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「ポリティカル・コレクトネス(以下、ポリコレ)」という言葉を耳にする機会が増えていますが、具体的にどういう意味なのか、また企業としてどのように対応すべきか、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ポリコレの基本的な考え方やその背景、具体的な企業の取り組みについて解説します。ぜひ参考にしてください。
ポリコレは、人種や性別など特定のグループに対する差別をなくし、中立的で公平な社会を目指す考え方です。英語の“Political Correctness”の頭文字を取った言葉で、1960年代のアメリカ公民権運動を背景に広まりました。
ポリコレに基づく公平性の基準は、時代や文化によって変遷します。そのため、常に最新の情報を把握し、適切に対応していく必要があります。
ポリコレが企業に求められるようになった背景には、多様性を重視する動きの強まりとグローバル化、ハラスメント防止という3つの大きな要因があります。
2010年代以降、企業の社会的責任(CSR)や持続可能性(SDGs)といった観念から、多様性への配慮が強く求められるようになりました。2030年までに達成すべき17の国際目標「SDGs」のうち、「ジェンダー平等の実現(目標5)」「人や国の不平等をなくそう(目標10)」「平和と公正をすべての人に(目標16)」など、複数の目標がポリコレと密接に関連しています。
多様性に配慮しない企業は、ブランドイメージを失墜し、市場競争力の喪失につながる可能性があるため、ポリコレへの対応が不可欠です。
近年、デジタル技術の発展により、ビジネスのグローバル化が進んでいます。多様性を尊重することは、世界中から優秀な人材を確保し、国際的な取引をスムーズに進め、市場競争に生き残るための重要な要素でもあります。現状、諸外国では日本に比べて多様性を重視する傾向が強いといえるでしょう。海外企業との競争力を高めるためにも、ポリコレを正しく理解し、適切な施策を講じることが求められます。
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)から、職場での行動や発言が、人種やジェンダーを起因としたハラスメント行為につながることがあります。ハラスメント行為の予防や対策を怠ると、被害者が心に傷を負うだけでなく、企業イメージの失墜にもつながりかねません。組織内にポリコレを浸透させることで、ハラスメントを未然に防ぎ、健全な職場環境を整える必要があります。
無意識の偏見は、誰しもが持っているものです。気づかないうちにハラスメントの加害者にならないためにも、社内でセルフチェックシートを活用してみてはいかがでしょうか。
ポリコレの主な取り組みは、表現・服装・性的指向や自認への配慮です。詳しくご紹介します。
ポリコレを意識した表現には、次のようなものがあります。
※2025年3月時点で一般的に使われている表現ですが、今後も議論が続く可能性があります。時代に応じてアップデートしていきましょう。
企業や学校では、ジェンダーや宗教への配慮に基づく服装規定の変化があります。近年では、以下のような配慮が進んでいます。
ジェンダーや宗教に基づく服装規定は、差別につながる可能性があります。ジェンダーレスなデザインを採用する、選択肢を増やすなど、ポリコレに配慮した規定にすることで、公平性を確保することができます。
LGBTQ+を含む性的マイノリティへの配慮も進んでいます。企業では、次のような取り組みが行われています。
ジェンダーフリーについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
企業が行うポリコレ対応の具体策としては、次のようなものがあげられます。
企業がポリコレに適切に対応するためには、性や国籍など、差別につながる要素を排除し、多様性を重視するガイドラインを作成することが必要です。また、ハラスメントに該当する発言や行為、それらを防ぐための自社の取り組みをまとめ、従業員へ周知・浸透させることも大切です。
制度を整えるだけでなく、従業員一人ひとりがポリコレの重要性を理解し、実践できる環境を作ることが、企業としての信頼性を高めるポイントとなります。
ポリコレは差別をなくし、公平な社会を目指すために重要な考え方ですが、行き過ぎた対応が次のような問題を引き起こすこともあります。
・表現の自由を制限
特定の言葉や設定の見直しによって、創作の自由度が狭まり、本来のメッセージや芸術性が損なわれる
・映画やアニメ、ゲーム作品への影響
キャラクター設定やストーリーが変更された結果、原作の世界観が損なわれたり、ファンの反発を招く
・SNSの炎上リスク
過度なポリコレ対応が「行き過ぎた配慮」として批判を浴び、企業のブランド価値が毀損する
・過剰なクレームによるカスハラ化
一部の消費者が「ポリコレ違反」を理由に過度な批判や要求を行うことで、企業側の負担が増加
・当事者(配慮される側)の心理的負担の増加
周囲の過剰な配慮によって、かえって当事者が気を遣い、発言や行動に慎重になり過ぎてしまう
ポリコレを適切に取り入れるためには、公平性の確保と表現の自由、多様性の尊重とのバランスを意識することが重要です。
ポリコレへの対応は、多様性の尊重やハラスメント防止の観点から企業にとって重要ですが、「具体的にどのように進めればよいかわからない」「従業員の意識がどの程度なのか把握できていない」といった課題を抱える企業も少なくありません。
そのような課題を解決する手段の一つとして、調査サービスや研修の活用があります。 アスマークの「CHeck」は、組織におけるコンプライアンスやハラスメント対策を総合的にサポートするサービスです。企業が多様性を尊重し、ポリコレに配慮した適切な環境を整備するための第一歩としてもおすすめです。
特に、ポリコレを推進する上では、「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」が企業のリスク要因となることも多く、現状を把握し、必要な対策を講じることが不可欠です。CHeckでは、従業員向けのアンケートやデータ分析を通じて課題を明確にし、適切な対策へとつなげる支援を行っています。
また、CHeck研修では、性的マイノリティの当事者が講師を勤める研修も実施しており、当事者の心情やカミングアウトなど実際の経験談をもとに理解を深めることが可能です。
ポリコレへの対応をどのように進めるべきか迷っている方は、「CHeck」を活用し、現状を見える化するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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