社内改善に効果的な退職面談の質問9選|本音を引き出すポイントも解説

この記事を読む方の中には
「部下の退職が多い。改善方法はないか」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、退職面談についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

退職面談とは

退職面談とは、退職者と人事または上司が行う面談です。
退職には、キャリアアップを理由とした前向きな理由と、人間関係など後ろ向きな理由があります。退職のきっかけとなる出来事や企業への不満を聞くことで、人事施策や職場環境の改善につなげることが可能です。

人事と上司が行う退職面談の違い

退職面談とは、「退職する」と決めた従業員と、人事担当者との間で持たれる面談のことです。 上司が行う面談と人事担当者が行う退職面談には4つの違いがあります。

  • 実施時期
  • 目的
  • 視点
  • 引き留めの有無

上司は、退職手続きの前段階に退職理由や退職までのスケジュールについて相談する面談です。退職理由が部署の人間関係や業務成績などと関係があるか否かを視点にヒアリングし、状況を見て引き留めを実施します。 人事担当者は、退職手続きを終えた後、本当の退職理由を聞くために面談を実施します。組織全体の施策やハラスメントの有無を意識してヒアリングし、引き留めは実施しません。

退職面談の流れ

退職面談は、次の流れで実施します。

  • 担当者の選定
  • チェックリストの作成
  • 関係者へのヒアリング
  • 退職面談
  • レポート化して共有
  • 課題の洗い出し

退職面談は、本音を聞く場所です。退職者が話しやすい環境と担当者を選定します。面談担当者が聞き漏れや不適切な質問がないよう、チェックリストを作成しておくと便利です。 また、退職理由がハラスメントや第三者が関わる場合は、関係者へヒアリングを実施します。面談後は、ヒアリング内容をまとめて課題を洗い出して終了です。 退職面談は、事後の活用が大切です。従業員データを活用する「ピープルアナリティクス」について、次の資料を配布しています。ぜひご参照ください。

 

退職面談の目的

退職面談の目的は、職場環境の改善と採用活動への活用です。退職理由の中には、福利厚生やテレワークがないためなど、職場環境を起因としたものがあるケースも多いです。そこで、面談で退職理由を聞いて環境の改善に活用するのです。 また、退職理由から自社の現状が見えるため、採用のミスマッチを防いだり、面談を通して良好な関係を築いてアルムナイ採用へつなげたりします。

退職面談で話すべき9つの項目

退職面談で話すべき項目を9つ紹介します。

①退職理由

退職理由は、職場環境を改善するために確認します。具体的な質問例は、次のとおりです。

  • 退職を考えるに至った出来事はあるか?
  • なぜ退職しようと思ったのか?
  • 会社のどこが違えば残る決断になるのか?

理由によっては伝えにくい内容のため、「今後の参考に、、」等枕詞を置き、話しやすい雰囲気を作ります。

②会社の良いところ

会社の良いところは、最も話しやすい質問です。次のように質問します。

  • 〇〇さんにとって会社の良いところはどこか?
  • やりがいのあった業務はどんな業務か?

会社の良いところは、会社への貢献を伝えるエピソードが聞ける項目です。良好な雰囲気が作れるため、答えにくい項目の前に会社の良いところを聞くとよいでしょう。

③会社の改善点

会社の改善点には、次のような質問があります。

  • 再度入社するならどこを改善してほしいか?
  • キャリアアップへのサポートはあったか?
  • (会社に対して不満に思うところで)改善できそうな点はあるか?

不満は、面と向かって伝えにくいものでしょう。そこで、不満・改善点・サポートなど、あらゆる観点から質問し、傾聴に注力するのが大切です。

④職場の人間関係

職場の人間関係に関する質問例は下記です。

  • 上司に認められたと感じる業務はあるか?

もし、ある場合は具体的な例を聞きます。上司との関係性や職場で達成感があった出来事を聞くことで、良好な人間関係が築けていたかを判断します。 人事担当者が質問するときは、上司の得意な業務を事前に聞いておくと、マネジメント能力の把握が可能です。

⑤会社のキャリアサポート体制

キャリアサポート体制の質問例は、次のとおりです。

  • どうしたら成長機会を得られると思うか?
  • より良いキャリア研修に必要なことは何か?

「キャリアが築けない」ことを理由に退職するケースが多くあります。研修をはじめとするキャリアサポート体制は、今後の従業員育成にとって重要な項目です。 従業員の不満要素は、日頃からチェックすることで離職を防止できます。日頃のチェックには、従業員満足度調査がおすすめです。
従業員満足度調査の一つに離職要因をランキング形式で見ることができる、アスマークの従業員満足度調査「ASQ」があります。従業員満足度調査のイメージを持てる「調査報告書サンプル」を無料で公開していますので参考にしてみてください。

 

⑥退職後の仕事

退職後の質問例は、次のとおりです。

  • 退職後に目指すキャリアはどのようなものか?
  • 転職先の決め手は何か?
  • 転職活動で求人を探す条件はあるか?

退職後のキャリアや求人の条件を聞くことで、退職者のニーズが把握できます。従業員のニーズを把握して離職対策への活用が可能です。

⑦退職理由や不満を解消すれば退職を考え直すか?

退職を引き止める場合の質問は、上司との面談時に聞く質問です。質問では「(退職理由)が改善されたら退職を考え直したか?」と聞きます。例えば、育児と仕事の両立ができない場合は「時短勤務を導入すれば退職を考え直すか?」と具体的に質問します。 この質問をするときは、無理に引き留めないことが大切です。人事担当者の面談では、既に退職手続きが完了しているため、引き留める質問はしません。

⑧退職スケジュール

退職スケジュールは、上司との面談で行う質問です。退職日や引き継ぎについて話し合います。質問例は次のとおりです。

  • 有給休暇が残り〇日あるが、退職日はいつにするか?
  • 引き継ぎ期間はどの程度を想定しているか?
  • 〇日頃から周知するか?

スケジュールの相談では、退職者のプライバシー保護を優先するのが大切です。

⑨アルムナイ採用についての説明

アルムナイ採用とは、一度退職した従業員を再雇用することです。アルムナイ採用について説明して再雇用をアピールします。退職者とのつながりを保ち、アルムナイ採用をスムーズに進めるためには、専用サイトの開設がおすすめです。

退職面談で本音を引き出すポイント

退職面談では、4つのポイントがあります。

  • 傾聴に徹する
  • ねぎらいの言葉をかける
  • 深掘りしすぎない
  • プライバシーを保護する

会社への思いが強いほど、不満を聞いたら反論したいと考えるでしょう。しかし、職場環境を整備するために実施する面談です。不満は改善点と捉えて傾聴に徹します。ねぎらいの言葉は、どんな状況の従業員にも必要です。事務的な質問ばかり列挙していては、会社への不信感を募らせます。 また、退職者から見れば、退職面談は気持ちの良いものではありません。スムーズに本音を聞き出すために、深掘りせずプライバシー保護を心がけましょう。

退職者の本音を聞いて社内改善を目指そう

退職面談は、退職者と上司または人事担当者が行う面談です。職場環境の改善と採用に活用するために行います。面談の前に準備するのが、担当者の選定とチェックリストの準備です。面談の後は、ヒアリング内容を取りまとめて職場環境の改善に役立てます。 面談で話すべきことは、退職理由や改善点、次のキャリアについてをはじめとする9項目です。退職者の本音を聞き出すためには、深掘りせずプライバシーに配慮しながら傾聴に徹します。 退職面談は、従業員の声を聞く大切な面談です。退職面談をスムーズに進められるよう、注意事項を取りまとめたチェックシートを配布しています。ぜひご活用ください。

 

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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