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この記事を読む方の中には
「職場のパワハラを産業医に相談していいの?」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。
そこで今回は、パワハラ対策と産業医との関連についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
パワハラとは、職場の優位性を利用して相手に嫌がらせをすることです。
次の3要件に該当するものがパワハラに該当します。
代表的な行為は次の6種類です。
参考:あかるい職場応援団
なお、女性のプライベートに過剰に踏み込む行為は、セクハラです。
ハラスメントは、企業にさまざまな影響を及ぼします。具体的には4つです。
被害者の状況により、損害賠償・法的責任を負います。裁判が長引く場合は企業イメージが悪化し、業績低迷につながることもあります。
産業医の業務範囲は、労働安全衛生規則第14条第1項で定められています。条文に基づいた役割は主に以下です。
職場環境指導は、分煙状況や空調管理など、医師の観点から指導が行われます。近年は、仕事に対する考え方の変化によって高ストレスを抱えた従業員への面談やフォローも増えているようです。
産業医に職場のパワハラ相談は可能です。
会社の人に相談しにくい場合は、まずは産業医にパワハラ相談をするのもよいでしょう。
産業医は守秘義務を持ち(刑法134条1項)、相談労働者の同意なしに具体的な相談内容を会社に開示することはできません。その点で会社の人より相談しやすいと考えられます。
しかし、産業医はあくまでも医師です。メンタル不調を医学的に治すケアをします。また、産業医の役割は、フォローにとどまるため、本格的な治療となると、専門医を紹介する形です。
パワハラ加害者への処分や根本的な職場の人間関係の改善等は、会社側に相談して対応してもらう必要があります。
産業医にパワハラ相談をするのは可能ですが、それだけでパワハラが解決するわけではないことを念頭に入れておくことが必要です。
従業員が産業医にハラスメントを相談した際、覚えておきたい注意点が2点あります。
産業医は会社側、ハラスメント相談者側どちらか一方に偏ることなく中立に役割を果たさなければなりません。産業医は、従業員の健康のために改善が必要と判断した事項を、会社側に勧告する権限があります。会社は、産業医の役割を正しく理解しましょう。よりよい職場をつくるには、産業医と企業双方のコミュニケーションが必要です。
会社は、ハラスメント相談者のプライバシーを守り、相談内容を理由とした不利益取扱いをしてはならないという義務を負っています。これは、労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)第三十条の二で定められています。すなわち、「相談者が会社に都合の悪い情報を産業医に話したことを理由に解雇する」など、相談者に不利益な扱いをすると、法律違反になります。
また、相談内容が加害者へ届くことで、パワハラ行為が悪化する可能性もあります。産業医と連携したあとは、早急にハラスメント調査に入るとよいでしょう。
最後に、ストレスチェックの結果を生かしてアドバイスすることです。50人以上の職場では、ストレスチェックが義務付けられています。このストレスチェックの結果を利用すると、職場環境の課題が見えてくるでしょう。
特定個人への業務量の偏りなど、ささいに感じることも、適切な指導を施すことで、職場環境は改善する可能性があります。まめな環境指導により、ハラスメント行為が改善する可能性もあるので、適切にアドバイスしましょう。
2019年に改正された労働施策総合推進法において、会社にはパワハラ防止措置を講じることが義務付けられています。産業医設置以外のパワハラ体制整備に関する具体的な取り組みは4つあります。
パワハラは、優位性のある立場を利用して発生します。そこで、経営者からパワハラを徹底的に排除する旨を発信しましょう。トップメッセージとして発信することで、従業員へ「パワハラはしてはいけない行為」という旨を浸透させる効果があります。
パワハラ防止研修は、従業員へのハラスメントに関する知識定着に効果的です。具体例とともにハラスメント行為を周知することで、気づかないうちに自分が犯しているハラスメント行為に気づけます。
ハラスメントに関する社内アンケートは、自社の現状を知るために必要な取り組みです。自分では通報できないハラスメント行為を検知する機会になります。アンケートだけでなく、安全管理者・産業医などと連携して面談を実施するのも効果的です。
アンケートは、パワハラ防止法に対応した質問設定がある「CHeck」のようなハラスメント対策パッケージを利用すると、確実に早く実施できます。
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コンプライアンス対策なら
パワハラ防止法により、会社の規模問わず、ハラスメント相談窓口の設置が義務付けられています。また、パワハラ相談を理由とした不利益取扱いが禁止されています。したがって、パワハラ相談窓口の設置と相談者の不利益取扱いを防止する社内ルールを設けましょう。相談窓口と産業医の連携体制を整えることも大切です。
パワハラ防止策・産業医との連携についてご紹介しました。
ハラスメント行為は、社内的には労働環境の悪化による離職の増加や従業員の士気の低下による生産性低下、対外的には企業イメージ低下につながります。そのため、パワハラ防止は会社の業績にも重要な経営課題と言えるでしょう。
パワハラ防止対策の導入には、アスマークが提供する「CHeck」のようなハラスメント対策パッケージがおすすめです。
従業員の心身の健康を増進し、生産性を高めて業績向上につなげるためにも、ハラスメント対策をしっかり行いましょう。
株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G
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