産後パパ育休の推進がハラスメントを防止する3つの理由とは?

この記事を読む方の中には

「産後パパ育休制度の導入後、パタハラが増えてしまわないか心配だ」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、産後パパ育休制度の概要とパタハラ対策についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

産後パパ育休とは?

産後パパ育休とは、男性従業員が子どもの出産から8週間以内に取得できる休暇制度のことです。2022年4月から施行されている育児休業法の一部として2022年10月から新たに定められています。

 

主な特徴は4点です。

  • 育休とは別に取得可能
  • 出産後8週間以内に最大4週間取得可能
  • 分割で2回まで取得可能(通常の育児休業と合わせると4回まで)
  • 労使協定を締結している場合に限り、休業中の就業が可能

 

女性の就業機会を増やしたり、男性の家事・育児参加を促すことで女性のスムーズな職場復帰を促進するなどのメリットがあります。

 

産後パパ育休の推進がハラスメントを防止する3つの理由

パタハラとは、パタニティハラスメントの略で、男性が育児時短や育休を請求したり取得したりすることで不利益な扱いや、嫌がらせを受ける行為、言動を指します。

産後パパ育休を推進することは、間接的にハラスメントを抑止することにもつながるでしょう。その3つの理由を具体的にご紹介します。

取得しやすい雰囲気が組織風土を変える

産後パパ育休を推進することで、ワークライフバランスの改善や、休暇に対する意識改革などが見込まれます。
会社全体で育休などを前向きに受け入れる雰囲気が広がればハラスメントが起きにくい環境へとつながることが期待できます。

産後パパ育休を取得しやすい雰囲気作りのために、企業ができることとしては例えば以下のようなものがあります。

  • 管理職の意識改革
  • トップメッセージとして従業員へ発信
  • 業務フローの見直し
  • 自社のパパ育休取得率を公開
  • 実際に取得した従業員の声を発信

 

男性社員が子育てにより関わることで理解が深まる

子育ては、毎回手探りです。どんな母親・父親も初めて子育てに慌てる場面も多いでしょう。男性社員が産後パパ育休を取得することで、子育てに多く関わることができます。子育てへの理解・家族の絆がより深まることが期待でき、満足度も向上するでしょう。

また男性が妊娠・出産・育児に関する理解を深めることで、より女性の働き方への考慮や思いやりが生まれやすくなります。これはハラスメント行為・発言の防止の一助となるでしょう。

取得ルールの整備がハラスメント防止にも貢献する

産後パパ育休の取得ルールがあいまいだと、取得条件がその時々の状況などに左右されかねません。
また、整備がされていないままだと、上司や同僚からの不用意な発言を招く恐れがあります。

取得ルールを整備すれば、各従業員がルール通りに育児休業を取得できるので、ハラスメント対策にもつながります。

産後パパ育休を推進しないことで生じる損失

産後パパ育休を推進していない企業が受ける可能性があるリスクをご紹介します。

男性社員の満足度低下

共働き家庭の増加や核家族化などの背景から、男性の育児参加が当たり前に求められるようになってきています。

男性が育児に参加しづらい体制のままでいると、家庭との両立が難しく、会社への満足度にも悪影響を及ぼしかねません。放置してしまうと、離職・退職するという選択をする社員が増える可能性があります。

また、男性が育児ができない環境が続くと、女性側も子育てに追われることになり社会復帰の検討が遅れ、男性社員がより働かなければならない環境に陥ります。ワークライフバランスが保てず、より生産性低下を招くということになりかねないでしょう。

法令違反の可能性

産後パパ育休は、育児休業法に基づいて認められた権利です。従業員が産後パパ育休を希望した場合、企業は取得を認めなければなりません。万が一、取得を認めない場合は、法令違反になる可能性があります。法令順守の観点からも、産後パパ育休の制度を前もって整えておくことをおすすめします。

ハラスメントの遠因に

育休などの制度が浸透されていない職場では、育児に対する理解や配慮が十分でない可能性があります。理解が乏しいがゆえに「育児は女性がするもの」等の言動をとってしまうと、マタハラやパタハラ、セクハラに当たる場合もあります。産後パパ育休を推進・周知しないことは、ハラスメントの遠因となってまう恐れがあるでしょう。

産後パパ育休の推進にはハラスメント対策が有効

産後パパ育休制度は、改正育児・介護休業法で認められた権利です。
しかし、たとえ産後パパ育休の制度は整備していても、「男が育休を取るなんて」と言われるようなパタハラが横行した職場では、産後パパ育休の取得は進みません。

そこで、産後パパ育休の推進には、ハラスメント対策も併せて検討すると良いでしょう。

 

ハラスメント対策は組み合わせが重要

産後パパ育休の取得に対するハラスメント対策は、複数の施策を組み合わせることでより効果が期待できるようになるでしょう。具体的な対策例をご紹介します。

トップのメッセージやルールの整備

ハラスメント撲滅・産後パパ育休制度の推進をトップメッセージとして掲げることで、従業員が認識を合わせることができます。産後パパ育休に協力的な職場の雰囲気づくりに役立つでしょう。

ハラスメント外部相談窓口の設置

ハラスメント相談窓口は既に設けている企業も多いことでしょう。パタハラ、マタハラに関しても同じ窓口に相談できるような体制づくりと周知を行うとよいでしょう。

ハラスメント相談窓口では、秘匿性・対応の素早さ・セカンドハラスメント対策が重要です。
相談窓口の中でも”外部”相談窓口であれば秘匿性が高く、セカンドハラスメントの心配が少ないです。外部相談窓口を選ぶ際には、受付のしやすさ・受付時間などを選定基準に含むとよいでしょう。

教育や研修の実施

産後パパ育休は、2022年10月より施行された制度です。新しい制度のため、完全に理解している従業員も少ない可能性があります。そこで、産後パパ育休への理解促進・パタハラ対策のため、教育・研修を実施するのがおすすめです。
自社の申請ルールなどを定めた後に、ルール内容の周知とあわせてパタハラ等についての教育・研修をおこなうことで、産後パパ育休の促進につながり、ハラスメント対策もできるでしょう。

社内アンケートなどで実態を把握

社内アンケートは、産後パパ育休を取得させてもらえない従業員や、身近にハラスメントを受けている従業員がいる場合などの現状把握に効果的なほか、会社としてハラスメントに対して積極的に対策を行っていると従業員に示すことにも有用です。
相談窓口へは通報できない従業員が「アンケートなら」と申告してきたり、ハラスメントまでは至らないが要注意な事案が出てきたりと、普段は埋もれているハラスメントの芽が見えてくるかもしれません。

また、現在の育児休業制度に対する意見をはじめとした会社に対する思いなどが聞ける良い機会です。社内アンケートは、1度だけでなく、定期的に実施すると良いでしょう。

ハラスメント対策アンケート「CHeck」

アスマークの「CHeck」は、当事者意識を持たせるハラスメント防止サービスです。産後パパ育休の推進・パタハラ対策に役立つ特徴が3点あります。

 

  • 設問のカスタマイズができ、自社の状況に合わせたアンケートが可能
  • 自身のリスク傾向がわかる、自分ごとになる研修
  • 就業時間外でも対応可能な外部相談窓口

 

「CHeck」のアンケートは、コンプライアンスからハラスメントまで網羅した12項目26問の設問で手軽に幅広い範囲の現状把握が可能です。また自社でのカスタマイズ設問を追加することが可能です。また、アンケート結果を基に必要な内容を盛り込んだ研修や外部相談窓口の提供も可能です。

産後パパ育休の推進についてご紹介しました。産後パパ育休の推進により子育てへの理解などが進み、子育てや家庭の事情をはじめとする多様な働き方に寛容な環境になれば、ハラスメント行為がなくなりより働きやすい職場環境につながるなど、好意的な循環も期待できるでしょうでしょう。

産後パパ育休の推進策として、ハラスメント対策サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G

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