされたとき」など、シチュエーションごとのワークを設けています。講義+ワークにより、研修直後から活用できる内容です。
SOGIハラ対策とは、多様性を認めることです。たとえ自分と指向が違うからと攻撃するのは間違っています。SOGIハラ対策を通して、社員全員が働きやすい職場環境について再確認してみてはいかがでしょうか。
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