この記事を読む方の中には「従業員をストレスから守るために、組織で対応できることを知りたい」とお悩みの方がいるのではないでしょうか。 そこで今回は、ストレスコーピングについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ミスの増加やイライラなどに対して負荷のない方法で対処する方法を「ストレスコーピング」と呼びます。はじめに、ストレス・ストレスコーピングの定義からご紹介します。
ストレスとは、不安や悩み・病気など外からかけられた刺激によって生じた緊張状態のことです。ストレスがかかると、気力の低下やイライラなど心理面での反応や、体のふしぶしが痛む身体面、ミスの増加などの行動面にあらわれます。
ストレスコーピングとは、ストレスの原因を見つけて自分にとって負荷のない方法でストレスを和らげることです。この理論は、アメリカの心理学者ラザルスにより提唱されました。 現代の社会環境は、仕事の重圧や人間関係など、さまざまなストレスがかかります。ストレスがかかった状態では、仕事のパフォーマンス低下を招きかねません。そこで、ストレスにうまく対処することが重視されています。
ストレスコーピングには、大きく分けて2つの種類があります。ストレスの原因や自分の状態と向き合いながら、その時に必要な技術を使うことで、ストレスコーピングが実現できます。
ストレスコーピングは、大きく分けて2つに分かれます。
問題焦点型は、ストレスの原因にアプローチする方法で、情動処理型は、一時的にストレス反応を和らげるための対策です。そのため、情動焦点型でストレス反応を和らげながら、問題焦点型で原因にアプローチすることが大切です。 それぞれの定義と具体例をご紹介します。
問題焦点コーピングは、ストレスの原因そのものにアプローチして解決・対策することです。問題焦点型と社会的支援探索型の2種類に分かれ、次のような対策があります。
問題焦点型は、ストレスの原因に働きかけることで、ストレス反応から抜け出そうとします。一方、社会的支援探索型は、周囲の力を借りて問題を解決しようとすることです。しかし、原因にアプローチすることで、余計にストレスがかかるケースがあります。
問題焦点コーピングの中には、転職や配置転換など、ストレスから遠ざかる方法も含まれます。
情動焦点型コーピングは、ストレスを受けた時の考え方や感じ方をコントロールする対処方法です。情動処理型と認知的再評価型に分かれ、次のような対処があります。
情報焦点型コーピングは、ストレッサーとは関係ない方法でストレス反応を和らげようとします。認知再評価型は、ストレスの原因をポジティブに捉える「ポジティブシンキング」と呼ばれるものです。
認知行動療法とは、原因となる悩みを気分・感情などの「個人内相互作用」と、人間関係・状況などの「個人間相互作用」から捉えて対処する心理療法です。 マインドフルネスは、今の自分に意識を向ける心のあり方を指します。瞑想・ヨガなどを取り入れ、内なる自分へ意識を向けてストレスを軽減する方法です。どちらの方法も、ストレスを和らげる点において、ストレスコーピングに大きな効果があると言われています。
コーピングリストとは、ストレスの解消や軽減方法をまとめたリストです。リストを作成することで、効果的な対処法が可視化できます。作成方法と使い方をご紹介します。
コーピングリストは、次の手順で作成します。
ストレスの原因を書き出す時は、事柄・原因に対する反応・ストレスの度合いをまとめると、コーピングの向上に役立ちます。対処法は、実践結果を気にせず思うままに書くことが大切です。
対処法は、ストレスと感じたらすぐに実践するとより効果があります。必要な時にすぐに実践できるよう、コーピングリストを持ち歩くとよいでしょう。 実践した結果、どのストレスに何を行い、どの程度解消できたのかを検証します。10点満点など尺度を決めて数値化すると、比較しやすいためおすすめの検証方法です。 検証した結果、不要な対処法はリストから外し新たに思いついた対処法を加えるなど、常にブラッシュアップすれば、自分に合ったコーピングリストが完成します。
従業員のストレスに対して、職場でサポートできる対策をご紹介します。ストレスコーピングのためには、あらゆる角度からサポートすることで、効果的なストレスコーピングが実現できるでしょう。
職場でできるセルフケアサポートには、研修などがあります。研修では、ストレスとの付き合い方や受講者同士で悩みを共有するなど、セルフケア方法が身につく研修です。ほかにも、日常的にマインドフルネスを実践する講習や、グループを作成してセルフケア方法を情報共有するなどの対策があげられます。
ストレスコーピングを効果的に実践するためには、ストレスの原因を理解することが大切です。そこで、アセスメントやアンケートでセルフチェックをすれば、ストレスを抱えやすい要因や、現状の把握ができます。
相談体制は、組織内に相談先を設けることです。産業医や外部相談窓口などがあります。職場の人間関係の悩みが多い場合は、内部へ相談するのは憚る方も多いでしょう。そこで、相談体制を確立する場合は、外部相談窓口を設けるのがおすすめです。
アスマークでは、従業員のストレスに対応するため、オーダーメイドのアンケートとセルフケアをサポートする研修サービスを実施しています。 アンケートは、ストレスの要因分析をはじめ、お悩みに応じて完全オーダーメイドが可能です。アンケートの目的やお悩みに合わせた設問を設計し、ご提案します。
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ストレスのかかりやすい時代から従業員を守るために、ストレスコーピングを実践しましょう。職場でバックアップできるストレス対策として、現状把握のアンケートや研修を活用してみてはいかがでしょうか。
株式会社アスマーク 経営企画部 Humap事業G