ハラスメントの判断基準はどこ?種類別に境界線と対策を紹介

この記事を読む方の中には
「最近、ハラスメントの相談が増えた」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ハラスメントの判断基準についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ハラスメントとは?

ハラスメントとは、職場におけるいじめや嫌がらせ行為・言動のことです。地位などの優越的な関係を持つ者から不利益を受けたり職場環境が害されたりする行為を指します。

ハラスメント行為は、加害者に自覚のないことが大半です。過去に行った調査をご参照ください。

 

職場でよくある5大ハラスメント

ハラスメントには、行為や対象によって名前があります。職場で発生しやすい5種類をご説明します。

  • パワハラ:優位な立場を利用した威圧的な言動や暴行
  • セクハラ:性的な言動によって不快な思いをさせること
  • マタハラ:妊娠や出産、育児休業の制度利用を理由とした嫌がらせ
  • パタハラ:育児休業の取得を希望する男性従業員に向けられた嫌がらせ
  • カスハラ:顧客が従業員に対して理不尽な要求をすること

ハラスメントにあたるか否かは、一定の基準と状況を元に判定します。相談対応に備えて、各ハラスメントの基準を理解しておく必要があります。

パワハラの判断基準

パワハラは、厚労省が定めた3つの基準があります。

  • 優越的な関係を背景とした言動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
  • 就業環境が害されるもの

優越的な関係とは、役職や人数、スキルなど被害者より優位な状況を指します。社会通念上、言動の内容が業務の改善のために合理的なものはパワハラに該当しません。就業環境が害される状況とは、不快な思いによって仕事のパフォーマンス低下を招く状況です。 基準は、被害者の一方的な主張のみでは判定されません。社会通念の範囲や行為の回数なども影響があります。

セクハラの判断基準

セクハラは、明確な定義がありませんが、「職場」において行われ、労働者の意に反した性的な言動をするとセクハラとみなされます。被害者の受け取り方次第でアウトにもセーフにもなりうる点がセクハラの特徴です。 固定的な性別役割分担意識に基づく言動は、セクハラに繋がりやすいため注意しましょう。

マタハラ・パタハラの判断基準

マタハラ・パタハラは、女性労働者や産休・育休を申し出た労働者の就業環境が害されるか否かです。 「就業環境が害される」状況とは、採用時に妊娠や出産について問われ、回答結果により採否が決まるなどがあります。妊娠や出産時のみのハラスメントでない点がポイントです。

カスハラの判断基準

カスハラの判断基準は、2点です。

  • 顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合
  • 要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動

妥当性を欠く要求とは、企業側に瑕疵や過失がなくサービスや商品に対する内容でない場合を指します。社会通念上不相当な行為や、土下座の強要や金銭補償の要求などです。

職場で必要なハラスメント対策

職場で必要なハラスメント対策は、パワハラ防止法で定められています。規定への追加に加えて必要な対策を4つご紹介します。

研修体制の整備

研修は、ハラスメントに対する理解を深めて会社の方針を周知するために実施します。内容と規定の理解に加えて、ハラスメントが発生しない組織作りに対する研修を加えるのもおすすめです。 研修は、講師が一方的に話すだけでは理解が進みません。当事者意識を持ってもらう研修を用意するとよいでしょう。

当事者意識を持ってもらう研修として、事前テストの結果を研修でフィードバックする「アセスメント研修」がおすすめです。

 

相談窓口の整備

ハラスメントの通報や相談受付のために、窓口を整備して従業員へ周知しましょう。整備する窓口は、相談のしやすさと匿名性の高さが大切です。 相談のしやすい窓口を作るためには、就業時間外の相談受付や、メール・電話など相談チャネルの種類を増やすとよいでしょう。
外部機関へ依頼すると心理的安全性の高い窓口になります。

ハラスメント発生後の体制整備

ハラスメント発生後の体制とは、相談を受け付けてからの体制です。スムーズかつ適切な対応のためには、相談者に合わせて複数のチームを作り、社内の各部署や産業医と連携が取れる体制を作ります。
チームを編成したら、不適切な対応をしないためのマニュアルや対応を記録するシートを作成し、対応者向けの研修を実施します。

ハラスメントチェック

ハラスメントチェックとは、現状把握および対策への効果を測定するために行います。窓口へ相談するまでもないと思っている事案や、第三者から見てハラスメントと感じる行為をチェックによって洗い出すことが可能です。 チェックには、現状把握に加えてハラスメントへの理解を深める内容を組み込むと、ハラスメント知識の周知へもつながります。

ハラスメントチェックは、実施時点の状況を把握するため、定期チェックが大切です。また自社が過去に実施したハラスメント対策の効果測定についても検証することが可能です。
代表的な施策別にハラスメント対策に効果に差があるか調査をしました。ぜひ参考にしてみてください。

 

境界線を知ってハラスメントの意識を高めよう

ハラスメントは、職場で起きるいじめや嫌がらせ行為です。職場でよくあるハラスメントには、パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・カスハラなどがあります。ハラスメントの種類ごとに判断基準が異なり、パワハラは優位性を背景にした嫌がらせ行為です。 セクハラ・マタハラ・パタハラ・カスハラは、社会通念上妥当性を欠く行為かつ被害者が不快に思うか否かがポイントです。

職場でのハラスメント対策には、研修や相談窓口の設置、発生後の体制整備があります。なかでも「ハラスメントチェック」は、現状を把握して早期に対策が取れる重要な対策です。

 

今回ご紹介したハラスメントの判断基準や具体例などを詳しく解説した資料を用意しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

執筆者

Humap編集局

株式会社アスマーク 営業部 Humap事業G

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