2024年9月19日、経済産業省からDX推進のために経営者が対応すべきことをまとめた「デジタルガバナンス・コード3.0」が公表されました。
この記事を読む方の中には 「人事担当者がDX推進にできることは何?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。そこで今回は、デジタルガバナンス・コードと人事担当者がDX推進に向けてできることについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
デジタルガバナンス・コードとは、経済産業省がDX推進のために経営者が行うべき対応をまとめたものです。
2020年11月に初版が発表され、2022年9月にデジタル人材の育成と確保の必要性を追加した「デジタルガバナンス・コード2.0」に改訂されました。
そして、2024年9月にDX推進によって企業価値が向上する点に焦点をあてた「デジタルガバナンス・コード3.0」が公表されています。
デジタルガバナンス・コード3.0では、3つの視点を持ちながら5つの柱に取り組むことが大切とされています。3つの視点と5つの柱をご紹介します。
3つの視点とは、以下です。
急速に発展するデジタル技術によって、経営環境は大きく変わりました。今後、市場競争に勝つためには、経営ビジョンとデジタル化は切り離せない存在です。経営ビジョンの中にDX戦略を盛り込み、具体的な行動計画とKPIを作成することが求められています。
「As is」は現在の姿、「To be」が理想像のことです。KPIを使ってDXへの課題を可視化し、理想と現在の差を把握しましょう。把握した差を元に、進めているDX戦略と経営ビジョンが関連しているかを継続的に見直すことが重要です。
企業文化は、誰かによって決められるものではありません。そこで、企業文化の理想像を念頭に置いたうえで、DX戦略を作成しましょう。
5つの柱は、柱となる考え方とDX認定制度の基準を記した「基本事項」と優良な事例を記した「望ましい方向性」の2項目から構成されています。本記事では、柱となる考え方と望ましい方向性の一部をご紹介します。
■柱となる考え方
「ビジネスモデルを実現するには、デジタル技術の進化による社会及び競争環境の変化が自社にもたらす影響を踏まえてDX戦略を策定すること」
■望ましい方向性
「自社の強みと弱みが明確化され、強みの強化と弱みを改善するためにDX戦略や施策が貢献している」「グローバル化に迅速な対応が可能な施策であること」など
■柱となる考え方
「ビジネスモデルの実現には、デジタル技術の進化による社会及び競争環境の変化も踏まえたDX戦略を策定すること」
■望ましい方向性
「経営者がデータをさまざまな部門で価値を生み出す重要な資産のひとつと認識していること」など
DX戦略は、3つに分かれています。
組織作りの考え方:
「DXに必要な体制構築だけでなく、外部組織との関係構築を含めて組織設計と運営方針を定める」
~望ましい方向性~
「DX推進へ向けて主体的に動けるよう、役割と権限を与える」など
人材の育成・確保の考え方:
「デジタル人材育成の方策を定める」
~望ましい方向性~
「経営者を含めた全社員のデジタルリテラシーを向上させるための教育プログラムがある」など
ITシステム・サイバーセキュリティの考え方:
「ITシステムの整備へ向けたプロジェクトや利用する技術の運用・投資計画を明確化し、経営者はセキュリティリスクへの対策を実施する」
~望ましい方向性~
「セキュリティリスクを評価するために第三者機関による監査を受ける」など
成果指標の設定とDX戦略の見直しには、基本の考え方が3点あります。
~望ましい方向性~
「KPIとKGIを連携させて財務成果をあげている」など
ステークホルダーとの対話に対する考え方:
戦略の推進に必要な方策と指標に基づく成果を適切なステークホルダーへ示す」「経営者は、ステークホルダーへの情報発信を含めてリーダーシップをとる」
~望ましい方向性~
「KPIとそれを達成するための取り組みを公式サイトに公開する」など
デジタルガバナンス・コード3.0の公表により、人事が関われる業務をご紹介します。
人事業務は、教育・採用・給与計算などの従業員管理が主な業務です。人事評価や雇用契約、勤怠管理など一定の基準を元に評価する業務は、RPA(Robotic Process Automation)ツールを使って自動化できます。
人事業務のDXにおすすめのツールと活用法をまとめた資料を配布しています。
組織全体のDX推進は、システムや総務部門が実施するのが一般的です。しかし、DX推進のために業務を見直すことによって、企業文化の改革に活用できるため、人事部門が率先してDXを推進することをおすすめします。
人事担当者は「経営ビジョンの実現に向けたビジネスモデルの発信」など、トップメッセージを従業員へ発信する機会を設けます。研修やイベントの開始時など、人事担当者の企画によってトップメッセージを浸透させましょう。
組織の体制構築にともなう人選は、人事担当者の業務です。DX推進やサイバーセキュリティに必要なスキルと見合う人材を選出します。また、部署別にシステム担当者を任命しておくと、システムの導入時や意見のヒアリングなど、現場とのスムーズな連携が実現します。
デジタル人材の育成と確保のために、人事担当者は研修と採用を実施します。高度なITスキルを持った人材を採用するのは難しいでしょう。そこで、社内のデジタルリテラシー向上と平行して採用活動を実施することをおすすめします。 研修は、レベル別に用意し、全社員が現在のレベルを上げるように取り組むことで、意識づけすることから始めるとよいでしょう。 デジタル人材を育成する方法をまとめた資料を配布しています。人材は、1日では育ちません。ステップを踏んで取り組むとよいでしょう。
評価指標の見直しは、DX戦略の達成度を人事評価へ反映する点が人事担当者の業務です。人事評価へ反映することで、DX戦略への意識づけにつながります。指標の作成には、現場の声を収集して評価基準を明確化すると、公平な基準の作成が可能です。
DXの取り組み事例をご紹介します。どの企業も、課題と目的を明確にしてからシステムを選定しているようです。
・多くの拠点で働く従業員の状況を把握するために「座席管理ツール」を導入(高砂熱学工業株式会社)
・デジタル技術を現場へ生かすために、業務とデジタルに精通した「ハイブリッド人材」を育成(ライオン株式会社)
・顧客のニーズをサービスへ反映するために「基幹システム」を入れ替え(株式会社錦水館)
デジタルガバナンス・コードとは、DX推進のために企業ができることをまとめたものです。最新版のデジタルガバナンス・コード3.0では、企業価値の向上に焦点をあてた内容に改訂されました。
DX推進へ向けて人事担当者ができることは、人事業務のシステム化や体制構築、デジタル人材の育成と確保など多岐にわたります。DX成功への近道は、課題と目的を明確にしてから導入するシステムを選定することです。
また、DX推進にともない生じがちなコミュニケーションの課題には、「座席管理ツール」を活用するのがおすすめです。
アスマークの「せきなび」は、顔と名前が分かる座席管理ツールです。カーソルをあわせるだけで顔写真とプロフィールが表示されます。プロフィールには、趣味や今週のひと言など、人柄があらわれる項目を設定できるため、声かけのきっかけになります。
テレワークでも出社でも、
在席管理ツールなら
テレワークや拠点の多い企業では、従業員同士のコミュニケーションが希薄になりがちです。コミュニケーションのきっかけ作りに座席管理ツールの導入もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G
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