企業から見たハラスメントのリスク、具体例から効果的な対策を知る

この記事を読む方の中には

「ハラスメント対策をとっているが効果が分からず、いつハラスメントが起きてもおかしくない」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、企業から見たハラスメントのリスクと効果的な対策についてご紹介します。自社のハラスメント対策について見直しておきましょう。

ラスメントとは?

ハラスメントとは、広い意味で「嫌がらせ」「いじめ」のことで、人が嫌がる発言・行動により不快な思いをさせることを指します。具体的には、年齢・性別・国籍・身体的特徴などの属性や人格を否定する行為により相手に不快な思い・不利益な扱いをすることです。

ハラスメント行為は、被害者もしくは周囲の相談により発覚する場合が多いため、放置すれば顕在化し、悪化の一途をたどる可能性もあります。

業で起こる15個のハラスメントを解説

現代のハラスメント行為は細分化され、その種類は80以上とも言われています。中でも企業で起こりやすいハラスメントを15個ご紹介します。

仕事に関するハラスメント

仕事に関するハラスメントは、役職・スキルなどの優位性を使ったハラスメント行為があります。主なものは以下です。

  • パワーハラスメント(パワハラ)
    …上司から部下、先輩から後輩など立場の優位性を利用する行為
  • テクノロジーハラスメント(テクハラ)
    …ITが苦手なことを利用した嫌がらせ
  • リストラハラスメント(リスハラ)
    …配置転換などで退職へ追い込む行為
  • ズームハラスメント(ズムハラ)・リモートハラスメント(リモハラ)
    …オンライン上で起きるハラスメント
  • セカンドハラスメント(セカハラ)
    …ハラスメントを相談した後のバッシング行為など

性別・年齢などに関するハラスメント

性別・年齢などの優位性を使ったハラスメント行為も後を絶ちません。主な例は以下です。

  • ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
    …女性らしさ・男性らしさを強要する行為
  • セクシャルハラスメント(セクハラ)
    …相手が嫌がる性的発言・行為
  • マタニティハラスメント(マタハラ)
    …産休・育休を取得したことで嫌がらせを受ける
  • パタニティハラスメント(パタハラ)
    …男性が産休・育休を取得したことで受ける嫌がらせ
  • エイジハラスメント(エイハラ)
    …年代や世代を利用した差別行為

コミュニケーションに関するハラスメント

個人の趣向やコミュニケーションを取る上で起きるハラスメントがあります。主な例は以下です。

  • アルコールハラスメント(アルハラ)
    …飲酒にまつわる嫌がらせ
  • カラオケハラスメント(カラハラ)
    …カラオケが苦手な人に無理やり歌わせる行為
  • モラルハラスメント(モラハラ)
    …一方的な暴言や無視など倫理に反する行為
  • スメルハラスメント(スメハラ)
    …臭いで相手に不快な思いをさせる行為
  • ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
    …SNS上でいいね!を強要するなど

ラスメントの具体例

職場では、さまざまな価値観の人が働いています。自分が言われて平気なことも相手からすると不快に感じるかもしれません。そこで、職場で最も多いハラスメント行為「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」について、具体的な言動・行為をご紹介します。

パワハラの事例

パワハラは、職務上の立場の優位性を利用したハラスメント行為です。具体的には、以下のような行為があてはまります。

  • 「こんなこともできないのか」と部下を叱責
  • 他の従業員が見ている前で叱責
  • 会議中に挙手しても発言させない
  • 退勤時間直前に徹夜しても終わらない量の業務を与える
  • 相手の携帯電話を勝手に見る

 

セクハラの事例

以前は男性から女性に行われる行為がメインでしたが、近年では女性から男性へのセクハラも増えています。具体例は以下です。

  • 部下への性的な発言を繰り返す
  • 交際を断られたことを理由に配置転換した
  • 「早くこどもを産んだら」「まだ結婚しないのか」とった発言を執拗に繰り返す
  • 自分の性体験を職場で話す

マタハラの事例

働き方改革によりどのようなライフステージの人も働ける社会になりつつも、いまだ多くの事例があるのがマタハラです。近年では、男性の育休取得者も増えており「パタハラ」も横行しています。具体的な例は以下です。

  • 妊娠報告に「休まれると仕事が増える」と嫌みを言われる
  • 産休・育休取得を認めず、退職をせまる
  • 「出産したら家庭に入るべきだ」「男のくせに育休をとるのか」と価値観を押し付ける
  • 仕事の負担を減らした方がよいと思い、本人の意思に反し勝手に業務を減らす
    ※本人と相談の上、体調等に応じて業務軽減を行うのはマタハラにはあたりません。

どの行為も「相手が不快に思うか否か?」がポイントです。日ごろからコミュニケーションを活発に行っていると、減らせるハラスメントもあります。

ラスメントで企業が抱えるリスク

ハラスメント行為の被害者は、後遺症を抱えたり、最悪の場合は自殺をしたりなど、精神的被害を受けます。加害者が個人的に行った行為だとしても、職場で行われている場合は企業の雇用監督責任などリスクがあります。

そこで、企業が抱えるリスクを認識し、防止策をとりましょう。主なリスクは5つです。

  • 法的・賠償責任
  • ハラスメントから発生した病気による労災認定
  • 離職率の向上
  • 社内の人間関係低下による生産性ダウン
  • イメージダウン

1回のハラスメント行為により、5つすべてのリスクが発生する可能性を秘めており、ひいては会社の存続に関わる場合もあります。

果的なハラスメント対策

会社に多大な損失を与えかねない「ハラスメント行為」を防ぐため、どのような対策をとれば効果的なのでしょうか?効果的なハラスメント対策のポイントをご紹介します。

  • 経営者自らハラスメント研修を実施し、全社的に取り組む姿勢を全社員に徹底する
  • 禁止行為を具体的に記し、それに対する罰則を盛り込んだ規定を作成する
  • 従業員との労働契約の際、ハラスメント行為禁止の契約を結ぶ
  • 表情・態度を日々観察するなど、ハラスメント行為を見逃さない企業文化を作る
  • 事態把握のため、定期的にハラスメントチェックを行い、早期検知を心掛ける
  • 安心して相談できる場所(相談窓口など)を設置し、その利用方法を定期的に周知する
  • 誤解によるハラスメント行為防止のため、コミュニケーションを活発にとる

上記の項目は、日常的に行うことが効果的です。長く続けていれば「ハラスメントを許さない」企業文化として定着します。そして、さらにハラスメントが起きない職場になります。

効果的な対策に迷う場合は「CHeck」など現状分析から企業に合った対策を提案するサービスがあるので検討してみるとよいでしょう。

とめ

企業が抱えるハラスメントリスクと効果的な対策についてご紹介しました。ハラスメント行為は細分化され、分かりにくくなっています。

具体的な規定の設定や、誤解を生みにくい職場は、ハラスメント対策に効果的です。継続的に対策をとれば、企業文化として定着していき、ハラスメント撲滅につながります。

効果的な対策をとり、ハラスメント行為の起きない職場を作りましょう。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

「あなたの組織の従業員総活躍をサポートしたい」の理念のもと、在席管理、パワハラ防止法対策、ES調査、RPAなど組織の働き方改革を応援する6つのサービスをご提供しています。

humapの編集ポリシー

ハラスメントのグレーゾーン、パワハラの境界線を事例から解説

「ハラスメントにあたるかどうかの境界線がわからない」とお困りの担当者様へ。
ハラスメント行為のグレーゾーンと境界線についてご紹介。

> 詳しく見る

職場で起こるハラスメントの種類ー企業が取るべき対応と対策ー

「職場でハラスメント被害の通報を受けたが、判断が難しい」とお悩みの方へ。
ハラスメントの境界ラインと通報を受けたあとの対応についてご紹介します。

> 詳しく見る

おすすめ記事