コンプライアンス研修とは?実施する目的とテーマ事例

この記事を読む方の中には 「コンプライアンス研修が形骸化している」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。 そこで今回は、コンプライアンス研修の目的とテーマについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

コンプライアンス研修とは?

コンプライアンス研修とは、社員が遵守すべき法律や、社会のルールを守る意識を高めるための研修です。コンプライアンスの定義と研修が重視される理由から解説します。

コンプライアンスとは?

コンプライアンスとは、法令遵守のことで、企業経営において守るべき法令のすべてです。労働基準法や税法などの法律に加えて一般常識や倫理観などの社会規範も含まれます。さらに、会社で定めている就業規則や社内ルールなどの社内規範も守るべき法令の範囲です。

コンプライアンス研修が重視される理由

コンプライアンス違反は、社会問題へ発展し、企業イメージが大きく失墜する可能性があります。一般常識や倫理観のようにルールとして明文化されていないため、適切か否かの判断が必要です。そこで、コンプライアンス研修を実施し、最新の情報を理解する必要があります。

コンプライアンス研修の目的

コンプライアンス研修は、社会的なルールの浸透やハラスメント対策、企業価値の向上のために実施します。

法令や社会におけるルールの浸透

研修は、仕事を進めるうえで必要な法律と、一般常識の範囲を浸透させるために実施します。仕事にかかわる法律は広範囲です。業種や仕事内容により必要な法律が異なります。守るべき法律を知り、コンプライアンスに違反しないよう研修が必要です。

コンプライアンス違反とハラスメントの対策

働き方改革や仕事観の変化など、仕事への意識が変化しています。そこで、定期的な研修で最新のコンプライアンス・ハラスメントを学び、対策する必要があります。研修では、在宅ワーク時のセキュリティ対策やSNSの炎上など、違反の具体例や対策が主な内容です。

企業価値の向上

コンプライアンス研修は、就業規則や企業理念など、自社の考え方を浸透させるよい機会です。自社の考え方を広め、違反すれば会社に大きな影響を及ぼす可能性があると従業員に意識づければ、自覚のある行動が取れるでしょう。

コンプライアンス研修の実施方法

コンプライアンス研修は次の流れで実施します。

  1.現状把握
  2.テーマ決め
  3.方法や講師の選定
  4.カリキュラム作成
  5.実施
  6.振り返り

はじめに、コンプライアンス意識や理解度の測定です。測定結果を受けて、改善優先度が高い項目を優先的に研修テーマを決めます。
次に、研修方法・講師・カリキュラムの作成です。研修方法は、オンライン・対面・e-learningから選びます。カリキュラムは、言葉の定義・正しい行動や対処法・実践など、段階を踏んで学ぶと理解しやすいでしょう。 研修カリキュラムの決定の際は、研修時間や頻度、実施回数なども決めておきます。
研修の実施後は振り返りを行い、改善点を次の研修へ活かすサイクルを作りましょう。

ハラスメント研修の効果を高めるコツは、こちらにもまとめています。

 

【テーマ別】コンプライアンス研修に使えるネタ事例集

コンプライアンス研修は、毎回同じテーマにすると形骸化して社員へ浸透しません。そこで、時事ネタや法改正、身近にあった違反例など毎年見直すのが大切です。コンプライアンス研修で使えるネタの事例をご紹介します。

一般常識・法律の知識

法律知識は、法令遵守のために知っておくべき知識です。法律には、次のようなものがあります。

  • 労働基準法
  • 下請法
  • 著作権法
  • 知的財産法
  • 雇用対策法
  • 個人情報保護法
  • 各種税法(消費税・地方税・法人税・所得税)

知っておくべき法律は、自身が携わる仕事内容によって変化します。なかでも、SNSの普及により著作権や特許権は非常に重要です。必要なものが学べる環境を準備しておきましょう。一般常識は「ゴミのポイ捨て」「公共の場で騒がない」「人を差別しない」など、当たり前に感じる内容でも認識不足の社員がいる可能性がある場合は盛り込んでおきます。

自社の行動規範やルール

自社ルールは、次のようなテーマがあります。

  • 就業規則の知識
  • 行動規範と経営計画
  • 取引先との対応方法
  • 経費申請
  • 各種手当の申請方法

研修は、規則の解説を読むだけでなく、実践的な内容を盛り込むと段階的に理解が進みます。また、経費や手当の申請など、コンプライアンス違反の可能性があるケースをテーマに選ぶのもおすすめです。

情報セキュリティ

情報セキュリティのテーマは次のようなものがあります。

  • SNSでの誹謗中傷対策
  • SNSでの情報発信
  • 個人情報の取り扱い
  • 機密情報の取り扱い
  • サイバー攻撃対策

近年、SNSの普及が著しいため、誹謗中傷や情報発信への対策が重要性を増しています。日々とるべき対策や、コンプライアンス違反の事例など、身近な内容を取り入れましょう。ふとアップした投稿から思わぬ事件に巻き込まれないよう、研修で対策するのがおすすめです。

ハラスメント

ハラスメントのテーマは次のとおりです。

  • ハラスメントの種類と内容
  • ハラスメント対策として企業ができること
  • ハラスメント発生後の対応
  • ハラスメントリスクの可視化
  • パワハラと指導の違い
  • 価値観や受け取り方の相違

ハラスメントの種類を列挙するだけでは、内容が浸透しません。身近な事例をあげて解説すると浸透しやすくなります。「対策の検討」や「パワハラと指導の違い」などは、管理職向けのテーマです。ディスカッションを交えると、組織運営へ反映できるでしょう。 ハラスメントは、自覚のない人が起こしやすい傾向にあります。そこで、ハラスメントリスクを可視化し、認識してもらう研修もおすすめです。

 

コンプライアンス研修は現状把握とテーマ設定が大切

コンプライアンス研修は、組織の課題に沿ったテーマを設定するのが大切です。アンケートで現状の課題を洗い出し、分析した結果で得られた課題に合ったテーマを選べば、コンプライアンスへの意識が高まります。効果的な研修のためには、データを多角的に分析し、有用なテーマ選定ができる専門家へ依頼するのがおすすめです。

コンプライアンス研修には「CHeck」がおすすめ

アスマークの「CHeck」は、ハラスメントリスクの可視化と多彩な研修メニューを有するコンプライアンス&ハラスメント対策サービスです。 「CHeck」は、現状分析のリサーチ・種類豊富な研修・外部相談窓口・予防対策サポートの4種類から必要なサービスを選択して利用できます。
「リサーチ」で現状を分析し、「研修」で課題に応じたコンプライアンス研修が可能です。

当事者意識が持てないとお悩みの場合は、事前テストで潜在的なリスクを可視化する「アセスメント研修」がおすすめです。自分の傾向が分かれば、コミュニケーションへも活用できます。

コンプライアンス研修は、社員が遵守すべき法令や社会のルールを意識づけるための研修です。コンプライアンス違反は社会問題となり、企業イメージが大きく低下するため、重要性を増しています。
しかし、内容が形骸化しがちなため、毎年テーマを見直すとよいでしょう。 テーマ選定のためには、現状分析が大切です。現状分析とテーマ選定のために、調査と研修が同時にできるコンプライアンス対策サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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