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この記事を読む方の中には「従業員満足度調査をしてみたけれど役に立たなかった」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。
そこで今回は、従業員満足度調査が失敗する原因と改善策についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
従業員満足度調査とは、従業員が所属組織に満足している度合を測る調査です。具体的には、以下のような項目を調査します。
従業員が組織をどう捉えているかを可視化することで、現在の企業価値や組織課題が見えてきます。
従業員満足度調査が重要とされるのは、以下の理由からです。
従業員にとって、1日の多くを過ごす場所が職場です。満足度が高くなければ、モチベーションの低下を招く恐れがあります。モチベーションの上がらない職場に長くいるのは難しく、離職へつながるかもしれません。
組織の成長には、従業員の力が不可欠です。モチベーションの高い従業員が生産性の高い仕事をこなすことで、組織は大きく成長します。そこで、従業員満足度調査によって、従業員が満足する要因および組織の課題を可視化し、モチベーション向上へ導くことが重要なのです。
従業員満足度調査が失敗するのは、主に3つの原因が考えられます。
それぞれ詳しくご紹介します。
調査結果を有効活用するためには、正確なデータが必須です。しかし、設問文が曖昧であると、人によって設問の意味の捉え方に差が生じてしまい、意味のない結果となってしまいます。例えば、以下のような設問が調査に入っていたとしましょう。
これらの質問は、悪い例です。
1つ目は、「会社の理念や目標を十分に理解しているか」という質問と「会社が提供するサービスに誇りを持っているか」という質問を一度にしています。目標は理解しているけれど誇りは持っていないというような場合、回答者はどう回答すべきか迷ってしまいます。経営陣としても、結果を見ても、目標の周知を行うべきか、誇りを持てるようなサービス改善を行うべきか、打つべき施策も分かりません。
2つ目は、「影響しますか?」という文言が曖昧です。人によっては、フルタイムで仕事をするのは難しいという意味で「はい」と答えるかもしれませんし、逆に子供のために稼ぎたいのでより仕事を頑張りたいという意味で「はい」と回答する人もいるかもしれません。この設問ではどう影響するのかが分からないので、適切な施策を検討するのはむずかしいでしょう。
最後の例では、「いいえ」とは答えにくいと感じるのではないでしょうか。組織にとって理想の回答を誘導する内容もアンケート調査に入れるべきではありません。また、設問文単体では問題なくとも、設問の順番次第で誘導的になったり、正直な回答がしにくくなる場合もあります。
たとえ従業員が本音の回答をしても、調査結果を施策に落とし込めなければ、回答の意義がなくなります。従業員からすれば、忙しい業務の間を縫って回答したのに、何にも活かされていないとなれば「何のための調査なのか」と、従業員満足度調査への参加意欲が薄れ、どうせ意味がないからと適当に回答する人も出てくるでしょう。
しかし、調査すること自体が目的となってしまい、具体的な施策検討を行っていない組織も少なからずあります。また、施策検討をする気はあっても、調査結果の数値だけ見て満足してしまい、それが何を意味するのか、従業員の本音から見える課題に気づけないことも多いのではないでしょうか。出た数値が良いのか悪いのか、どこを優先して改善すべきなのかを精査し、施策を検討していく必要があります。
また、自由記述の設問がある場合は、数値だけでなくコメントにもよく目を通すべきでしょう。コメントを書いてくれるのは意欲があり改善を期待してくれている従業員です。数値だけを見てそれらのコメントを無視しては、せっかくのやる気のある従業員の意見をないがしろにすることにもつながります。
従業員満足度調査は、従業員の本音を聞き、組織に反映させるために行う調査です。本音が聞けなければ、組織に反映する施策が的外れなものとなる可能性があります。氏名を記載する調査の場合「人事評価に影響したり社内の噂になったりする」と思い、本音で回答できないでしょう。
そこで、調査目的・回答の用途などを説明し、匿名で調査を行うことで、従業員の理解を得るのが大切です。
従業員満足度調査が失敗する原因に対する改善策をご紹介します。
はじめに、従業員満足度調査の企画設計を見直しましょう。以下の内容を明確化し、企画設計を行う必要があります。
調査の背景と目的は、特に見直すべき項目です。背景と目的が明確になることで、必要な設問が見えてきます。企画設計の段階で分析方法まで検討しておくと、設問の有用性が判断できるため、曖昧にならない設問が作れるでしょう。
また、施策検討のスケジュールも予め立てておくことで、調査しっぱなしになることを防げます。
とりあえず調査をするのではなく、背景から施策検討まで事前に計画を立てることが重要です。
調査結果を集計しても比較する基準がなければ、改善ポイントを絞りこむのは難しいでしょう。例えば、同業の平均値のようなベンチマークがあれば、自社の長所・短所がより明確になり、具体的な施策に落とし込むヒントになります。
ベンチマークの他にも、以下のようなデータとの比較も有用です。
匿名性のない調査を実施していた組織は、第三者機関に依頼するのがおすすめです。第三者機関が実施すれば、匿名性が保てるうえに、回答内容が組織内に広まる心配もなく、安心して回答することができるでしょう。
また、実績豊富な調査機関に依頼すれば、前述のような注意点も考慮した適切な調査設計や分析を行うことができ、結果の正確性もあがるでしょう。
適切な設問を設計するにも、設問結果をどのように分析するのかにも、専門的な知識と経験が必要です。専門的な知識を持つスタッフが組織内にいない場合は、調査の企画設計から施策の提言までトータルで対応できる外部専門家へ依頼することをおすすめします。
組織の状況から、外部専門家へ依頼するか内部で対応するか否かを見極めることが、従業員満足度調査が成功する秘訣と言えるでしょう。
アスマークの「ASQ」は、調査から調査結果の分析、施策提言までトータルで対応する従業員満足度サービスです。
従業員満足度調査は、組織がかかえる課題を見つけ出し、改善につなげることが目的です。「ASQ」では、従業員満足度調査をもとに組織の施策をつなげるためのサイクルを作り出します。サイクルとは、以下のような項目です。
従業員満足度調査のサイクルを作り出すことで、従業員の意識の変化や組織施策の実施状況が可視化できます。
なかでも、データ分析は「ASQ」オリジナルのロジックを使用した分析が特徴です。
分析結果は、グラフや色分けによってレポーティングし、簡単な施策提言も付いているため、具体的な施策の検討に役立ちます。
また、各社の課題に合わせた追加設問や、ご希望に応じてより詳しい調査分析とコンサルタントによる報告会なども対応可能です。
施策提言まで込みの
真に役立つES調査パッケージ
組織活性化・企業価値向上のために、従業員満足度調査を有効活用しましょう。
株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G
従業員満足度調査とは?
従業員満足度調査(ES調査「Employee Satisfaction Survey」)とは、従業員のモチベーションや意欲を図るために行うアンケート調査です。
従業員満足度(ES)は顧客満足度(CS)と非常に関連が強く、ESが高い企業は自ずとCSも高くなる傾向にあります。