リモートワーク促進時代から“最適運用”へ~ハイブリッド勤務を成功に導く運用設計と実践策

はじめに:リモートワーク促進から“最適運用”へ

この記事を読んでいる人事担当者の方の中には、
「ハイブリッド勤務は定着したものの、運用がうまく回っていない」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
 
リモートワークが急速に広まった一方で、出社と在宅を組み合わせるハイブリッド勤務は、運用ルールが曖昧なままだと、生産性やコミュニケーションに課題が生じやすくなります。本記事では、ハイブリッド勤務を“より良い状態”へ導くための運用ポイントを整理していきます。
 

ハイブリッド勤務に潜む課題とは?

まずは、ハイブリッド勤務で起こりやすい課題を整理することが重要です。制度を整えていても運用が人任せになると、働き方がバラつき、結果として組織の一体感が損なわれるおそれがあります。
 

ハイブリッド勤務で生じやすい課題

課題領域 具体的に起きる問題 組織への影響
出社率の偏り 部署 / 個人で出社日がバラバラ コミュニケーションの機会の低下
出社目的の曖昧さ ・「何のために出社するのか」が不明確
・出社の意味を見失う
・不要な出社への不満の増加
・モチベーションの低下
会議運用が不明瞭 オンライン / 対面が混在し場が崩れる ・情報格差
・意思決定スピード低下
オフィス稼働の偏り ある曜日だけ満席、別の日はガラ空き オフィスコストの効率低下

出社率の偏りが生む非効率

ハイブリッド勤務では、出社・在宅の判断を個々の裁量に任せている企業も少なくありません。その結果、部署ごとに出社傾向が偏り、必要なメンバーが揃わず議論が進まない、繁忙日に出社が集中して席が足りなくなる、などの不都合が起こりがちです。
 

  • 出社が集中する曜日が固定化
  • 業務連携が取りづらい
  • オフィス利用効率が下がる

 
こうした課題は、株式会社アスマークのテレワーク調査でも指摘されており、テレワーク実施中の約3人に1人が「他の社員の居場所や状況が把握しづらい」「連絡が取りづらい」と感じています。
ただ、テレワークの実施はエンゲージメントにも好影響を与えることがわかっています。頻度によって従業員のエンゲージメントに差が出ることも報告されており、下記の図の通り、テレワークをしない人と1日でもテレワークをできている人でエンゲージメント状態を比較したとき「非常に高い」と回答した人で10%近く差が出ていることがわかります。働き方と組織状態は密接に関連しており、ハイブリッドワークは制度やルールさえ整えれば組織にとって良い効果を生む施策であると言えるでしょう。
 

図 テレワーク頻度とエンゲージメント
図 テレワーク頻度とエンゲージメント

 

 

ハイブリッド勤務を成功させる運用設計

ハイブリッド勤務で成果を出すためには、まず「出社の目的」を明確にし、社員が迷わず判断できる状態をつくることが欠かせません。
 

“出社すべき理由”の明確化

出社する目的が共有されていないと、出社する理由が、「なんとなく」「一応」といった曖昧な基準に変わってしまいます。あらかじめ目的を明確にしておくことで、働き方に一貫性と納得感が生まれます。
 
出社目的の例:

  • 協働 … 対面での議論・意思決定
  • 育成 … OJT・フォロー
  • 関係構築 … チーム会・面談
  • 業務特性 … セキュリティ要件の高い作業

 
目的が整理されることで、出社日が“価値のある時間”へと変わり、業務効率や心理的安全性にも良い影響が期待できます。
 

実践フェーズで押さえるべきポイント

「出社の目的・理由」を明確にした後は、出社のルールを整え、スムーズな業務運用ができる“仕組み”を整えることが重要です。仕組みがないままだと、運用が属人的になり、ハイブリッド勤務を安定して運用することが難しくなります。
 

出社・在宅判断の一貫性をつくる

判断基準を個々に委ねるのではなく、組織として統一することで、運用のブレを防ぐことができます。あわせて、チーム内で出社予定を共有すれば、必要なメンバーが揃いやすくなり、対面での業務もスムーズになります。
 
具体的な実践策:

  • 出社・在宅の判断基準を明文化
  • 出社予定の共有ルールを統一
  • ハイブリッド会議のガイドラインを整備
  • オフィス利用の偏りをモニタリング
  • PDCA を回す改善プロセス

 
株式会社アスマークの調査でも、テレワークが可能な業務ほどエンゲージメントが高い傾向が示されていることは先ほどもデータでお伝えしましたが、働き方の選択肢が従業員の前向きさにも影響していることが調査結果からわかっています。

図 エンゲージメントスコアの比較
図 エンゲージメントスコアの比較

 

 

テレワーク導入と運用最適化

ハイブリッド勤務を最適化するうえで欠かせないのが、データに基づく検証です。出社・テレワークの日数等のルールの設定を主観や感覚だけで判断してしまうと、改善の方向性を誤ることがあります。

テレワークの日数を検討するにあたり、テレワーク日が多ければ多いほどエンゲージメントが向上すると思ってしまう方もいるかもしれませんが、実はそうではなく、最もエンゲージメントが高いのは、「週1回のテレワークを行っている人」であることも先ほどの調査結果が示しています。
出社率やエンゲージメントの変化を継続的に追い、現状を可視化することが重要です。
 

テレワーク導入後も定期的に改善を

最初に設定したルールが適切であるとは言えません。ハイブリッドワークを行う中で不便に感じていること、業務に支障が出ていないかなど、従業員に確認を行い改善検討が必要です。改善を行うには、出社頻度などの「行動データ」や、働きやすさ・コミュニケーション満足度などの「意識データ」の両方を組み合わせて状況を把握すると良いでしょう。
 

  • 出社率・出社頻度
  • オフィス混雑の傾向
  • 業務効率
  • チーム連携・関係性の変化
  • コミュニケーションの変化

 
これらを継続的に把握することで、制度と実態のギャップに早く気づき、改善をスムーズに進めることができます。
 

まとめ:ハイブリッド勤務の最適化に向けて

ハイブリッド勤務は、制度を整えるだけでは機能しません。「出社の目的」「出社頻度の基準」「会議のルール」「改善プロセス」など、運用の土台をしっかり整えることで、柔軟性と生産性を両立した働き方が実現します。
 
せっかく導入した制度でも、従業員が働きにくさを感じ、不満が生まれてしまっては、生産性の向上は見込めず、むしろエンゲージメントが下がってしまうおそれがあります。
 
■株式会社アスマーク「せきなび」を活用した働き方の可視化
ハイブリッド勤務を最適化するには、出社・テレワークの従業員の勤務状況を正確に把握することが欠かせません。
 
アスマークの「せきなび」は、

  • 出社率の可視化
  • 部署別の出社・テレワークの勤務状況の把握
  • 従業員のプレゼンス管理

を可能にするツールです。
 
スムーズな業務運用をしつつハイブリッドワーク化を進めたい企業にとって、ハイブリッド勤務の質を高める強力なサポートとなるでしょう。
 
また、せきなびには顔写真付きのプロフィール機能もついています。ハイブリッドワークが進み、コミュニケーションが減ってきたとの課題がある場合には、コミュニケーションのきっかけを作るのに活用できる便利な機能です。

 
コミュニケーションに活用している企業の事例も紹介します。
【導入事例】株式会社真和
出社と在宅のハイブリッド型、フリーアドレス、コミュニケーション促進の3つにフィットした「せきなび」を導入

 

 
ハイブリッド勤務は、単に新しい制度を導入するだけでなく、組織の働き方そのものを見直す取り組みです。リモートとオフィス、それぞれの良さを最大限に引き出し、社員が主体的に働き方を選べる環境を整えていくことが求められます。
 
人事部門の役割はこれまで以上に大きくなりますが、データを使った運用改善と現場との対話を重ねることで、ハイブリッド勤務は確実に洗練されていくでしょう。働き方の“正解”が企業ごとに異なる今こそ、自社に合ったより良い方向性を探り続ける姿勢が大切です。
 
ハイブリッド勤務の最適化は、柔軟な働き方を提供するだけではなく、組織文化を育み、社員が力を発揮しやすい環境をつくる取り組みでもあります。データを活用した改善と、一人ひとりの働き方への丁寧な配慮を重ねながら、持続的で強い組織づくりを進めていきましょう。
 

執筆者

Humap編集局 株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G
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