マイクロアグレッションとは?身近な事例と対策を紹介

この記事を読む方の中には
「マイクロアグレッションという言葉を耳にするが、どういう意味?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、マイクロアグレッションについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

 

マイクロアグレッションとは

マイクロアグレッションとは、無意識の思い込みによって相手を傷つけることです。些細なことを意味する「マイクロ」と攻撃を意味する「アグレッション」をあわせています。1970年代にアメリカの精神医学者であるチェスター・ピアスが、アフリカ系の人種に対して差別的な言動をする様子から提唱しました。

その後、2000年代にコロンビア大学心理学教授のデラルド・ウィング・スーによって再定義され、様々な人種やLGBTをはじめとした性的少数者、障害者など、社会的に疎外されているといわれているあらゆる集団も対象とされました。

 

マイクロアグレッションの大きな特徴は、悪意がない点です。無意識の行動や良かれと思った発言が相手を傷つけ、差別と受け取られる可能性があります。

マイクロアグレッションと差別の違い

マイクロアグレッションは、差別の一種です。ただし、無意識か否かに違いがあります。

差別は明確な偏見や敵意によって攻撃することである一方、マイクロアグレッションは無意識な言動が相手を傷つけます。

マイクロアグレッションの例とバイアス

マイクロアグレッションは、加害者や周囲から見て気付かないことも多くあります。そこで、種類別の具体例とそこに隠されたバイアスを把握しましょう。

ジェンダー

ジェンダーは、性に関する攻撃です。次のような言動がマイクロアグレッションにあたります。

  • 無条件に「彼・彼女」という表現を使う
  • 注文されたビールを男性の前に運ぶ
  • 若い女の子は面倒だと考える

 

言動の根底には、無意識に定めた「女らしさ・男らしさ」があります。受け手によっては、プレッシャーを感じたり格差を感じたりするでしょう。

年齢

年齢については、次のような言動が見られます。

  • 高齢者はパソコンが苦手と決めつける
  • 「新入社員にしては意外とできる」と言う
  • 若い方に対して高圧的な態度を取る

 

「年齢の高い方がえらい」「年齢が高いと新しい知識を蓄えようとしない」という思い込みがマイクロアグレッションに繋がってしまう事例です。相手の能力は、年齢ではなく持っているスキルや人柄から判断すべきです。

人種

人種のマイクロアグレッションは、次のようなものがあります。

  • 外国人を避けて通る
  • アフリカ人だから足が速そうだと考える
  • 外国人やハーフの方へ「日本語がお上手ですね」と言う
  • 韓国人だから辛い食べ物を好むと考える

 

人種に関する隠れた偏見は、その国に対するイメージから出ています。しかし、アフリカの人口は約15億人です。15億人もいれば、足が速い方も遅い方もいるでしょう。国籍や人種でひとくくりにされることを不快に感じる方もいます。

身体的特徴や障害

身体的な特徴や障害のある方に対するマイクロアグレッションも、日常的に見受けられます。

  • 目が不自由な方に大声で話す
  • 身長が高いと「バスケットボールの経験がある?」と尋ねる
  • 「耳が不自由なのに勉強頑張ってるね」と声をかける
  • 大柄の方へ「それだけで足りるの?」と尋ねる

 

身体的特徴や障害へのアンコンシャスバイアスは、特別扱いしている点が特徴です。目が不自由なため、大声で分かりやすく伝えたり、話のきっかけを作ったりしています。しかし、特別扱いを「ほめ」や「話題作り」に使うと、相手によって不快に感じるケースがあることを知っておきましょう。

マイクロアグレッションは、無意識だからこそ加害者が気付きにくい点が特徴です。無意識にハラスメントの加害者になっていないか、定期チェックをしましょう。

 

マイクロアグレッションの影響

マイクロアグレッションは小さな攻撃だとしても、積み重なることで大きな影響をおよぼします。

被害者への影響は、自己肯定感の低下やストレス障害、不安や葛藤などの心身不調です。加害者は、噂話程度の小さな攻撃から批判や差別へ変わり、ひいては暴力行為へ変わる可能性があります。

マイクロアグレッションは、無意識の攻撃です。無意識に攻撃が少しずつ大きくなるため、人種差別や暴力行為の土台になっています。

 

企業においては、被害者の心身不調と加害者の攻撃が加わった状態になります。信頼関係や生産性の低下、ハラスメントを引き起こす可能性があるため、マイクロアグレッションが起きないよう啓蒙活動が必要です。

マイクロアグレッションが起きる原因

マイクロアグレッションが起きるのは、主に3つの思いからです。

  • 相手への気遣い
  • 表面的なイメージ
  • 相手への好奇心

「仲良くなりたいから相手の良いところを見つけてほめよう」と気遣いを見せると、受け手にとっては何度も言われている言葉だったことはないでしょうか。悪意がないだけに不快と伝えにくく、マイクロアグレッションへつながります。

 

外見など表面的なイメージにおいても、自分の印象を押し付けられていることを不快に感じるようです。また、人は見慣れない存在を見ると、好奇心がわきます。好奇の目で見られるうえに、好奇心から質問が増えて、受け手は「自分は何か変なのか?」「答えたくない質問をされる」と不快に感じるようです。

マイクロアグレッションの対策

マイクロアグレッションを防ぐためには、3つのステップを踏むとよいでしょう。

  • マイクロアグレッションを知る
  • 言動を見直す
  • 多くの人とかかわる

偏見をなくすことは難しいでしょう。しかし、偏見によって傷つく相手がいます。研修を開催して、マイクロアグレッションの例を少しでも多く知り「この発言で傷つく人がいる」ことを知りましょう。

 

次に、自分の言動を見直します。見直すポイントは次の4点です。

  • 思い込みで伝えていないか
  • 目の前の1人だけでなく多くの立場に立ったうえで誰かを見下していないか
  • 相手は自分と同じ立場と思っていないか
  • 話した結果、自分と受け手が満足するか

人は、簡単に変わらないでしょう。しかし、自問自答を繰り返すことで、広い視点で考えられるようになります。最後に、多くの人とかかわることです。人とかかわることで、多くの視点を知る機会になります。

 

マイクロアグレッションの対策は、ハラスメント防止策としてとても効果的です。改めてハラスメント防止策を見直してみましょう。

 

マイクロアグレッションを意識してハラスメントゼロを目指そう

マイクロアグレッションとは、無意識の思い込みからはじまる相手への攻撃です。意識的に攻撃する差別とは違い、無意識かつなにげない発言のため、受け手が不快に感じていることを表現できない点が特徴です。

マイクロアグレッションは小さな言動ですが、ひいては差別や批判、ハラスメントへつながる可能性を秘めています。マイクロアグレッションへの知識を増やしたうえで多くの人とかかわり、自分の言動を見直すことで、視野が広がります。視野を広げてマイクロアグレッション対策を取りましょう。

 

マイクロアグレッションへの理解を深めるためには、アスマークの「CHeck研修」がおすすめです。「CHeck研修」は、当事者意識を持たせるハラスメント対策サービスです。研修では、事前に受けるアセスメントテストの結果をフィードバックします。自分の隠れたリスクを知る機会になるため、事前の対策が可能です。

 

多くのハラスメント加害者は、自覚がありません。マイクロアグレッションからはじまるハラスメント対策として、アセスメント研修を活用してみてはいかがでしょうか。

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク マーケティング・CSチーム運営

Humap(ヒューマップ)編集局は、従業員1万人規模の独自調査や、CS活動を通じて寄せられる「現場のリアルな悩み」に基づき、ハラスメント・エンゲージメント・働き方改革といった組織課題解決のための知見を発信する専門組織です。
単なる用語の解説に留まらず「改善につなげる具体的な手法」や「取り組みのコツ」など明日から自社で活用できる、実践的なコンテンツを企画・制作しています。

【活動の実績】
ハラスメント・エンゲージメント・働き方改革に関する知見発信において、自社登壇セミナー開催数は累計320回、申込者数は23,000人を突破。関連資料の利用者は17,000人以上。(※2026年現在)

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受賞詳細:https://digi-mado.jp/success-story-award-2025/sekinavi/

【学術・教育支援】
大学等の教育機関へ1万人規模の実証データを提供し、PBL(課題解決型学習)教育の支援も行っています。
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000593.000018991.html

監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)
株式会社アスマーク マーケティング管轄 マネージャー

リサーチ業界およびマーケティング領域で10年以上のキャリアを持つスペシャリスト。従業員満足度調査「ASQ」のサービス立ち上げに参画し、業界比較分析も起案。人材コンサル会社と協力し「やりっぱなしで終わらせず、改善できるES調査」の開発を主導。

本記事の監修にあたって: 自身の豊富な実務経験に基づき、公開情報の正確性と、読者の皆様のビジネスに即した実用性を厳格に審査しています。

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