マルハラとは?業務チャットの「。」が怖い若者。

この記事を読む方の中には 「マルハラと聞くが、句読点を付けるとハラスメントなのか?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、マルハラの定義と対策についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

マルハラとは?

コミュニケーションアプリが主流になった昨今、句読点を恐れる「マルハラ」というハラスメントを主張する人がいるようです。マルハラの定義と具体例からご紹介します。

マルハラの定義と具体例

マルハラとは、マルハラスメントの略で、LINE等のコミュニケーションアプリで句読点が付いた文章にストレスを感じる現象を指します。具体的には「承知しました」と送る場合に「承知しました。」と句点を付ける行為です。

若者世代はあまりチャットで句読点を使用しないことから、句読点のついた文に対して「冷たい」「存在を受け入れられていない」などの印象を受ける人がいます。実際に若者世代は、あまり気乗りしないときに「承知しました。」大賛成のときに「承知しました笑」「承知しました!」と使い分けているようです。

マルハラと世代間ギャップ

マルハラを訴えるのは、LINEやチャットの利用が一般的な世代です。そこで、句読点を付けることに対する世代間ギャップをご紹介します。

なぜ若者は「。」をハラスメントと感じるのか

若者は、LINEやチャットなどを、短文で会話するように返信するのが一般的です。連続したやりとりを前提としたアプリを使って育った世代から見ると、途中に入る「。」によって会話が遮断された気がするようです。 途中で会話を区切ることで、関係を区切るように厳しく言われている感覚に陥り、ハラスメントだと感じることがあるようです。

おじさん世代は長文になりがち

昭和から平成に育った世代が主に使用していたコミュニケーションツールは手紙やメールです。メールは、挨拶から本題まで一度に書くため、長文になります。長文を書くときは、途中に句読点を挟まなければ当然読みにくい文章となるでしょう。 長文を書いている習慣から句読点を付けるのは当たり前であり、LINEやチャットでも句読点を付けてしまうのです。

 

マルハラに対する社会の反応

マルハラに対する社会の反応は「絵文字文化のため句読点に恐怖を感じる」「国語の教科書は句読点だらけ(だから別に怖くはない)」等と賛否両論です。マルハラ対策として絵文字の活用を提案する若者世代に対して「絵文字を多用したらおじさん構文と言われ、句読点を付けたらマルハラと言われる」と困惑の反応もありました。

俵万智さんの句に見る、マルハラに対する世間の反応

歌人の俵万智さんは、X(旧Twitter)上でマルハラに対して句を詠んでいます。

優しさに ひとつ気がつく ✕でなく ○で必ず 終わる日本語 (引用元:X_俵万智さん)

俵さんは、句点を冷たく嫌なものと捉えるのではなく、〇(まる)くおさめる優しいものと解釈してこの句を詠みました。「×(ばつ)」をつけるのではなく、〇(まる)くおさめている日本語には優しさがあるという意味です。 この句は、12万イイネを集め、年上世代を揶揄するのではなく、相手に寄り添うことが大切という反応が集まりました。

マルハラ対策と予防

個人と組織で対策しておくことで、マルハラは未然に防げます。それぞれの具体策についてご紹介します。

個人が取り組むべきマルハラ対策

マルハラ対策として、若者・年上世代で共通して認識しておくべきことは「自分の常識と相手の常識は同じでない」ことです。自分の常識を強く意識すると、知らないうちにハラスメントを引き起こす恐れがあります。

若者は、年上世代は癖で句読点を使っているだけだと理解すること。またどうしても句読点に恐怖を感じるのであれば「威圧感があるためやめてほしい」と素直に伝えることが大切です。句読点を付けることにこだわる人はあまりいません。素直に伝えれば、次回から気を付けてくれるはずです。

年上世代も、相手に合わせることが大切です。句読点を使わない相手へは自分も句読点を使わずメッセージを送ったり、句点を使うことに他意はないと相手に伝えておくのもいいでしょう。また、簡単なやりとりであれば、スタンプを送っておくのも一つの方法です。

組織や社会が進めるべきマルハラへの対応策

マルハラに対する受け止め方は、人それぞれです。若者だからと言って、全員が句読点を怖がる訳ではありません。しかし、句読点に恐怖を感じる人がいることも事実です。

そこで組織や社会は、相手に寄り添うことやコミュニケーションの研修をしておきましょう。 加えて、ハラスメントの定義を再周知するのも大切です。職場で起きた「マルハラ」が本当にハラスメントなのかを判断する基準を設けておきましょう。

マルハラに限らず、ハラスメントを防ぐには

マルハラ対策に限らず、日頃からのハラスメント対策によって、マルハラも防げます。そこで、マルハラに通じるハラスメント対策をご紹介します。

 

日頃から適切なコミュニケーションをとる

適切なコミュニケーションはハラスメントの予防になります。ここで言うコミュニケーションとは、ただ会話するだけではありません。

問題や課題を感じる場合は、現状把握と要因分析を行ってからコミュニケーションにあたります。組織の秩序を乱す行為や言動に対しては厳しい指導、頑張っているところはほめるなど、行動変容を促しましょう。

若者においても「厳しい指導=パワハラ」「上司は自分を理解しているはず」という誤解や受け身の意識は捨てて、自己成長のためにすべきことを考える必要があります。ときには自ら上司へ働きかけてコミュニケーションをとり、ハラスメントを予防することも大切です。

教育・啓発活動による意識改革

ハラスメントは、組織や個人の考え方が偏ることで発生するケースがあります。そこで、啓発活動を通した意識改革を実施しましょう。グループウェアの掲示板や会議など、定期的に周知することで、意識の定着がはかれます。

さらに、具体的な例を用いて教育の機会も設けましょう。教育は世代や役職ごとに実施すると、それぞれの立場に応じた事例を提供できます。取り上げる事例は、イメージしやすい同業他社や自社の例を用いることで、自分ごととして認識を促せるため、より効果的です。

当事者意識を持たせる研修には「CHeck」がおすすめ

アスマークの「CHeck」は、当事者意識を持たせる研修が魅力のハラスメント対策サービスです。

マルハラは、当事者意識がなく、相手の常識を理解しないために発生します。 自分の常識にとらわれず、相手に寄り添った対応を促すために「CHeck」は次のメニューを用意しています。

  • リスクを可視化するリサーチ
  • 当事者意識を持たせる研修

組織のリスクを可視化し、課題を把握した状態で、研修を実施すれば、より効果的です。

 

 

マルハラとは、LINEやチャットで句読点を使う相手に恐怖を感じる現象を指します。マルハラの主な原因は、世代間ギャップです。

日頃からコミュニケーションをとって相手に寄り添う対応ができれば、マルハラが予防できます。 相手に寄り添う対応を養うために、現状把握のリサーチや当事者意識を持たせる研修を活用してみてはいかがでしょうか。

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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