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この記事を読む方の中には 「上司が部下を指導するためピグマリオン効果を活用したい」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。 そこで今回は、ピグマリオン効果についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ピグマリオン効果は、相手からの期待を受けて成果が上がる心理効果を指します。一方、ゴーレム効果は正反対の心理効果です。両者は、相手から影響を受ける点が共通している反面、期待を受けるか否かに違いがあります。それぞれの効果についてします。
ピグマリオン効果とは、他者から褒められ、期待を受けることで仕事や学習のパフォーマンスが向上する心理効果です。アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが、1964年に提唱したと言われています。
ローゼンタールは、教師からの期待があるか否かにより、生徒の成績を比較する実験をしました。教師から期待を受けると成績が上昇したことを論文にまとめたのが、ピグマリオン効果です。
ゴーレム効果とは、他者からの期待が受けられないことで、仕事や学習のパフォーマンスが低下する心理効果です。ローゼンタールが、ピグマリオン効果と同時期に実施した実験で提唱しました。ゴーレム効果は「絶対的ゴーレム効果」と「相対的ゴーレム効果」2つに分類されます。
絶対的ゴーレム効果は、否定を受けて期待が得られない場合にパフォーマンスが低下する現象で、相対的ゴーレム効果は、評価が低い集団に属するとその影響を受けてパフォーマンスが下がる現象を指します。
ハロー効果とは、1部の特徴的な印象に引きずられてほかの特徴を錯覚してしまう心理効果です。 例えば人事評価の場面で、ある一部の評価が高いと「全体を高い評価」に、ある一部の評価が低いと「全体を低い評価」とする。といったように、相手の評価をゆがめてしまう可能性があります。ハロー効果は評価する側が影響を受ける効果ですが、ピグマリオン効果は、評価される側が評価する側に期待されることで変化するため、影響が出る立場が逆であることが違いです。
ホーソン効果は、注目してくれる相手の期待に応えたいという心理が働き、高い成果をあげる効果のことです。両者は、受ける意識に違いがあります。ホーソン効果は「注目されている」という意識、ピグマリオン効果は「期待されている」という意識が成果をあげる要因です。
職場でゴーレム効果が発生すると、以下のような影響を及ぼします。
ゴーレム効果が発生すると「自分はだめだ」と感じるとともに成績や評価が下がります。評価が下がると、仕事のチャンスが減るため従業員の成長機会が見込めませんし、従業員が成長しなければ、組織全体の生産性は上がりません。
自己肯定感の低下や成長機会の減少により、仕事にやりがいを感じなければ離職者の増加を招くでしょう。
ピグマリオン効果をビジネスで活用するために、できることをご紹介します。
期待を言葉で伝えることで明確に気持ちが伝わるため、ピグマリオン効果が発揮できます。声かけは、よい点があればその場で肯定的な言葉を使って伝えるのがおすすめです。 もし、部下が不安に感じている場合は、成長した部分や期待している部分を説明して安心感を与えるとよいでしょう。しかし、伝え過ぎるとプレッシャーになります。適度な声かけを意識しましょう。
言葉で期待を伝えても、すべての業務を上司が管理していると期待しているようには見えません。期待を示すために、一定の裁量権を与えましょう。裁量権は、部下が困ったときにフォローすることを前提に与えるのが大切です。
実現可能な目標を設定することでも、ピグマリオン効果を活用できます。しかし、一度に大きな目標を設定すると、その目標を達成できずに自信を失ってしまうでしょう。達成できそうなものを小さく設定する「スモールステップ」を意識した目標設定が大切です。
裁量権を与え、目標を設定したら、フィードバックにも配慮しましょう。フィードバックの際は、欠点ばかりでなく長所を褒める加点方式を心がけましょう。他者と比較しネガティブな評価してしまうとゴーレム効果に陥りがちです。ポジティブなフィードバックを行い、自己肯定感やモチベーションを上げることでピグマリオン効果を発揮できます。
従業員同士でコミュニケーションを取るときは、モチベーションを維持する声かけが大切です。例えば、クリアすべき課題を指摘するときは、行いと改善へのポイントを指摘し、人柄や達成できないことを責めてはいけません。 自分を受け入れられたうえで指導・指摘を受けていると感じられるコミュニケーションを目指しましょう。
ピグマリオン効果を活用したマネジメントには、個人に合わせたコミュニケーションが大切です。自分が選びやすい言葉や日常会話の傾向などを把握し、対策を知っておくと、ピグマリオン効果を意識したコミュニケーションが取れるでしょう。
また、モチベーションが低い組織になっていないか、組織の傾向を把握することも大切です。しかし、アンケートの調査設計や研修カリキュラムの作成を自社で行うのはとても煩雑です。そこで、リサーチと研修はプロへ委託することをおすすめします。
ピグマリオン効果を活かしたコミュニケーションを行うには、アスマークの「CHeck」がおすすめです。 「CHeck」は、リサーチ・研修・相談窓口など、コンプライアンス・ハラスメント対策に必要なサポートを行うパッケージです。
「CHeckリサーチ」は、現状把握とハラスメントについて考える機会創出を同時に実現する調査サービスです。受けるだけで教育・周知啓蒙へつながるため、自分の行いを振り返る機会となります。ネガティブな発言が多くなると他社にも影響を及ぼすことがあるため、一人ひとりの意識を変えることが大切です。
「CHeck研修」は、多彩なメニューからニーズに応じた研修が受けられるサービスです。アセスメントテストを受験し、結果を元に研修が受けられる「アセスメント研修」やコンサルタント・カウンセラーによる研修などで組織全体の意識を良い方向へ変えていくことでゴーレム効果の回避に活用できます。
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ピグマリオン効果は、期待を受けて仕事や学習のパフォーマンスが上がる心理効果です。ゴーレム効果は、期待を受けられずモチベーションが低下し、パフォーマンスが下がる心理効果を指します。 ピグマリオン効果をビジネスで活用するには、スモールステップで達成できる目標を設定し、適切にフィードバックしましょう。一定の裁量権を与え、よい行いにはその場で明確に言葉で褒めるのが大切です。
ピグマリオン効果の活用には、自分が行っているコミュニケーションのリスクを把握し、ゴーレム効果を発生させないよう対策を取っておきましょう。リスク把握と対策のために、プロのリサーチと研修サービスを活用してみてはいかがでしょうか。
株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G