アジャイル型雇用は人事評価制度の構築が難しい?導入のポイントを解説

この記事を読む方の中には

「アジャイル型雇用をスムーズに導入したいが、どうしたらよいか分からない」とお悩みの人事の方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、アジャイル型雇用のメリット・デメリットと導入のポイントについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

アジャイル型雇用とは?

アジャイル型雇用とは、機動性のある組織でプロジェクトごとにチームを組んで業務に当たるような雇用を指しています。ソフトウエア開発の現場で使用されている「アジャイル開発」が語源です。

アジャイル型雇用においては、さまざまな職種・バックグラウンドの人材が集まっていて、プロジェクトが発生するごとに課題に応じたプロジェクトチームを結成します。計画性ではなく、その場の状況に臨機応変に対応する柔軟性を重視するため、完成度が不十分であっても、まずは試験的に市場に送り出します。市場に出た後に明らかになったミスはすぐさま修正するなど、市場の意見を迅速に取り入れるのが特徴です。

プロジェクトメンバーの一定の専門性は確保しつつ、企業の急速な変化にも対応できるのが、アジャイル型雇用の特徴です。

 

 

メンバーシップ型雇用、ジョブ型雇用との違い

アジャイル型雇用と対比する用語として「メンバーシップ型雇用」「ジョブ型雇用」があります。

メンバーシップ型雇用は、いわゆる年功序列型の終身雇用を前提とした雇用のことです。業務内容や勤務地などを限定せず、雇用契約を結びます。多くの日本企業で行われてきている雇用方式です。

一方、ジョブ型雇用とは、業務内容や勤務地などの勤務条件を明確に定めて雇用します。雇用契約の範囲内で限定的に働くので、専門性を重視した欧米式の雇用方式といえるでしょう。

アジャイル型雇用のメリット・デメリット

アジャイル型雇用の特徴から見られるメリット・デメリットについてご紹介します。

メリット

アジャイル型雇用のメリットは以下の4点が考えられます。

  • 生産性の向上が見込める
  • 柔軟な対応ができるため顧客満足度向上が見込める
  • 従業員の主体性が養える
  • 従業員のモチベーションの向上が見込める

 

アジャイル型雇用は、計画性を重視するのではなく、柔軟に対応するのが特徴です。変化やトラブルを受け入れながらスピーディーに対応するため、生産性や顧客満足度の向上が見込めます。また、従業員にとっても主体性が養えるため、企業・従業員の双方にメリットがあります。

デメリット

アジャイル型雇用のデメリットは以下の4点が考えられます。

  • 全体のタスク管理が複雑でチーム内の状況把握が難しい
  • 日本企業ではなじみが薄く、適応しにくい
  • 経験の少ない従業員が活躍しにくい
  • 従業員教育がしにくい

 

アジャイル型雇用最大のデメリットは、経験の少ない従業員が活躍しにくい点です。従業員が育たない環境は、長期的な目線で考えると不安が残ります。アジャイル型雇用を検討する場合は、デメリットをカバーする取り組みが必要です。

 

 

アジャイル型雇用の課題4選

アジャイル型雇用へ移行した場合に起こりうる課題は主に4点あります。特に、企業風土の変革・人事制度がポイントです。

チャレンジを支援する環境づくり

アジャイル型雇用においては、柔軟性・機動力が重視され、さまざまなシーンでスピーディーな対応が望まれます。従業員の裁量で業務を進めることも多く、そのような場合に失敗する可能性を鑑み、軌道修正および当該従業員教育へつなげる環境づくりが重要です。

失敗を恐れず作業が進められる環境を整えることで、従業員の主体性はより育成されることになるでしょう。

企業理念の浸透

アジャイル型雇用は、チームごとに権限が与えられているため、企業全体を通して見ると一貫性のないプロジェクトになる可能性があります。しかし企業理念を浸透させることで、全体としての一貫性を保てるようになるでしょう。

人材育成

アジャイル型雇用の現場では、専門性を持ったメンバーとバックグラウンドメンバーが一つのプロジェクトチームを組みます。プロジェクトに与えられた課題をそれぞれのチームメンバーで遂行するシステムです。機動性・柔軟性が必要なうえに、プロジェクトごとに作業内容やチームが変わるため、人材が育ちにくいデメリットがあります。

アジャイル型雇用の人材育成においては、個々のスキルを育てるマネジメント術を学ぶと長期的に活躍できる従業員の育成につながります。

人事評価制度

プロジェクトごとに作業を遂行するアジャイル型雇用は、外からチームメンバーの動きが見えにくい点がデメリットになります。チームメンバーの状況が見えなければ、人事評価ができません。そこで、アジャイル型雇用の導入にあたっては、人事評価制度の整備が急務となるでしょう。

企業の人事部では、個人のスキルアップにつながる目標達成基準を制定するとよいでしょう。

アジャイル型雇用の要は「可視化」と「評価」

アジャイル型雇用を成功に導くポイントは、チームメンバーの状況を「可視化」することと、専門的な業務内容に対して「正当な評価」をすることです。

アジャイル型雇用では、専門性を持ったメンバーがプロジェクトの課題をこなします。前述の通り、プロジェクトごとに裁量権があり、他部署の判断を仰ぐことなく小さなタスクをこなしていくため仕事がはかどる反面、外からはメンバーの状況が見えにくいのがデメリットです。そこで、人事評価制度や状況把握のために、チームメンバーの状況を可視化することが第一のポイントとなります。

評価にあたっては、該当プロジェクトの一定の経験がなければ、専門的な内容なだけにイメージできず、評価もしにくいはずです。そのうえ、評価を受ける従業員も、専門知識のない上司が評価すれば、不信感を抱きかねません。

そこで評価の際には、プロジェクトにあたる従業員が組織に対して求めていることが何かを理解したうえで行うことが重要です。従業員が求めるものを把握するには、従業員満足度調査(ES調査)を活用するとよいでしょう。そこでおすすめしたいのが、アスマークのES調査「ASQ」です。

ES調査「ASQ」で納得感ある人事評価制度に

アジャイル型雇用を導入するうえで重要なのは、チームメンバーの誰もが納得できる人事評価制度です。ES調査「ASQ」は、従業員が求める人事評価のポイントを把握するツールとして有効活用できます。

組織タイプ診断・社員タイプ診断による従業員満足度の把握

ASQでは独自のロジックにより、組織・社員をそれぞれ4タイプに分類します。満足度と離職意向について多面的に分析することで、従業員の本質が分かります。これを人事評価制度に生かすことで、チームメンバーも納得できる評価へ近づけることが可能です。

自社モニターによるベンチマークデータと比較し改善ポイントの見える化

ASQを運営するアスマークは、全国1万人分の有職者データを保有しています。情報は常に更新された最新のものです。そのため、調査のケースごとにぴったりくる業界のデータをベンチマークデータとして比較することで、従業員の改善ポイントを可視化できます。

評価基準を設ける際には、改善ポイントとして組み込むことが可能です。

専門家による施策提言で組織の課題を把握

ASQのレポートは、専門家による施策提言付きです。組織・人材、生産性向上・業務効率化の両面から分析した課題であるため、レポート結果から課題改善へ直結させられるのが大きなメリットだといえるでしょう。

課題内容をプロジェクトの目標と照らし合わせ、人事評価基準の構築に活用できるのがポイントです。

 

アジャイル型雇用の導入には、納得感があり、なおかつ正当な人事評価制度が欠かせません。アジャイル型雇用導入への第一歩として、ES調査を活用してみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

「あなたの組織の従業員総活躍をサポートしたい」の理念のもと、在席管理、パワハラ防止法対策、ES調査、RPAなど組織の働き方改革を応援する6つのサービスをご提供しています。

humapの編集ポリシー

従業員満足度調査とは?

従業員満足度調査(ES調査「Employee Satisfaction Survey」)とは、従業員のモチベーションや意欲を図るために行うアンケート調査。
従業員の不安や不満を直接吸い上げて問題点を改善し、業績や企業価値の向上に結びつけることができます。

> 詳しく見る

従業員満足度調査とは?実施手順と注意点について

「従業員満足度調査をしたいが、具体的にどうすればよいのかわからない」とお悩みの方は必読。従業員満足度調査の目的や具体的な方法についてご紹介します。
今までの方法を見直したい方もぜひ参考にしてみてください。

> 詳しく見る

おすすめ記事