従業員満足度を向上させる3つの施策!効果やメリットについても解説

業員満足度(ES)とは?

従業員満足度(Employee Satisfaction。略称ES)とは、社員の会社や組織に対する満足度を測定した指標のことです。給与・役職といった待遇面だけでなく、福利厚生・職場環境・働きがいなど、自社で働くことに対する社員自身の満足度を表しています。最近、従業員満足度を重視する企業が増えてきています。なぜなら、従業員満足度が高い職場は、社員の生産性や顧客対応へのモチベーションが高い傾向にあると言われているからです。そのため、経営指標として使用することも多く、働き方改革を実行するうえでも、重要な要素と言えます。

 

 

業員満足度の向上がもたらすメリット

従業員満足度の向上は、従業員だけはなく企業にもメリットがあります。主なメリットとして以下の3つがあげられます。

1.生産性の向上

従業員満足度が高い企業では、従業員のモチベーションが高いため、社員が前向きに業務に取り組む傾向が高いです。無駄を極力少なくして主体的な活動を行うため、生産性が高くなります。また、従業員満足度の高さは社員間の人間関係にも良い影響を与え、コミュニケーションが円滑に行われます。円滑なコミュニケーションは、「着実に仕事ができている(うまく回っている)」という実感を生み出すだけではなく、社員自身の自発的な成長意欲を促し、結果として生産性向上につながります。

2.離職率低下とコスト抑制

従業員満足度が高い企業では、社員が長期的に働き続けたいと感じる環境が整っているため、有能な人材の確保にもつながります。従業員満足度が高い企業は、より良い処遇・職場環境を求める求職者にとっても魅力的です。在籍している社員の満足度を高めることは、新たに優秀な人材を外部から確保することにもつながります。

採用活動や退職に伴う引継ぎ、新たに入社する社員の育成にはコストがかかります。しかし、離職率が低い(=人材が流出せずに保持できる)と、結果として人材確保のために発生するコストも抑えられます。

3.顧客満足度が向上する

従業員満足度が高い企業の社員は、自社商品・サービスをより深く理解するように努めるだけではなく、顧客に対して高い価値を届けられるように、それぞれの職務に応じて対応するようになります。その結果、顧客にも良い印象を与えるため、顧客満足度(Customer Satisfaction)が向上します。従業員満足度の向上は、長期的な視点でみると顧客満足度の向上にもつながります。

業員満足度を向上させるための具体策

従業員満足度を向上させるためには何をすればよいでしょうか?具体的にどんな施策を実施すればよいのかを3つあげたいと思います。

1.会社のビジョンや経営方針を社員と共有する

会社のビジョンや経営方針を立てていたとしても、それが社員に伝わっていなければ意味のないものです。自社の事業が社会に対してどのような意義があるのか、なぜ、この事業を行っているのかといったことに関して社員が腹落ちしていなければ、モチベーションの低下をまねくだけではなく、仕事に対するやりがいを見出せなくなってしまい、結果として従業員満足度は低下していきます。また、会社のビジョンや経営方針を伝えるだけではなく、各組織の役割やそこに属する社員の業務とどのように関係していくのかを経営陣や上長が示していけるとよいでしょう。担当業務を遂行することによって、自社の成長にも良い方向に影響があるという実感を持つことができれば、意欲も高まっていきます。

2.社員の意見を取り入れる

社員の意見を上層部が積極的に採用することも従業員満足度の向上につながります。もちろん、何でも受け入れればよいというものではありません。しかし、定期的に意識調査などを行って、その結果に基づいた施策を実施することや、個別面談で得た内容をもとに積極的に社員の考えを取り入れようとする姿勢を示し、具現化することは重要です。

3.職場環境を改善する

組織として問題を抱えている部分がある場合は、早急に改善していく必要があります。こういった待遇面における不満は従業員満足度にも大きく影響するからです。例えば、育児・介護に対するサポートとして時短勤務制度を整え、該当者がその制度を活用しやすくする、あるいは、テレワークが可能な業務については在宅勤務を認めたりすることで、社員に対して多様な働き方を提供することも改善策の一つです。また、非効率な業務が原因で残業時間が多い場合は、新たな人材の確保やシステム化などによる業務改善を図るといった対応を実施すべきでしょう。

とめ

労働力人口の減少に伴い、人手不足や生産性向上といった課題への対応が重要となってきます。その一方、従業員満足度が高い企業では、生産性向上や有能な人材の定着といったメリットを享受することができます。従業員満足度に関しては、定期的に従業員満足度調査「ASQなどを活用して状況を把握し、その結果に基づいた施策の実施が求められているのではないかと思います。

執筆者

アルドーニ株式会社

代表取締役 永見 昌彦

外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。

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従業員満足度を向上させるメリットと取り組み事例を解説

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