無自覚なハラスメント加害者にどう対応する?原因と企業が取るべき防止策

この記事をご覧の方の中には、職場の人間関係のトラブルや、従業員のモチベーション低下に悩む人事担当者、管理職の方もいるのではないでしょうか。

近年、企業のコンプライアンス意識が高まり、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントへの対策も進んできました。

一方、見えやすい問題の陰で、行為者に相手を傷つける意図がなくても、結果として相手に精神的な負担を与えてしまうケースがあります。本人は、指導や気遣い、親しさの表現のつもりでも、受け手にとっては圧力や苦痛となることがあります。

こうした認識のズレによって生じるのが、無自覚なハラスメントです。 無自覚な言動は、行為者本人が問題に気づきにくく、受け手も「悪気はないから」と声を上げにくい点に難しさがあります。放置すれば、職場の信頼関係や従業員の働く意欲にも影響しかねません。

本記事では、無自覚なハラスメントが起こる原因や具体例、行為者への対応方法、企業が講じるべき防止策について解説します。

この記事のまとめ・概要

  • 無自覚なハラスメントとは?
    相手を傷つける悪意や意図がないにもかかわらず、結果として精神的・身体的な苦痛を与える行為です。本人は指導や親しさのつもりでも、認識のズレにより受け手に大きな圧力を与えてしまう点に特徴があります。
  • なぜ無自覚な加害者が生まれてしまうのか?
    世代や役職の違いによる価値観のズレや無意識の偏見、「業務上の指導だから正しい」という自己正当化が主な原因です。また、日頃のコミュニケーション不足も発信側の意図と受け手の解釈のズレを加速させます。
  • 職場で起きやすい具体例は?
    過度な叱責や時間外連絡などの「行き過ぎた指導(パワハラ)」、プライベートの詮索や外見への言及などの「不適切なコミュニケーション(セクハラ)」、属性に基づく無意識の偏見・差別発言(マイクロアグレッション)などがあります。
  • 無自覚な加害者へはどう対応すべき?
    感情的に責めるのではなく、日時や発言などの「客観的事実」をもとにフィードバックします。本人の言い分を傾聴しつつ、意図と結果のズレに気づかせた上で具体的に行動改善を促し、改善が見られない場合は厳正に対処することが大切です。
  • 企業が取るべき予防策は?
    一方的な講義ではなく当事者意識を高める研修の実施や、些細な違和感も汲み取れる相談体制の構築が重要です。アスマークの「CHeck」のような第三者機関による実態調査を活用し、職場に潜む潜在的リスクを可視化することも有効です。

無自覚なハラスメントとは?企業が見過ごせない理由

無自覚なハラスメントとは、相手を傷つける意図や悪意がないにもかかわらず、結果として精神的、身体的な苦痛を与えてしまう行為を指します。

働き方や価値観が多様化し、言動の受け止め方や許容できる範囲にも個人差が生じています。以前は職場の慣習として見過ごされていた発言や態度も、現在の職場ではハラスメントとして受け止められることがあります。

企業にとっては、無自覚なハラスメントは「個人間の小さな摩擦」として片付けられる問題ではありません。表面化しにくいまま職場内に蓄積し、休職や離職、組織への不信につながるおそれがあるためです。  

職場に潜む無自覚な加害者の実態とリスク

職場で意図的に嫌がらせをする人だけが、ハラスメントの行為者になるわけではありません。
真面目で仕事熱心な社員や、部下の成長を願う上司が、知らないうちに相手を追い詰めてしまうケースもあります。

無自覚な加害者は、「自分は正しいことをしている」「相手のために言っている」と考えていることが少なくありません。そのため、周囲から指摘されるまで、自分の振る舞いを見直す機会を持ちにくい傾向があります。

一方、被害を受けた側も、「上司に悪気はない」「指導の一環かもしれない」と考え、不快感や苦痛を一人で抱え込みやすくなります。相手との関係や職場での立場を気にして、相談をためらう人もいるでしょう。

この状態が続けば、心理的な負荷が高まり、体調不良や休職、退職につながるおそれがあります。さらに、周囲の従業員にも「この会社では声を上げても変わらない」という諦めが広がれば、組織全体の士気や信頼も損なわれます。

 

悪意なき言動が生産性や人材定着に与える影響

悪意のない言葉であっても、受け手の尊厳を傷つけたり、職場での居心地を悪化させたりすれば、業務への影響は避けられません。 無自覚なハラスメントが日常化した職場では、従業員は業務そのものではなく、「不快な言動をどう受け流すか」「波風を立てずに働くにはどうすればよいか」に神経を使うようになってしまいます。

その結果、仕事への集中力が低下し、率直な意見は出にくくなり、建設的な議論も生まれにくくなります。 心理的安全性の低さから、「ここでは安心して働くことができない」と感じた従業員が離職する場合もあります。
採用や教育にかけたコストが失われるだけでなく、残された従業員の業務負担も増加することで、そこから新たな不満や離職へと広がる可能性もあります。  

パワハラ・セクハラだけではない、見えにくい問題への警戒

職場で問題となる言動は、典型的なパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントだけではありません。育児や介護と仕事を両立する従業員への配慮を欠いた言動、性別役割分業の固定観念に基づく発言、血液型や出身地、国籍などに関する不用意な決めつけにも、相手を傷つけたり、疎外感を与えたりするリスクが潜んでいます。

こうした言動は日常の何気ないやり取りの中で生じやすく、明確な問題として扱われないまま、グレーゾーンとして見過ごされがちです。
しかし、多様な背景を持つ人材が働く職場では、小さな違和感の積み重ねが信頼関係を損ないます。企業には、重大なトラブルが起きてから対処するだけでなく、水面下にある違和感や不満、コミュニケーション上の問題を早めに拾い上げる仕組みが求められます。

 

無自覚なハラスメントが起こる原因とは?加害者の心理と背景

悪意がないのにハラスメントが起こる背景には、加害者と被害者の前提の違いがあります。

人は、自分が経験してきた環境や価値観をもとに物事を判断します。その「自分にとっての当たり前」が相手にも通用すると思い込むことが、問題のある言動につながる一因となります。
過去の経験や社会的なイメージによって作られた、自分自身では気づきにくい「無意識の偏見や思い込み」のことを「アンコンシャス・バイアス」と呼びます。
アンコンシャスバイアスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

参考:【コラム】アンコンシャス・バイアスとは?職場で起きる無意識の偏見と企業が取るべき対策

 

 

無自覚なハラスメントを防ぐには、行為者個人の性格だけに原因を求めるのではなく、無自覚な加害者を生む心理や組織の構造を理解する必要があります。

比較項目 自覚的なハラスメント 無自覚なハラスメント
加害者の意図 相手を傷つけたり、不利益を与えたりする明確な悪意がある 悪意はなく、親切心や指導のつもりである場合が多い
加害者の自己認識 悪いことをしている、または問題のある行為だと認識している 正しい行動、正当な振る舞いであると信じている
被害者の反応 反発や怒りを感じ、周囲に訴えやすい 「悪気はないから」と我慢し、一人で抱え込みやすい
解決へのハードル 規定に基づく処分など、対処の方向性を定めやすい 本人に問題を認識させ、行動の改善を促す必要がある

 

 

世代や役職の違いによる価値観のズレ

企業には、バブル期に入社した世代からZ世代と呼ばれる若手層まで、異なる時代を経験してきた多様な従業員がいます。受けてきた教育や社会情勢、働く環境が違えば、仕事に対する価値観やコミュニケーションの取り方に差が生じるのは自然なことです。

かつては、上司の指示に従うことや、長時間の労働で成果を出すことが評価される職場もありました。その環境で成果を上げてきた管理職は、無意識のうちに同じ働き方や価値観を部下にも求めがちです。

一方、ワークライフバランスや個人の権利を尊重する従業員にとっては、そうした要求が強い圧力に感じられるかもしれません。同じ世代であっても、仕事観や望ましいコミュニケーションのあり方が異なる場合もあります。

また、役職や立場の違いも、言葉の受け止め方に影響します。上司にとっては軽い助言や提案のつもりでも、部下にとっては逆らいにくい命令として伝わることがあります。 発言者が想定している影響力と、受け手が感じる圧力の差を認識できていないことが、無自覚なハラスメントにつながる一因となります。  

無意識の偏見と「指導だから」という自己正当化

人は誰でも、過去の経験や社会的な刷り込みによって生じた無意識の偏見や思い込みを持っています。

「男性は弱音を吐くべきではない」「女性は細かい気配りが得意だ」「若者は苦労して成長するべきだ」といった固定観念は、本人が気づかないうちに言葉や態度に表れることがあります。

さらに問題を複雑にするのが、「業務上の指導だから問題ない」という自己正当化です。部下を成長させたいという思いが強いほど、言葉が厳しくなり、要求も過度になりやすくなります。 「自分が若い頃はもっと厳しく指導された」「これくらい耐えられなければ一人前になれない」といった過去の基準を、現在の部下にも当てはめてしまうのです。
本人はよかれと思っているため、外部から指摘されても受け入れにくいことがあります。「部下のためにやったのに、なぜ責められるのか」という反発が生まれ、改善の入り口に立てないこともあります。

 

 

コミュニケーション不足による認識のズレ

リモートワークの導入や業務効率化により、雑談や対面で話す機会が減った職場もあります。業務連絡だけのやり取りが続けば、相手の性格や体調、家庭の事情、抱えている負荷などを知る機会も少なくなります。

信頼関係が十分に築かれていない状態では、少し強い言葉や配慮に欠ける発言が、意図以上に厳しく受け取られることがあります。普段から対話を重ねている上司からの指摘であれば、その意図や背景を理解できることもあるでしょう。
しかし、ほとんど会話のない上司から同じ言葉を投げかけられれば、自分を否定されたと感じやすくなります。   相手の状況を想像するための情報が不足すると、発信側の意図と受け手の解釈にズレが生じやすくなります。日常的なコミュニケーション不足は、そのズレに気づき、修正する機会を失わせます。  

無自覚な言動が引き起こすハラスメントの具体例

無自覚な加害者は、自分の言動のどこに問題があるのかを理解していないことがあります。日々の業務の中で何気なく行われる言動は、本人が問題だと認識しにくい場合があります。

ここでは、代表的なパターンを確認します。どのような言動が相手の負担になるのかを知ることが、予防の第一歩になります。  

熱心な指導のつもりがパワハラにつながるケース

たとえば、会議の場で資料の不備を見つけたとき、修正すべき点を具体的に伝えるのではなく、「なぜこんな簡単なこともできないのか」「給料泥棒と同じだ」「小学生からやり直せ」といった人格を否定する言葉を使ってしまうケースがあります。

上司本人は、厳しく叱咤して奮起を促しているつもりかもしれません。しかし、他の従業員がいる場で強く叱責すれば、部下に強い屈辱感や恐怖を与える可能性があります。

また、必要性や緊急性がないにもかかわらず、業務時間外に長文の指摘メールを送る、達成困難なノルマを一方的に課して「気合で乗り切れ」と迫るといった行為も、熱心な指導の形をとりながら、実際には相手を追い詰めることがあります。
こうした言動が続けば、部下の自己肯定感は削られ、失敗を恐れて萎縮するようになります。その結果、部下の能力を引き出すどころか、業務の質やパフォーマンスを低下させることになります。  

親しさの表現がセクハラにつながるケース

職場の雰囲気を和ませるための冗談や、親しみを込めた会話のつもりでも、受け手にとって不快な発言になることがあります。

年齢や外見への不要な言及、恋人や結婚に関する詮索、体型の変化を話題にする発言などは、その典型です。

発言者は、「気さくに話しかけているだけ」「コミュニケーションの一環」と考えているかもしれません。しかし、受け手は私生活に踏み込まれたことに不快感を覚えたり、性的な嫌悪感を抱いたりする可能性があります。飲み会で特定の性別の従業員にお酌を求める、不必要に身体へ触れるといった行為も同様です。
行為者に性的な意図がなかったとしても、性的な言動によって就業環境が害されれば、ハラスメントとして問題になる場合があります。「昔の職場では当たり前だった」「今まで問題になったことはない」という認識があったとしても、現在の職場でその言動が許容される理由にはなりません。  

些細な言動で相手を傷つけるマイクロアグレッション

無自覚なハラスメントとして、近年注目されている概念の一つが、マイクロアグレッションです。

マイクロアグレッションは、人種や国籍、性別などの属性に対する偏見や固定観念を背景に、日常の中で発せられる否定的、侮辱的なメッセージを指します。行為者が差別的な意図を自覚していない場合や、一見すると悪意のない褒め言葉のように聞こえる場合もあるため、問題が表面化しにくいという特徴があります。 たとえば、次のような言動が挙げられます。

  • 性別に基づく決めつけ
    ・女性社員が作成した資料を、「女性ならではの細やかな気配りがある」と評価する
    ・男性社員に対して、「男なのに力仕事が苦手なのか」とからかう
  • 出身地や国籍への偏見
    ・地方出身者に対して、「都会のスピード感にはまだ慣れないだろう」と見下す
    ・外国籍の社員に対して、本人の背景や経験を知らずに「日本語が上手ですね」と過剰に驚き、外国人であることを必要以上に特別視する
  • 家族構成や属性への言及
    ・独身の社員に対して、「身軽だから残業できるだろう」と考え、本人の事情を確認せずに業務を割り振る

一つひとつの言動は小さく見えても、繰り返し受けることで相手の心には傷が残ります。 「自分はこの組織に受け入れられていない」「一人の人間ではなく、属性だけで判断されている」「正当に評価されていない」といった疎外感が強まれば、職場への信頼や働く意欲も低下していきます。  

無自覚なハラスメント加害者への適切な対応ステップ

加害者に悪意がない場合、処分や注意を行うだけでは、自分の言動の何が問題だったのかを理解できず、問題が解決しにくいことがあります。   本人が自分の言動を認識し、行動を変えるための働きかけが必要です。企業は被害を受けた従業員への配慮を優先しながら、加害者に気づきを促し、再発を防ぐための段階的な対応を進めます。

対応プロセス 推奨される行動・アプローチ 避けるべき行動・アプローチ
事実の確認 相談者、行為者、関係者への聞き取りを通じて、事実関係を確認する 申告内容を軽視する、または被害者の訴えだけで一方的に断定する
フィードバック 日時、場所、発言内容などを具体的に伝える 「性格が悪い」「パワハラ気質だ」など、人格を否定する
本人の言い分 なぜその行動をとったのか、背景や意図を確認し、説明を聴く 本人の説明を途中で遮り、すべてを言い訳として扱う
今後の改善策 組織として許容されない言動を明確にし、具体的な改善行動を示す 「とにかく態度を改めるように」と抽象的に命じて終わらせる
フォローアップ 一定期間、本人の行動の変化や職場への影響を確認する 一度注意しただけで対応を終了する

※事実確認にあたっては、相談者、行為者、関係者のプライバシーを保護し、相談や調査への協力を理由とした不利益な取り扱いを防がなければなりません。

 

客観的な事実に基づいてフィードバックする

無自覚な加害者に問題を伝える際は、感情的な非難や曖昧な指摘を避けたほうがよいでしょう。

「あなたの態度はハラスメントだ」「皆が迷惑している」といった漠然とした批判では、何を改善すればよいのか分からず、「不当に責められている」と感じる可能性があります。
面談では、客観的な事実をもとに話を進めます。 たとえば、「何月何日の会議で、部下に対して『小学生からやり直せ』と発言したことが確認されている」「深夜二時に業務指示のメールを送った記録がある」といったように、日時や場所、具体的な行動を示します。

そのうえで、その言動が就業規則や社内の行動規範に反するのか、組織としてなぜ問題視しているのかを説明します。
事実をベースに、改善すべき行動に焦点を当てることで、本人も自分の行動と向き合いやすくなります。  

傾聴と対話によるアプローチ

事実を伝えた後は、一方的な説教で終わらせず、本人がなぜその行動をとったのかを聞き取ります。

「部下を早く一人前にしたかった」「場を盛り上げようと思った」といった本人の意図を確認し、まずは最後まで説明を聴きましょう。
本人の言い分を聴くことは、不適切な言動を容認したり、責任を免除したりすることではありません。行動の背景を把握し、再発を防ぐために必要な過程です。そのうえで、本人の意図と、受け手に生じた結果のズレを示します。

たとえば、「成長を促したいという意図は理解できます。ただ、こうした強い言葉は相手を萎縮させ、成長意欲を奪っています。これは目的とは逆の結果になっていませんか」と問いかけることで、本人が別の視点から自分の行動を見直すきっかけになります。
自分では正しいと思っていた行動が、相手にはどのように伝わっていたのか。その違いを認識することが、行動変容への入り口となります。  

改善状況を確認し、必要に応じて厳正に対処する

対話やフィードバックを行った後は、具体的な改善目標を設定し、一定期間、行動の変化を確認します。

たとえば、「他の従業員がいる場で叱責しない」「人格ではなく業務上の行動について指摘する」「業務時間外の連絡ルールを守る」など、本人が実践できる行動に落とし込みます。
ただし、長年の価値観や行動の癖は、一度の指導だけでは変わらないこともあります。注意された直後は改善しても、時間が経つと元に戻るケースもあるため、人事部門や上司による継続的な面談や研修が有効です。

一方、指導や研修を繰り返しても改善が見られない場合や、報復的な言動や周囲への攻撃的な態度が続く場合には、被害の拡大を防ぐための判断が必要となります。   行為者に悪意があるかどうかにかかわらず、職場環境が害されている状態を放置することはできません。

企業は事実関係や行為の程度、過去の指導歴などを踏まえ、就業規則と法令に基づいて、配置上の措置や懲戒を含む対応を慎重に検討します。
企業としてハラスメントを許さない姿勢を示し、行為者への対応を曖昧にしないことは、相談者だけでなく、他の従業員にとっても、安心して働ける職場を守るメッセージになります。  

企業が取るべき無自覚なハラスメントの防止策

ハラスメントが発生した際の対応の仕組みを整えることは欠かせません。同時に、問題が深刻化する前に兆候を捉え、ハラスメントを未然に防げる職場をつくることも大切です。

無自覚なハラスメントは、個人の価値観やコミュニケーションの癖だけでなく、それを指摘しにくい職場の空気や、不適切な指導を黙認する組織風土からも生じます。
企業には、相談窓口や対応手順を整えるとともに、従業員同士が互いの違いを尊重でき、安心して能力を発揮できる職場環境を整えることが求められます。

また、従業員一人ひとりが、自分も無自覚な加害者になる可能性があると理解するための教育も欠かせません。法律やハラスメントの定義を一方的に説明するだけの研修では、自らの言動を問題だと認識していない従業員には十分に響かない可能性があります。
「自分には関係ない話」と受け流されれば、行動の見直しにつながらないだけでなく、研修にかけた時間やコストも十分に活かせません。
具体的な事例やケーススタディ、自己診断、対話型のワークなどを取り入れ、参加者が自分の言動を振り返り、明日からの行動を変えられるような内容にすることが求められます。

しかしながら、無自覚なハラスメントの原因や対策を理解したうえで、自社に潜むリスクを把握し、その結果に合わせて研修を設計するのは容易ではありません。社内では本音が出にくく、人事部門が把握していない部署の問題や、管理職による無自覚な圧力が見過ごされていることもあるでしょう。
こうした場合には、第三者による実態調査と、調査結果を踏まえたハラスメント研修を組み合わせる方法があります。

アスマークの「CHeck」は、コンプライアンスやハラスメントに関する実態調査を行う「CHeckリサーチ」と、従業員や管理職の理解の促進と行動変容を支援する「CHeck研修」を提供しています。

調査と研修を組み合わせ、組織に潜むリスクを可視化する

「CHeckリサーチ」は、リサーチ事業で培った調査設計や分析のノウハウを活かし、社内では表に出にくい従業員の本音を引き出します。これにより、コンプライアンスやハラスメントに関する組織の現状を客観的に捉えることが可能です。   自社のみでアンケートを実施する場合、回答者が特定されることへの不安から、無難な回答にとどまることがあります。第三者機関が調査を実施することで、従業員が率直に回答しやすい環境を整えられます。

  • 第三者機関としての信頼性:
    回答者の不安を抑え、従業員が実態を答えやすい環境を整える
  • 組織の実態を把握する調査設計:
    ハラスメントの被害状況や、見聞きした事象、職場環境などを確認する
  • 多角的な分析指標による評価:
    事象の有無だけでなく、部署ごとの風通しやマネジメント層の傾向を分析する
  • 潜在的リスクの可視化:
    表面化していない言動や、コミュニケーション不全、マネジメント上の問題の兆候を捉える

これにより、経営層や人事部門が把握できていなかった部署の閉塞感や、特定の管理職による無自覚な圧力を、客観的なデータを通じて確認しやすくなります。

調査結果から課題が明らかになった後は、組織や対象者に合わせた研修へとつなげることができます。

 

さらに、「CHeck研修」では、自身が持つハラスメントリスクを可視化できる事前のアセスメントを用いた研修を提供しています。自身の性格傾向と向き合い、今後の部下との接し方・コミュニケーションにおける注意点を学ぶことで自分事化を促進できます。

また弁護士や社会保険労務士などの多彩な講師と連携しており、専門知識を活かした研修項目が豊富です。ハラスメントそのものの研修に限らず、ハラスメント予防に役立つコミュニケーションやマネジメントスキルに関する内容も盛り込むことが可能です。

調査結果を踏まえて研修内容を設計すれば、自社で起きている課題と結びつけながら、参加者の当事者意識を高められます。

さいごに

無自覚なハラスメントは、見えにくいからこそ放置されやすく、気づいたときには職場の信頼関係を大きく損なっていることがあります。加害者への働きかけや組織風土の見直しは、一度の注意や研修だけで完了するものではありません。

従業員の声を拾い、事実を確認しながら、継続的に改善していく姿勢が必要です。自社の現状に不安がある場合は、「CHeck」のような専門サービスも活用しながら、組織の実態を把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク マーケティング・CSチーム運営

Humap(ヒューマップ)編集局は、従業員1万人規模の独自調査や、CS活動を通じて寄せられる「現場のリアルな悩み」に基づき、ハラスメント・エンゲージメント・働き方改革といった組織課題解決のための知見を発信する専門組織です。
単なる用語の解説に留まらず「改善につなげる具体的な手法」や「取り組みのコツ」など明日から自社で活用できる、実践的なコンテンツを企画・制作しています。

【活動の実績】
ハラスメント・エンゲージメント・働き方改革に関する知見発信において、自社登壇セミナー開催数は累計320回、申込者数は23,000人を突破。関連資料の利用者は17,000人以上。(※2026年現在)

【受賞歴・社会活動】
・SUCCESS STORY AWARD 2025 アワード受賞(座席管理ツール「せきなび」) 受賞詳細:https://digi-mado.jp/success-story-award-2025/sekinavi/

【学術・教育支援】
大学等の教育機関へ1万人規模の実証データを提供し、PBL(課題解決型学習)教育の支援も行っています。
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000593.000018991.html

監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)
株式会社アスマーク マーケティング管轄 マネージャー

リサーチ業界およびマーケティング領域で10年以上のキャリアを持つスペシャリスト。従業員満足度調査「ASQ」のサービス立ち上げに参画し、業界比較分析も起案。人材コンサル会社と協力し「やりっぱなしで終わらせず、改善できるES調査」の開発を主導。

本記事の監修にあたって: 自身の豊富な実務経験に基づき、公開情報の正確性と、読者の皆様のビジネスに即した実用性を厳格に審査しています。

Humapの編集ポリシー

偏見ハラスメントとは~無意識の思い込みを乗り越えよう

無意識のうちに持つ思い込みから起こる、偏見ハラスメントについて解説しています。

ハラスメント研修の費用相場と正しい選び方|形式別の料金目安とコスト最適化のポイント

ハラスメント研修の実施を考えている方へ。自社に最適な研修の導入・運用へ向けたヒントを解説

おすすめ記事