eNPSとは?高める方法やES(従業員満足度)との違いについて解説

この記事を読む方の中には

「eNPSとESの違いが分からない」「eNPSは何を見れば分かるの?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、eNPSを高める方法やESとの違いについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

eNPSとは?

eNPSは「Employee Net Promoter Score(エンプロイー ネット プロモーター スコア)」の略称で、自社で働く従業員のロイヤルティを数値化したものです。ロイヤルティとは、自社に対する愛着・信頼という意味です。

元々、アップル社が顧客向けに行っていたNPS調査を従業員向けに活用したことから始まり、現在では広く利用されるようになりました。調査は「自社を友人・家族へどれくらい薦めたいか?」という問いに対して数値で回答してもらい、データを集計します。

 

eNPSとES(従業員満足度)との違い

eNPSと似ている指標として「従業員満足度」があります。その違いは設問にあります。

従業員満足度は、ES(Employee Satisfaction)と呼ばれ「従業員自身の満足度」を測る指標です。調査項目は、福利厚生・職場環境・待遇・マネジメントなどがあります。

一方、eNPSは「家族・友人へ自社を薦めたいか」という設問です。この値が高いほど、自社への帰属意識や貢献意欲が高いと言えます。自社への貢献意欲が高ければ、自発的に業務へ取り組む従業員が増えるため、企業の業績や離職率と関連性が高いと言われています。

eNPSが高い企業のメリット

eNPSが高い企業は、業績に直結するメリットがあります。主に4つです。

  • 生産性向上
  • 離職率低下
  • リファラル採用促進
  • 顧客満足度向上

リファラル採用とは、社員からの紹介で採用を行う制度のことです。従業員の紹介によって採用を進めるため、採用広告・企業説明会など採用にかかるコストカットが見込めます。また、会社の内部について詳しく聞いてから応募するケースが多いため、入社前後のミスマッチが少なく、企業風土に合う人材が集まりやすい点もメリットです。

eNPSを高める方法とは?

eNPSを高めるには、ワークエンゲージメントを高める必要があります。ワークエンゲージメントにかかわる点は以下です。

従業員の個性を生かせる企業風土

従業員の個性を生かして働ける職場は、個人の尊厳・承認欲求が満たされます。承認欲求が満たされれば、主体的に行動する従業員が増えるため、日々の仕事が楽しくなるでしょう。

もし、失敗しても個人を責めるのではなく「どの点を改善すれば次に失敗しないか」という点に注目すれば、eNPSも高まります。

人事評価制度の見直し

日々の仕事が楽しくとも、人事評価制度を気にしない従業員はいません。公平に評価されている安心感が、eNPSを高めるポイントです。

また、給与に直結する評価だけではなく、サンクスカード・表彰制度など、組織に貢献している実感が得られる機会を増やすと、エンゲージメントが高まります。

充実したスキルアップチャンス

スキルアップできる環境は、仕事へのモチベーション向上に効果的です。全従業員にスキルアップの機会がある企業は、eNPSが高まります。

ですが、研修環境を準備するのは容易ではないでしょう。そのような場合は、外部研修を積極的に活用することをおすすめします。

コミュニケーション活性化

交流イベントや普段の声かけなど、まめな会話は、コミュニケーションを生みます。コミュニケーションが活発な職場は、協力して業務に取り組む姿勢や、信頼感が生まれるため、eNPSが高い傾向にあります。

また、役職・年齢などにかかわらず、相手を尊重する姿勢は大切です。お互いに尊重しあい、安心して仕事の相談ができる体制作りを目指しましょう。

eNPSの計算方法

eNPSでは「あなたは、現在の職場を友人・家族へ紹介したいと思いますか?」という質問に対し、0〜10の11段階で評価した数値を集計します。回答結果を「推奨者」「中立者」「批判者」へ分類し、推薦者の割合から批判者の割合を引いた値がeNPSです。

【eNPSの計算例】

  • 推薦者……9~10点をつけた人:63%
  • 中立者……7~8点をつけた人:14%
  • 批判者……6点以下をつけた人:23%

eNPSは、63% – 23% = 40 です。また、批判者の方が多い場合は、eNPSはマイナスになります。

界別のeNPS平均スコア

eNPSのスコアは、企業努力により変わります。ですが、業界ごとに傾向があるようです。そこで、2021年6月にアスマークで調査した業界別のeNPS平均スコアトップ10をご紹介します。

1位 鉄道・軌道・水運・航空業 -56.7

2位 通信・インターネット関連業 -60.9

3位 教育関連業 -61.4

4位 地方・国家公務、政治経済団体 -62.8

5位 電気・ガス・水道業 -64.8

6位 電気機械器具製造業 -66.9

7位 ソフトウェア・情報処理関連業 -67.1

8位 銀行業 -68.9

9位 化学工業(医薬品、石油製品など) -69.6

10位 土木・建築・建設関連業 -70.6

ランキング結果を見ると、上位は不景気による倒産などの心配がない安定した業界です。

 

 

eNPSの調査方法・導入方法

eNPS調査には、以下のステップが必要です。

  1. 1.調査方法などを検討:調査方法・調査期間・パッケージ導入ならパッケージ選定
  2. 2.追加設問作成:施策・課題に対する推奨度を測る項目など、追加設問を検討
  3. 3.調査実施:日付・時間別回答率などを確認しておくと次回へ生かせる
  4. 4.集計・分析:分析は、調査結果の集計以外に、経年比較などを含める
  5. 5.施策検討・実施:分析結果から施策を検討

分析結果から改善策を検討して調査が終わります。eNPS調査結果は、あくまでも調査時点の結果です。年に1度など定期的に実施することで、課題の改善状況が確認できます。

スマークの従業員満足度調査(ASQ)

eNPS調査を検討する企業におすすめなのが、アスマークの従業員満足度調査「ASQ」を活用したeNPS調査です。主な特徴は2点です。

全国1万人の有職者データを保有

ASQでは、全国1万人の有職者データをベンチマークとして保有しています。ベンチマークデータは毎年更新しているので、最新のベンチマークと自社の結果を比較し、自社の強み・弱みを見つけることができます。分析結果は、グラフやポートフォリオを使って、レポート出力されるので、強み・弱みがひとめで確認可能です。

オリジナル設問の追加が可能

ASQは、既定設問以外にオリジナル設問の追加も可能です。オリジナル設問では、自社で行っている改善施策の効果検証を行ったり、自社で課題となっている事項について規定設問より詳しく調査するなど、自社の状況に合わせたカスタマイズを行うことができます。

eNPSを測る調査を取り入れ、自社の生産性向上につなげましょう。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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