離職防止に効果的なアンケート調査とは?具体例を交えて解説

 

この記事を読む方の中には「離職者を減らしたいが、効果的な方法はないか?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、離職防止に効果的なアンケートについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

 

離職率の現状と企業における影響

厚生労働省が2023年10月に発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、大卒3年以内の離職率は32.3%でした。過去10年の推移を見ても、3割を超える人材が流出しており離職率の低下が多くの企業で課題であることがわかります。

 

離職率が高いまま対策をしないと、いずれ次のような影響がでてしまいかねません。

 

  • 慢性的な人材不足による業務効率の悪化
  • 採用・教育コストの負担が増加
  • 企業のノウハウが蓄積できない
  • 企業イメージの低下

 

慢性的な人材不足が続くと、既存社員の負担が増えるため効率的な業務ができず、ノウハウも蓄積できません。
また離職者が出るたびに採用・教育をしなおさなけれならなくなると、無駄なコストや負担が生まれ、人員が足らず入社した人へ十分なケアができず、また離職してしまうといった悪循環に陥る可能性があります。

 

離職者が多い企業は、何か問題があるのではないかといった不信感が生まれ、イメージの低下や求職者の減少を招いてしまうでしょう。
離職率が高くなればなるほど、既存社員への負担と影響が大きくなるため、
改善に向けた対応が不可欠です。

 

参考:厚生労働省_新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します

離職防止にアンケートが役立つ理由

離職防止を防ぐためにはまず、自社のどこに課題があるのかを把握する必要があります。
アンケートを活用すれば、従業員の離職の可能性や不満に感じる要因、改善すべき課題を素早く察知できるため離職防止策として非常に有効です。暗中模索するよりも改善アンケート結果を元に、自社にある課題に合わせた対策を講じることで、より効果的な離職防止につながるでしょう。

 

効果的なアンケートの設計と実施

効果的なアンケートの実施には、設問設計と実施方法にポイントがあります。
基本的なポイントをいくつかご紹介します。

アンケート作成のポイント

アンケートを実施しても、設問設計を失敗してしまうと知りたい情報が得られず意味がない結果になってしまう可能性があります。設問作成時は次のポイントに注意しましょう。

 

  • 課題や仮説に基づいた調査テーマを設定できているか
  • 誘導する設問になっていないか
  • 回答しやすい設問文になっているか

 

離職防止策としてアンケートをするにも、ハラスメントや会社の制度など離職要因として様々なものが考えられます。1つの設問にいくつもの要素を詰め込んでしまうと、回答者が設問の意図をつかめず適切な回答ができなかったり、真面目に回答する気力がなくなってしまう可能性があります。そうするとせっかく調査をしても本音を聞き出せなくなってしまい、正しい分析ができなくなってしまいます。そこで、1つの設問につき1つの内容と決めて設問設計を行うのが大切です。

また回答を誘導するような設問文や分かりにくい設問文にすると、アンケート結果から社員の本音が見えなくなってしまうため、わかりやすく誘導のない設問にすることを心がけましょう。

設問例

離職意向を把握するために使われるアンケートの設問例をいくつかご紹介します。

 

  • 顧客や社会に対して貢献していると感じる
  • 自分の考えを尊重されていると感じる
  • 仕事に価値ややりがいを感じる
  • 評価に納得感がある
  • コミュニケーションが活発な組織風土がある

 

性別・年齢・勤続年数・役職・所属などの基本情報を設問に含めると、基本情報と具体的な設問を組み合わせて属性ごとの分析に活用できます。
より具体的に離職要因が分析できるためおすすめです。

更に詳細な設問例や、アンケート作成のコツはこちらの資料もご参照ください。

 

社員の参加を促す方法

効果的な施策に落とし込むためには、従業員の意見を取り入れる必要があります。従業員の負担を減らし協力してもらえるように事前準備が大切です。
アンケートを実施することを事前に周知せず、十分な準備がないままに進めてしまうと、思うように回答の回収ができないといったことになりかねません。
従業員の協力を得られやすいよう、アンケートを依頼するときに次の項目に注意して連絡をするとよいでしょう。

 

  • メール・チャットの件名はシンプルかつ見落としづらいものにする
  • アンケートの目的と用途を共有する
  • およその回答時間と設問量を通知し、回答の負担を減らす
  • 具体的な期限を通知する
  • 回答期間は繁忙期などは避けて設定する

 

特に重要なのは、目的と用途を伝えることです。
アンケートの目的と用途を知らないと、本音を回答したら今後に影響がでてしまうのではと不安に感じ素直な意見を伝えるのもためらう方もいるでしょう。
しっかりと意図を伝えることで、安心して回答してもらえ、施策に落とし込む際にも有効な意見が出てくる可能性が上がります。

 

アンケート結果の分析と活用

アンケート調査をしても、分析と活用ができなければ、調査の意味がなくなってしまいます。そこで、調査結果を分析・活用するポイントをご紹介します。

データ分析のポイント

調査結果を分析するときは、次の2点に注意しましょう。

 

  • 課題や仮説に基づいた「軸」を決めてから分析する
  • むやみに細分化しない

 

設問設計のときにとり決めた課題や仮説を元に分析します。分析の時点で軸がずれると、効果的な結果が得られません。
また調査の一番の目的は、企業の施策に生かすことです。不用意に細分化すると、視点が狭くなってしまい、施策に落とし込むべき項目の見極めが難しくなったりと有効な調査結果が得られない恐れがあります。むやみに細分化しないように注意しましょう。

離職要因の把握

離職要因の把握には、はじめに取り決めた課題や仮説に基づく「軸」を意識することが重要です。満足度が低いもの、不満が生まれているのはどこなのかを見分け改善する必要があります。
しかし、分析の知見がない場合、施策に落とし込めるような「軸」を意識した分析をすることはとても難しいです。そこで、より効率的に離職要因を把握したいのであれば、調査・人材分野を専門とする第三者機関に依頼するのがおすすめです。

離職防止策の具体例

離職防止策として、有効な手段であるアンケートを実施した企業の課題とその後の対応についてご紹介します。
また、よくある離職要因ごとに効果的が見込める施策をいくつかご紹介します。

効果的な離職防止策の具体例

効果的な離職防止策は企業が抱える課題によって様々です。
従業員の悩みの種となりがちな「人間関係」「貢献実感の不足」「業務負荷」に有効な離職防止策をいくつかご紹介します。

 

  • 社内交流の場を設け、人材交流を活性化
  • サンクスカードを活用し、普段気づきにくい業務と感謝の気持ちを可視化
  • 会議のスリム化やアウトソーシングを活用し、業務時間の短縮を実現

 

自社における課題は何なのかを見極め、施策を実施することが大切です。
また離職防止策として講じた施策に効果はあったのか検証をするためにも、定期的にアンケートなどで社員の声を聞くことが大切です。

経年比較で改善状況を確認

一定期間ごとに同じ設問で調査を実施・分析することを、経年比較と言います。経年比較をすることで、改善状況や講じた施策に効果があったかを確認できます。
アンケート結果から、施策が効果的でなかったことがわかれば、より良い施策を検討することができます。経年比較したい項目については、毎年同じ設問をしなければ正しい結果が得られないため、最初の設問設計が重要と言えるでしょう。

効果的な調査の近道には「ASQ」がおすすめ

アンケート調査は、最初の設問設計が非常に重要です。アンケートの設計は難しく、よく考えずに設問設計してしまうと、目的に沿った効果的なアンケート結果を得られない可能性があります。
そこで、より有意義な調査をするためには、アンケートを専門とする第三者機関に依頼するのがおすすめです。

 

アスマークの「ASQ」は、20年以上の実績を持つ調査会社が提供する従業員満足度調査サービスです。

有職者1万人のベンチマークデータを保有しているため、アンケート結果とベンチマークを比較することで自社の強みや弱みを可視化することができます。

さらに、分析結果レポートには施策提言が付くため、すぐに改善へのアプローチが可能です。「アンケートを実施したはいいが活用できないのでは」と不安な方には、ぴったりのサービスになっています。

 

離職防止に有効な施策をするためには、まず社員の満足度や不満点を確認し施策に落とし込むと良いでしょう。
満足度確認のためには、従業員の本音を聞き出せる効果的なアンケート設計をすることが重要です。

 

効果的なアンケートをするために、調査実績のある第三者機関に相談しながら実施を検討してみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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