偏見ハラスメントとは~無意識の思い込みを乗り越えよう

この記事を読む方の中には
「ハラスメント研修を実施していても、被害が減らない」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、偏見ハラスメントについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

偏見ハラスメントとは?

偏見ハラスメントとは、無意識のうちに持つ思い込みから起きるハラスメントのことです。ハラスメントの加害者は、無自覚に不快な思いをさせていることがあります。

血液型で性格を判断することや、最近の若者は仕事が長続きしないなど、無意識のうちに決めつけることもあるでしょう。無意識の偏見は、アンコンシャス・バイアスとも呼ばれます。

偏見ハラスメントが注目される背景

偏見ハラスメントが注目されるようになったのは、多様化が促進されているためです。近年の日本では、性別に左右されないキャリア形成やリモートワーク・時短などの多様な勤務でワークライフバランスの実現を目指しています。時代の流れとともに、価値観や考え方が変化しているため、これまでの経験をもとに判断すると合理的ではないケースもあるでしょう。

そのため、企業においてもアンコンシャス・バイアスによる影響を防止する取り組みが注目されるようになりました。

偏見による影響

無意識の偏見は、従業員個人にも組織へも悪い影響を与えます。個人・組織それぞれにご紹介します。

個人に与える影響

無意識の偏見による個人に与える影響は、主に3点です。

  • 人間関係の悪化
  • モチベーション低下
  • 成長機会の停滞

 

例えば「女性は結婚を機に退職するものだ」と言われたとしましょう。言った方は何気なく発した言葉かもしれません。しかし、受け手にとっては大きな出来事です。知らないうちに相手を傷つけて人間関係が悪化する恐れがあります。

無意識とは言え、ひどいことを言われると、モチベーションが低下します。モチベーションがないため、成長する機会を失うでしょう。

組織に与える影響

無意識な偏見が組織へ与える影響を6つ挙げます。

  • 公平性の疎外
  • 不適切な人材配置
  • ハラスメントの可能性
  • 生産性の低下
  • 離職率の悪化
  • 人材育成が困難になる

 

偏見がある人は、気付かぬうちに人をカテゴリに分けています。公平性がなくなり、不適切な人材配置やハラスメントを引き起こすでしょう。公平性が疎外された中で働き続けると、職場に不信感が募ります。そのような状態で仕事を進めると、生産性の低下や離職率の悪化、人材育成が困難となるでしょう。

職場で起こるアンコンシャス・バイアス

職場でよくあるアンコンシャス・バイアスは、次のような例です。

  • 上司は部下より仕事ができなければならない
  • 女性は気配り上手でサポート業務が適任
  • 育児休業を取得する男性は仕事のやる気がない
  • 出産を予定しているから責任のある業務を任せない

 

偏見の中でも、特に性別によって差別する発言をしてしまうとセクハラにあたる場合もあります。ほかにも、不用意な発言を繰り返すことが、パワハラ加害に該当するかもしれません。

アンコンシャス・バイアスは、年齢や役職、価値観など多岐に渡ります。過去の経験や周囲の人々から影響を受けて、自然に育まれるものです。そのため、自分では公平に接しているつもりでも、その場面になったら疑問に感じることなく偏った見方を続けるでしょう。

偏見ハラスメント対策

偏見をなくすことはできません。偏見をハラスメントへ発展させないために、自分が持つ偏見を把握することが大切です。

アンケートによる自己認識

アンケート調査は、客観的に自分を把握できるため、自分が持つ偏見の認識に効果的です。組織全体でアンケートを実施すれば、従業員が持つ価値観の傾向が把握できます。従業員の傾向から、組織全体の課題が見えてくるでしょう。

 

当社の「従業員アンケート」は、オーダーメイドで設問を設計するため、従業員が持つ価値観の傾向を把握することも可能です。

 

アンコンシャス・バイアス研修の実施

アンコンシャス・バイアスに対する研修も、ハラスメント対策に効果的です。研修を通して、自分の価値観を自覚し、異なる価値観の把握や受け入れ方を学びます。

価値観を自認し、他者を尊重する気持ちが芽生えれば、偏見ハラスメントを起こすリスクを下げることにつながります。

当社の研修サービス「CHeck研修」は、異なる価値観の受け入れ方が学べる研修です。アセスメントにより自分のリスクが把握できる「アセスメント研修」や、当事者講師による実体験を踏まえた「LGBTQ+研修」など、多彩なカリキュラムを用意しています。

誰もが持つ偏見を理解してハラスメントを防止しよう

偏見ハラスメントとは、思い込みを発端としたハラスメントのことです。加害者に自覚はありません。「女性はサポート役が適任」「男性は育休を取るべきではない」など、無意識に持っている価値観の違いによって発生します。

偏見ハラスメントは、時代の変化によって多様性が尊重されているため、注目されるようになりました。個人への影響は、人間関係の悪化やモチベーション低下です。組織へは、生産性の低下や離職率の悪化などの悪影響をおよぼします。

偏見は、自然に身についている価値観であるため、なくすことはできません。そこで、自分の価値観を把握し、他者を尊重する気持ちが芽生えれば、ハラスメント対策になります。価値観の把握と他者を尊重する気持ちの醸成には、アンケートや研修が効果的です。

 

自分では気付かないうちに「偏見ハラスメントを引き起こしていないか」をチェックするシートを配布しています。ハラスメントのセルフチェックにご活用ください。

 

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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